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外側の問題は内側にも目を向けよ

先日帯状疱疹で診察に行ったときのこと。

行ったのは自宅から徒歩30秒の距離にある診療所。
いわゆる町医者である。

これだけ近くにあるので、毎日その診療所は見ているのだが
実質これまでここにはお世話になったことがなく、
唯一ワクチン接種で入ったことがあるのみだった。

だが、弱っている時にすぐ診てもらえる環境など
そうそう得られるものではない。
せっかくの環境を活かさない手はないと
今回はその診療所で診てもらうことにした。

受付を済ませ、ほどなくすると診察室に通された。

メガネをかけた助手の女性と、
おじいちゃん先生がそこにおり、
私は丸椅子に腰を下ろした。

事前に問診票に帯状疱疹っぽいと書いていたので
早速患部を先生に診せると
「間違いなく帯状疱疹ですね」だという。

そこまではよかったのだが、
そのおじいちゃん先生は突然紙を取り出し
帯状疱疹とはどのような病気で、
なぜ痛みが出るのかを先生は図解で
懇切丁寧に説明をしてくれた。

私の後にも待っている患者さんが何人かいたのに
こんなに一人に懇切丁寧に説明をしてもらうのは
何だか申し訳ない気もしながら、
私はそれを聞き納得して薬を受け取った。

多くの方がご存じであろうが、
帯状疱疹とは体の中に潜伏していたウイルスが
ストレスや疲れで体の抵抗力が落ちたタイミングを
見計らって暴れることで起こる病気である。

その際にウイルスが表皮に出てこようとして
神経を傷つけることで痛みが生じるというような
説明を先生はしてくれた。

とてもわかりやすく、頭では納得したのだが
私の中でとても意外だったポイントが
体の内側からの影響で皮膚に発疹が出ることである。

私はこれまで肌に起こる異変は基本的に
表面だけの問題であると思ってきた。

マレーシアで働いていた頃、新規ラインの立ち上げで
激務が続いていたころ、
顔にできる吹き出物にとても悩まされたことがある。

この時には仕事のしすぎで顔の皮膚に汚れが
溜まっていたのだろうと思い、
こまめに顔を洗いに行ったりもしたが
全くその効果はなかった。

だが、それも私の洗い方が悪かったのだと解釈し
結局私はその時期を思春期のようにニキビっ面で過ごした。

だが、不思議とその症状は帰国と共に落ち着いた。

この時は「治ってよかった」ぐらいの気持ちしかなかったが
今回の帯状疱疹の説明を聞いて、
私の中で色んなことが腑に落ちたのである。

当時の私は激務による疲労やストレスで
抵抗力が低下していたのであろう。

そして、その状態で外部もしくは内部から
菌やウイルスが攻撃してきて
その結果吹き出物になっていたと考えれば
当時の状況は全て説明がつくし、
いくら顔を洗えど吹き出物が治らないことも
納得できる。

実際、こうして帯状疱疹に罹患する前後には
吹き出物がいくつか顔にでて悩まされていた。

つまり、顔にでる吹き出物は
抵抗力が落ちているというバロメーターとも
言えるのではないだろうか。

人はコミュニケーションをとるときに
嫌でも顔を見て話すが、
そうして相手の顔に吹き出物があったなら
その人は何かしら弱っている可能性があると
いうサインにもなる。

そういう意味で顔にバロメーター機能をつけたとすれば
とても合理的な設計である。

人の体とは本当にすごい設計がされているなと
改めて帯状疱疹に罹患して実感させられたのであった。

ちなみに今日から海外出張に出るが、
ちょうどヒゲが生える口と鼻の間に
吹き出物ができてしまった。

これではヒゲを剃るときに毎回傷つけてしまい
下手をすると傷跡として残ってしまう。

日本ならばマスクで隠して
ヒゲを伸ばしっぱなしというのも一つの手であろうが
海外ならマスクをしているだけで妙な顔をされるだろう。

こうなったらこの部分だけヒゲを残して
ひげダンスでも踊ろうかと思う。



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