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#13 「呼吸の瞑想」と「呼吸による気づき」

stand.fm『瞑想Cafe』の13回目の放送です。
本日は、マインドフルネスでも行う「呼吸の瞑想」と「呼吸による気づき(アーナーパーナ・サティ)]について、お話したいと思います。

『瞑想Cafe』では、瞑想に関すること、マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想、「ブッダの教え」など、瞑想に関連するさまざまなことを、その日の気分で、気軽に、誰でも分かるようにお話していきます。

この記事では第13回の放送内容を要約して、お伝えしたいと思います。


1.「呼吸の瞑想」5つのステップ

マインドフルネス、ヴィパッサナー瞑想での基本の瞑想になります。

その呼吸の瞑想には、大きく5つのステップがあります。

STEP1:呼吸に意識を向ける

心を鎮め、集中されていくためには、心に何か対象を与えて、それに意識を向けさせることが必要になります。

心は、何かなければ集中することができないようです。

瞬間瞬間、いつでも手に入る対象を与えてあげる必要があります。

それが「呼吸」です。
自然な呼吸です

私たちは普段、無意識に呼吸をしています。
普段、呼吸をしていることに意識を向けることはありません。

先ずは、自然な呼吸に意識を向けます。


STEP2:呼吸を感じる

鼻孔から入っていく息、出ていく息、これに意識を向け続けて、ただ観察します。

呼吸をコントロールするのではなく、自然な呼吸に意識を置きます。

何の力も加えずに、コントロールせずに、身体が欲するままに、
ただ息を吸ったり、吐いたり、自然に呼吸します。

息が出たり、息が入ってくる感覚を、ただじっと感じるのです。


STEP3:呼吸に気づく

呼吸に気づくこと、常に呼吸していることに気づいていることです。

吸っている瞬間瞬間、吸って吐き始めるまでの「間」、その瞬間にも気づいてください。

吐いている瞬間瞬間、息を完全に吐き終わった後の吸い始めるまでの「間」、その瞬間にも気づいてください。

呼吸に意識を置き、呼吸全体のプロセスを観察して、気づくことです。

そのポイントは

息を吸いながら、吸っていることをしる
息を吐きながら、吐いていることをしる
呼吸をすることと、その呼吸を深く味わうことを、忘れないこと

一般的なマインドフルネスでは、この段階までになります。

STEP4:感覚に気づく

アーナパーナサティ(呼吸による気づき)の段階になります。

自然な呼吸に意識を置いて、今この瞬間「いま、ここ」に気づいていてこと、体に現れる「感覚」に気づくことです。

鼻孔の縁に意識を集中させます。

最初のうちは、鼻とその下にある上唇までの間に、三角形なり丸なりのイメージを決めて、その範囲内だけに意識を集中させて、観察するようにします。

この範囲の中であればどこでもいいので、その範囲内だけで感じる感覚に気づく練習をします。

暖かい・冷たい、重い・軽い、荒い・弱い、ピリピリするなど、
何でもいいので、そこで生じる感覚を感じてください。

だんだんと慣れてきたら、その範囲を徐々に小さくしていって、
最終的には鼻孔周辺の小さな点に絞っていきます。

エリア(範囲)を限定して、そのエリアだけに集中して、「感覚」に気づいてください。

数分でもいいので、その点に焦点を合わせ、心がさまよわず、
しっかり固定できるようになるように練習していきます。

意識が集中できるようになり、意識を置く範囲を小さくしていきます。

より微細で微妙な感覚に気づくことができるようになります。

これは、「気づき」と「精神集中」を高める訓練になります

これ以降のステップは、ヴィパッサナー瞑想の領域に入っていきます。

マインドフルネスでの「呼吸の瞑想」では、STEP3までできれば十分です。


2.日常生活での「呼吸の瞑想」

最初は5分から始めて、10分、15分、20分と増やしていきましょう。

また、座った瞑想のときだけではなく、歩きながら、ちょっと時間が空いたときなど、空き時間に数分でもいいので、呼吸に意識を置いて、呼吸に気づいてみてください。

そうすると、心が落ち着きます。

また、カッとなったり、イラっとしたり、少し落ち込んだりしたときは、
感情を表に出さずに、10数える間だけでも、呼吸に意識を向けてみてください。

呼吸に気づくたけでも、感情を押さえらえ、客観的に考えられるようになります。

3.心がさまよったとき


瞑想していて、心がさまよってしまったときは、

鼻から強い息を「フー」と数回吐き出して、呼吸に意識を戻す
さまよっては戻り、さまよっては戻り、この繰り返し
さまよっても責めないこと
“これもまたよし”


私の尊敬する「プラユキ・ナラテボー師」

この方は、1988年にタイのルアンポー・カムキアン師の下で出家。
現在は、タイのスカトー寺副住職を務めています。

プラユキ・ナラテボー師の瞑想修行の例えを紹介します。

瞑想はサーフィンのようだ。
心の波に乗ろうとするがドボン。
OK。
またドボン。
OK....
と繰り返しているうちに、コツがつかめて安定して乗れるようになる。

同時に、波の性質についての理解が深まってくる(=智慧)。
バランスをとりながらどんな波でも調和して進んでいけるようになる。


瞑想中は、ドボン、ドボンの繰り返しです。

瞑想中だけではなく、日常生活の中でも、呼吸に意識を置いて、呼吸を味わってみてください。


※ ストレスを手放し、心を解放しよう! 図解『ブッダ・メソッド』
このマガジンの中の記事では、より詳しく呼吸の瞑想に関して、説明しています。



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