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コンテンツ産業:個人的覚書

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#マンガ

案外解決が難しい「電子書籍の売上の速報値が入らない」問題

《編集者「都会の大きな書店で1週間以内に紙の本を買わないと打ち切りです。電子書籍?出しません、売上の勘定に入れません」ループに疲弊した読書家達の溜息》というのを読み、何とかならないかとちょっと考えてみた結果をだらだらと垂れ流していきます。

話の大前提大前提としては、上記まとめにあるこのnoteを参照してください。

紙の書籍は取次から週単位で売上情報が入ってくる一方で、電子書籍は特に取次を挟むと

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「出版社の搾取」の嘘と実相、作家が幸せになる方法(後半)

「出版社の搾取」の嘘と実相、作家が幸せになる方法(後半)

前半では、採算ラインを超える確信がない作家さん――新人さんや売れないベテランさんは、出版社との契約で不利と感じられる条件であることが多いものの、それらは必ずしも出版社の横暴ではない、ぎりぎりの作家さんは何をやっても苦しいのだ――という話をしました。後半では、ぎりぎりの作家さんがどうにか出版していく話をします。

知的財産に属するもの――創作はその典型――で食っていくということはなかなか難しいもので

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「出版社の搾取」の嘘と実相、作家が幸せになる方法(前半)

「出版社の搾取」の嘘と実相、作家が幸せになる方法(前半)

この数年、出版社は作家から搾取している、出版社の横暴が無ければ作家はもっと報われるのだ、というような話はよくされます。編集の横暴というのも聞くでしょう。吾妻ひでお「失踪日記」の秋田書店編集の下りなどはよく紹介されるところです。

しかし、出版社がそれだけ嫌なら、代わりはいくらでもあります。日本の出版社は4000あると言いますし、作家自身が出版社を作った実例もあります。今なら高コストの投資をしなくて

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