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パーキンソン病の症状を「つかむため」に知っておきたい3つのポイント(訪問リハビリ目線)

パーキンソン病をシリーズでお届けしているnote

今回は症状を「つかむため」に知っておきたいポイント編です。
パーキンソン病は「うごきの病気」ではあるものの、血圧や呼吸などを調節する「自律神経」にも影響があります。

書籍やインターネットで、パーキンソン病を検索すると、、、
「その他」の症状として、これも!あれも!のオンパレード。
結局、どんな病気なの?とぐちゃぐちゃになった方はおられませんか?

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それもそのはず。
パーキンソン病は「動きの病気」ではあるものの、それだけで完結しない病気なのです。

よって、このnoteでは以下を分かるように3つのポイントが分かるようゴールを設定しました。

①パーキンソン病の症状がすすむに連れて現れる症状を知る
②「質問力」で症状を把握する
③「処方薬」で症状を逆算する

では、シャカリキでいってみましょう。

①パーキンソン病の症状がすすむにつれて現れる症状を知る

パーキンソン病は個人差が大きい病気です。
Aさんはこの症状がでてるけど、Bさんには全くでてない。といったパターンがあるのです。

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※個人差があるため、全ての方がこのようになるわけではありません

「運動症状」でパーキンソン病と診断をされてから、おおまかな「運動症状」と「非運動症状」を分けて時系列を記載しています。
わたしはこの図を臨床で何度も見返しています。

経験的に、よく「パーキンソン病の幻視」について相談を受けますが、図のとおり精神症状(幻視)は中期から後期にかけて出現します。

診断を受けて間もない段階で幻視に注意を払いすぎたプランは現実的ではありません。もちろん、幻視について無視して良いのではありませんが、医師への相談とともに、在宅での環境設定や動線の選定をする方が良い働きをします。

国立病院機構北海道医療センター 菊池誠志先生の動画で紹介されています。
これは一視聴の価値ありありありです。ぜひ、ご覧ください。

個人差があるからこそ、おひとりお一人の症状を把握することは非常に大切です。なぜなら、その症状によって、予防対策を実行へ移すからです。

では、どのように症状を把握すれば良いのか?
有益な方法は「質問力」と「処方薬の逆算」です。

②「質問力」で症状を把握する

同居ご家族であれ、ご本人であったとしても「これってパーキンソン病の一部なの?」と判別を明確に分けることはできません。

そんな時はケアマネージャーさんや、介護士さん、は以下の6項目について質問してみてください。

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①②は運動症状について、
③④⑤は非運動症状(自律神経)について
⑥は生活での気分についてをスケーリングできます。

もちろん、これで全てを把握できるわけではありません。
しかし、わたしの経験ではこの6項目はキーとなる質問です。

大切なのは時系列で回答を「比較する」こと。
1回だけでその質問を止めるのではなく、1ヶ月単位ぐらいで何度も確認してください。

「3ヶ月前は夜のトイレ頻度は気にならなかったけど、急にトイレが増えた」と聞けば、「夜は眠れていますか?」と、生活をイメージした関連の質問を投げかけましょう。

1つの症状からイモヅル式で悩みを引っこ抜くのがここでいう「質問力」です。

③「処方薬」で症状を逆算する

「質問力」が、もし、みのもんたレベルで無かったとしても、症状を把握する1つの方法があります。

それは主治医から処方された薬を確認することです。

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月1回ほどの頻度で病院受診をされますが、お医者さんは「症状」や「検査結果」からお薬を処方されます。

これ、とっても当たり前なのですが見逃しやすいポイントだと思っています。

理由は「伝え忘れがある」からです。

明らかに日常生活での変容や、転倒・転落があれば「あら?」と気付けても、ちょっとした変化であればご本人、ご家族も覚えていません。
「お医者さんには相談したけど、介護士さんには言わなかったな」ってことがあります。

そんな漏れを防ぐために、「お薬の変更はありませんでしたか?」とひとこと聞きましょう。
変更して○○○が処方された!とは覚えておられなくても「変更・追加があったかどうか?」は覚えておられることが多いです。

そのため、お薬を確認して、効果・効能を逆算してみてください。

今はスマートフォンで簡単にお薬の検索ができます。
名前を打ち込んで、検索をかけましょう。
そして、逆算すれば「直近の悩み症状」を知ることができます。

まとめ

今回は『パーキンソン病の症状を「つかむため」に知っておきたい3つのポイント』をnoteしました。

パーキンソン病を患っておられる方にとって、症状をいちはやく把握することは間違いなく、安心した生活を送るために重要な情報です。

早く知ることができれば「環境の変更」、「看護でのアセスメント変更」、「リハビリ目標の再設定」など、事前に対策をすることができます。

今回は3つのポイントとしてお伝えしましたが、パーキンソン病ではこれだけでは語れない深さがあります。

シリーズでお届けしているnote、
次回は訪問看護ステーションからのリハビリを使って欲しい理由を書きたいと思います。

スキ、フォローしていただき、次回作をお待ちください。

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