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”推し活”という言葉

最近よく聞くようになった言葉”推し活”

特定の何かを応援することを”推す”と言うのは
以前からあったが、
その推すことを積極的にすることを”推し活”と言うらしい。

この記事を書くために参照したWebページによると
今の時代5人に1人が何かしらの推し活をしているそうである。

そんな今やとてもポピュラーな言葉であるが、
私はこの推し活という言葉を聞くと
なんとなくモヤモヤしてしまう。

それはなぜか。

「〇〇活」というのは〇〇という目的に向かって
積極的に活動をするという意味だと
私は解釈しているからである。

例えば就職活動を略して就活ならば、
就職に向けて色々な活動をすることだし、
婚活ならば結婚という目標に向けて
色んなイベントなどに参加したりすることである。

○○には必ずその目的が入るはずなのだが、
推し活の場合はその目的が「推す」ことになるのである。

「推すことが目的で何がオカシイのだ?」
そう思われるかもしれないが、
本来何かを推すというのは
その対象が好きになるからこそする行為だと
私は思っている。

好きだから結果として推すという流れが
必ずあるはずなのに、
推すことが目的になってしまうと
「誰かを推したいな」という目的をもって
探した結果、対象を見つけたようなニュアンスに
なってしまうのである。

noteで私が記事を拝読している方には
推しの対象を持っている方が多いのだが、
この方々は決して何かを推したいと思って
その対象を探したわけではない。

偶然何かのきっかけでその対象を見て
好きだと思い、興味を惹かれたからこそ
結果として推すことになったのである。

そんなこと言葉の綾だろうと思われるかもしれないが
私は何だか推し活という言葉の中に
「推しのない生活はつまらないぞ」と
いうニュアンスを感じてしまうのだ。

確かに何かしら推しを持っている方が
書かれている記事を拝読すると
明らかに楽しそうである。

推しの人のライブに行くために遠征されたり
イベントのために色々な準備をされたり、
同じ推しを持つ方同士で交流をされたり
記事を見ていて羨ましいと感じることが
多いのは紛れもない事実なのだが、
何だか「推し活」という言葉が好きになれないのである。

そんなことを考えながら
推し活という言葉に関する記事を読んでいると
どうやら類義語に「オタ活」という言葉が
あることを発見した。

オタ活は言うまでもなくオタク活動の略で
推し活と同じように特定の対象に対して
応援する活動のことを指すようであるが、
推し活の対象となる範囲が幅広いのに対し
オタ活はアニメやゲームなど少し2次元よりな
対象を指すことが多いそうである。

だが、本質的な部分は基本同じであり
厳密な意味での定義の差はないらしい。

この言葉も推し活と同じように
〇〇活の○○の部分が目的になっていない意味で
同じ構造なのだが、
ここである一つの仮説が浮かんできた。

一部のオタ活や推し活をしている人の中には
何かを推すという目的をもって
その対象を見つけた人がいるのではないだろうか。

基本的には先ほど書いたように
何か対象を好きになる→結果として推す
というのが普通の流れであるが、
そうではなく何かを推したいという目的があって
その結果自分にピッタリくる対象を
探すというのもあるのではないだろうか。

その理屈で言うならば、先ほど書いた婚活も
同じなのである。

婚活の〇〇に当たる部分は結婚であるが、
結婚とは単に男女の形の一つに過ぎず
その相手が誰かはわからないものである。

しかし、結婚と言う目的に向かって活動をした結果
特定の相手を見つけるというプロセスは
まさに推し活で推しの対象を探すのと
同じではないだろうか。

私が押し活という言葉に違和感を持っていたのは
この発想がなかったからであるが、
推す対象を探す活動というのも
よく考えてみれば楽しいものかもしれない。

それは恋愛に似たプロセスだからである。

恋愛をするということは自分が将来結婚するかもしれない
対象を探すことにつながるが、
それと同じような気持ちで推しの対象を探してみるのは
実はとてもワクワクする活動なのかもしれない。

そう思うと推し活という言葉に抵抗を感じるのは
非常にナンセンスである。

既に推しをもって楽しんでいる方のお話は
何度も読んでいるし、
その楽しさは筆舌に尽くしがたいものがあるだろう。

自分の推しを探してみる活動を
私もしてみようと思う。

あなたがオススメする推し候補があれば
ぜひ教えて欲しい。

ふと考えてみると
私には既にオオクワガタという推しがあることに
気が付いた。
わざわざ遠くに採取にいくわけではないが、
毎年羽化してくるオオクワガタの形や大きさを
想像しながら幼虫の世話をするのは十分な推し活であろう。

逆に昆虫に興味のない方に
「オオクワガタの推し活も面白そうだな」と
思っていただける記事を書きたいと思う。



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