グッとくる異性の仕草

あなたにはグッとくる異性の仕草があるだろうか。

車をバックさせるときの姿、
髪を束ねるときの仕草、
男性女性で意見は分かれるだろうが、
誰しも一つは思い当たる仕草があるのではないだろうか。

今日はそんなテーマでお話しようと思う。

私は毎日バスと電車に乗って通勤している。

バスというと大変そうに思われがちだが、
始発の場所から終点まで乗るので
ほぼ間違いなく座ることができて
私にとっては結構快適な時間でもある。

そんなバスに乗っていると、当然ながら
色んな人にであう。

以前に記事で紹介した”小田君”もその一人である。

先日もバス停でバスを待っていると
私の少し後ろに女子高生が立っていた。

ケバい感じではないが、明らかに
ギャル系な雰囲気が漂った感じの女子高生である。

正直言うと私はいわゆるギャル系が
苦手である。

別に直接的な危害を加えられるわけではないが、
だらしない感じが何となく苦手なのだ。

なので、その女子高生がいることを確認してから
バスに乗り込む時にはできるだけ離れて
座ろうと思っていた。

とはいえ私の方が前に立っているので
私が選ぶ権利はない。

ほどなくするとバスが到着し並んでいた人が
バスに乗り込み始めた。

どこを選んでも同じような気がして
私はいつも座る場所に腰を下ろした。

ほどなくして例の女子高生が乗ってきた。

幸い私のすぐ前ではなかったが、
斜め前の位置に彼女は腰を下ろした。

その時である。

彼女はスカートの裾をしっかりと押さえながら
席についたのである。

私はこの姿に何だか意外さを感じるとともに、
この仕草はとても素敵だなと感じた。

女性の動きをいつも見ているわけではないが、
案外こうしてスカートを押えながら
座る人は多くない気がする。

特に高校生の制服のようにプリーツがあると
いい加減に座るとシワになってしまうので
この動作をするかどうかは案外重要なのだろう。

私は学生時代剣道をしていたが、
剣道の袴もまさに折り目がしっかりついている。

しかも、剣道は着座する時は基本正座なので
着座する時に袴の裾をしっかりとさばいてから座らないと、
立ったときに妙なシワになってカッコ悪くなるのだ。

見た目なんてどうでもいいと思う人も
中にはいるのだが、
見た目で相手に”弱そう”などと思われると
それだけで既に勝負に負けている気がして
私は座り方にとてもこだわっていた。

今では竹刀を握らなくなって20年近くが経ち、
袴をさばいて座ることなどなくなったが、
その感覚をふと見た女子高生で思い出したらしい。

ある意味、この仕草は見た目を気にするが故の
とても女性らしい動きだと私は感じた。

私はバスが走り出すと揺れですぐに眠りにつくので、
ふと気が付いた時にはその女子高生は姿を消していた。

まさか自分が苦手とするタイプの異性から
グッとくる仕草を見つけるとは思わなかったが
何だかとても得をしたような気分になった。

電車やバスの通勤は辛いことも多いが、
こういう偶然の出会いや気づきがあるのは
大きな楽しみの一つである。

とりわけnoteを書くようになってから
このような何気ない事象に目が向くようになった。

公共交通機関で通勤・通学する人は
日本全国にたくさんいると思うが、
皆がnoteをすればイライラはかなり軽減するのでは
ないだろうか。

そんなことを考える早朝であった。

ちなみに以前に書いた”小田君”は
先日眠さのあまりいつもの場所で
眠りこけていた。

さすがに歩道で寝ているのはおかしいので
通りがかる人が「大丈夫ですか？」と声をかけて
小田君は起き上がっていたが、
一体小田君はそんなにも眠い中
あの場所で何を待っているのかナゾが深まるばかりである。