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ゆで卵とエコ

”本末転倒”という言葉が適切なのかはわからないが
先日ゆで卵を食べようとしたとき、
冷蔵庫を見るとマヨネーズがないことに気が付いた。

仕方ない、塩で食べるかと思った時に
冷蔵庫のマヨネーズが入っている場所で
卵アレルギー(数値だけだが)の娘用に買った
エッグフリーのマヨネーズを発見した。

このマヨネーズは全く卵を使わずに
作られた商品であるが、
食べてみると驚くほど違和感がない。

それなら、このマヨネーズをかけて
食べればいいではないかと思い、
私はゆで卵にそのマヨネーズをかけた。

別になんてことのない光景であるが、
私はゆで卵を頬ばりながら、
本末転倒だなと思った。

なぜなら、本来卵を食べられない人用に
開発されたマヨネーズを
卵そのものにかけて食べているからである。

キューピーの担当者の方からすれば
「どないやねん」となる行為であろう。

だが、このようなことは実は世の中
沢山あるのではないだろうか。

ちょうど昨日、いつも仲良くして頂いている
noterさんのようこさんが書かれた記事で
レジ袋の矛盾についての話が書かれていた。

これもまさにそんな事例であろう。

スーパーでエコをうたった食材を買い、
それを紙袋に入れて持ち帰ったなら、
消費者はとてもエコな行動をした気がする。

だが、紙を作るためにはパルプや大量の水が
使われているし、
エネルギー的にはポリ袋のほうが
ずっと少なく作ることができるのである。

これはまさに本末転倒ではないだろうか。

「リサイクルPETで作りました」という服も
一見するととてもエコなように見える。

だが、日本のPETボトル回収率は21年のデータで
86%だと言われいている。

それだけ多くのPETボトルが回収されて
再資源化されているのにもかかわらず、
それをPETボトル以外のものに使用してしまったならば
PETボトルは何から作ればいいのであろうか。

答えはシンプルで石油から1から作らねば
ならないのである。

本来エコをうたうならば、かつてのビンのように
何度もPETボトルとして形状を変えずに
使うのが一番のはずである。

だが、私達はなんとなくイメージだけで
環境にいいことをしたと思って満足してしまう。

それはとてももったいないことではないかと
私は思うのだ。

なぜなら、このようなことに満足を感じる人の多くは
地球に何かしら貢献したいと
思っている人だからである。

その気持ちを本当に貢献できる形に向けなければ
エッグフリーのマヨネーズをゆで卵にかけた
私と同じようなことになってしまう。

それはあまりにもったいないと思うのだ。

では私たちが今すべきことは何なのか。

それは、適切な知識を持ったうえで
何を応援するか、何を選ぶかを決めることである。

世の中環境関連について語る人は多いし
専門家と言われる人も星の数ほどいる。

その中から、自分が納得できるものを選び
自らの判断基準を作っていくしかないのだ。

もしかすると、その判断基準にもとづいて
行動していても、
「その行動は間違っている」という意見が
出てくるかもしれないが、
その時は自分が考えることをしっかりと
述べればいいだけである。

環境はまさに政治と同じで、絶対的な答えは一つもない。

答えがないからこそ、適当に選ぶのではなく
自分がなぜそれを選ぶのかを
明確にしなくてはならないのだ。

ゆで卵を食べながら、そんなことを考えていると
妻が動画を見ながらエクササイズをしていた。

エクササイズの代わりに普通のマヨネーズを
買ってきてくれれば本末転倒にはならないのではと
一瞬考えたことはここだけの秘密である。

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