街頭に立つ政治家の方を見て想うこと
先日通勤のために駅からバスに乗り換えようと
駅の外に出ると、
通りがかる人に握手する人がいた。
私が使うその駅はそれほど大きくはないが
地元ではターミナル駅。
早朝にも関わらずそれなりに人通りは多い。
そんな場所なので選挙前になると
政治家の方がよく立って挨拶をしている姿に
遭遇する。
その日私が偶然お見掛けした方は
よく見てみると国政でも活躍されていた
有名な政治家の方であった。
私がこの駅を使って通勤し始めて8年ほどになるが
これまでこんなに有名な人が立っているのを
見たことはなかった。
だが、ふとこの方の名前を
最近何かでよく見かけた気がした。
例の裏金問題である。
この方はこの問題により公認を取り消された議員の
内の一人だったのだ。
なるほど。
公認という党の後ろ盾が得られない中で
選挙に立ち向かうために地元の指示を
少しでも得るための作戦なのであろう。
その方は早朝にも関わらず一生懸命に
通りがかる方に握手をし、
声までかけていた。
その姿は純粋に素晴らしいと思う。
だが、このような光景を見る度に
私はいつも感じてしまうことがある。
選挙の前だけ街頭に立って人々に挨拶をし、
政策について語るのは
おかしくないだろうか。
もちろん、政治家という仕事は
選挙に勝たないことにはなれないので、
選挙に対する優先度が高いことはわかる。
そして、自分が議員として何をするのかを
しっかりと市民に知ってもらい
その上で自分に投票してもらいたい気持ちは
大いに理解できる。
だが、正直選挙前に街頭でスピーチや
挨拶活動をしたところで、
一体どれだけの人に自分の考えや
やろうと思っていることが伝わるだろうか。
少なくとも私には全く伝わっていない。
ここ最近毎日色んな人が立ち替わり
その場所には立っており、
何か話はしているものの、
通りがかるのはほんの一瞬である。
朝の忙しい時間にいくら興味があっても
そんな話をじっくりと聞いていられない。
本来ならば投票前に限らず、
私達が選んだ政治家の方々の働きについて
自身で調べて評価をしておくべきなのは
理解はしている。
だが、その情報がどこにあるのか
何を参照したらいいのかは全くわからない。
我が国の政治への関心度が諸外国に比べて
著しく低いことが課題として議論されることが
しばしばあるが、
そもそも政治で一体どのようなことがなされて
そこに対して各議員が何をしたのかを
知る機会があまりにも乏しいことが
一つの問題ではないだろうか。
メディアや新聞である程度概要は知れたとしても、
それは議会で何が決められて、
どの党が賛成、反対の意思を表明したかという
大まかな話に過ぎない。
それぞれの議員の方がそこに対して
どのような考えを持って、
どのようなことをしてきたのか、
そしてこれからどうしようとしているのか、
それを知る機会がないのに選挙で人を選ぶのは
あまりに無理があると思うのだ。
少し前に東京都知事選で元安芸高田市長の
石丸氏が立候補されて話題となった。
石丸氏は安芸高田市長時代からYouTubeに
議会の様子をアップデートされたり、
自信がYouTubeをはじめとしたメディアに
積極的に出演されたりしていた。
このことについては賛否両論があったそうだが、
私はこのぐらい政治家の方が
自らの考えや行動をしっかりと発信することが
絶対に必要だと思っている。
党の代表などはメディアで討論をしたりして
自分の考えを表明することはある。
だが、私達が投票するのはあくまで身近な政治家である。
(党にも投票はするが)
ならば、党の代表ではなく候補者自信が
有権者に対して自らの言葉で考えや行動を
発信するべきだと思う。
そうでないと私達は人を選ぶことなどできないからである。
そういう意味では選挙の前だけではなく
当選した後も定期的に街頭に立ち、
自分が何をしてきたのかを市民に報告を
することが本来あるべき姿ではないだろうか。
正直な話、明日選挙が行われるという状況にも関わらず、
私にとって候補者の方々は
何をどれだけしてきた方なのか全くわからない。
そんな状況で投票をするのは
もはや目隠しをしたままくじを引くのと
何ら変わらない。
少なくとも彼らが何をしてきたのかわかるように
情報を仕入れたうえで投票をするために
可能な限り情報収取をして考えをまとめてみようと思う。
駅前で色んな人に声をかけていた
有名政治家の方がどうなるかはわからないが、
彼がもし当選したならば
裏金問題の釈明などではなく、ぜひ自らが行ってきたことを
私達に自らの言葉で積極的に発信をしてほしいと思う。