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井の中の蛙”大会”を知らず

この3連休は嵐のような三日間であった。

息子が所属するサッカーチームで
年に一度の大きなイベントが開催されたのだ。

サッカーというスポーツは驚くほど試合が多い。

公式な試合はそれほどあるわけではないが、
非公式ながら各チームが交流戦という形で
複数のチームを読んで試合をするのである。

そして、この週末は息子のチームが招待をして
試合を開催する日であった。

やや遠方から来たチームは宿泊するので
地域の合宿所のような場所を借りて
息子たちのチームメンバーを宿泊する。

そうなると、私達親は夕食の用意をしたり
試合会場の準備、そして試合運営もしなくてはならない。

一緒に宿泊するコーチ陣は夜遅くまで
酒盛りが続くので、
それにお付き合いしつつ、翌朝は6時ごろから
試合会場の設営に走り回った。

しかも、今回は3連休での開催だったので
初日にはサッカー以外のレクリエーションまで
私達親が参加せねばならず、
流石に3日目の朝には私の体が悲鳴を上げて
いつものような朝活ができなかった。

今回のように宿泊を伴う試合は珍しいので
特別大変だったのかもしれないが、
実際、このような試合が私達が住む県だけでも
ほぼ毎週どこかしらで開催されている。

それがサッカーというスポーツなのだ。

うちの息子はサッカーを3年生の後半から始め
今で1年半ほど経ち、色んなことを経験してきた。

そして、私達親も色んなことを経験した。

その中でサッカーというものがこのような
過酷なスポーツであることを骨身にしみて実感した。

休日はほぼ練習と試合に使い、
平日も仲間たちと自主練をする。

さらに体力をつけるために走り込んだりもする。

まさに生き方を大きくサッカーにシフトしなければ
サッカーは上達しないし、
チームも強くならないのだ。

小学生の場合は1チーム8人で試合に出て、
20分ハーフ×2で40分。

フル出場の選手なら40分間走りっぱなしで
試合をしなくてはならない
とても過酷なスポーツなのである。

私は息子がサッカーを始めるまで
こんなにもアチコチで色んな試合が開催されて
こんなにもサッカーが過酷なスポーツだとは
露ほども考えたことはなかった。

すぐそばでも当たり前のように開催されていたにも
関わらずである。

そして、恐らくこれはサッカーに限った話ではない。

実は私が見えていないところで
無数の色んなスポーツの練習や試合が
アチコチで開催されているはずなのだ。

よく井の中の蛙大海を知らずと言われるが、
実は私達は井の中ですら見えているのは
ごくわずかな部分だけなのかもしれない。

色んな”大会”が見えていなかったのは
私だけではないだろう。

この経験を通して私のサッカーを見る目が
少し変わった。

サッカーのプロとして活躍している選手たちは
このような過酷な環境のなかで
着実に成果を出し、選ばれた人たちである。

そして、そんなプロの選手の裏側には
無数の時間を提供してくれたチームのコーチや
親たちがいるのであろう。

そう思うと、プロの試合を見る目も
少し変わってくる気がする。

チーム、選手だけでなくその裏にいる人の努力も
見えるようになると、
彼らが試合などで見せる悔しそうな表情や
引退する時の涙などもよく理解できる。

とても大変な3連休であったが、
私自身価値観を変えられる経験であった。

まだまだ夏本番は続くが、
ますます私の肌は黒くなっていくだろう。

人生の中で数年ぐらいこんな経験も悪くないなと
自分にいい聞かせようと思う。

ちなみに息子は今回の試合で新しいポジションで
プレーをして結構活躍したらしく
MVPに選ばれていた。

うれしい時の感情表現があまり得意ではない彼は
無理やり作ったような笑顔をしていたが、
実は彼の心の中ではとても嬉しかったことを
私は知っている。

息子の表情を見て不思議そうなコーチたちに
ひっそりと息子の感情表現が下手なことを
耳打ちした。

これも親の大事な仕事なのだろう。

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