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目線が違えば見え方はまるっきり変わる

今日のお話は内容的に少し苦手な方も
いると思う。

なので、途中で合わないと思ったら
ぜひ閉じるようにしてほしい。

こんなことを言うぐらいならそんな話を書くなよと
お叱りを受けそうであるが
私が書きたいのである。

基本的には読み手の方の気持ちを
意識はして書いているが
自分が書きたいことを優先させて頂こうと思う。

と、前置きが長くなったが
今日はとある映画を観た話を書こうと思う。

その映画とはこちら

2016年にアメリカ・オーストラリア合作で
発表された映画”ハクソー・リッジ”である。

上記の画像を見て頂いてわかるように
この映画は戦争をテーマにしたもので
なんと舞台は第二次世界大戦中の沖縄である。

タイトルになっているハクソー・リッジとは
英語でhacksaw ridgeと書くが、
これは沖縄にあった日本軍陣地を
アメリカ軍がこのように呼んだことから
付けられたタイトルらしい。

この陣地に入るにはその直前にある断崖を
登らねばならず、
この話の中でこの断崖は重要な意味を成している。

主人公であるデズモンドは自身のポリシーから
人を殺さないことを決めており、
そんな彼が兵隊となったが故に上官から執拗ないじめを
受けることから話が始まる。

だが、ある時彼は衛生兵として見方の兵士を
救うことでなら自分は貢献できると気づき、
衛生兵として沖縄に送られハクソー・リッジの戦いに
のぞむというストーリーである。

あまり詳しく書くとネタバレになるので
あえて詳細を書くのは差し控えるが
この話は実話に基づいて作られたものらしく
実際に沖縄での戦いでこの主人公のように
多くの味方兵を救った衛生兵がいたそうである。

この映画では目を覆いたくなるような
残酷な戦闘シーンがたくさん出てくるのだが、
その戦闘シーンを見ていて私はあることに
気が付いた。

それは日本兵に対する見え方の変化である。

私達は子供のころから戦争について
主に学校教育を通して学んできた。

そして、戦争に関連する映画も数々見てきた。

その中で沖縄戦をテーマにしたものも
決して少なくない。

とてもポピュラーなものであれば
2003年に公開された「さとうきび畑の唄」がある。

このような映画を通して
私は戦争の残虐さ、悲しさを学んだが、
その中で描かれる日本兵の方々に対しては
圧倒的に不利な戦況の中、玉砕覚悟で立ち向かう姿勢が
とても勇ましいという印象を持っていた。

自分の国、そして家族を守るために戦うという感覚は
今の私達にはなかなか想像できないものであるが、
今の私達の生活があるのは、そんな人たちの犠牲が
あるからこそであるとも思っている。

そして、そんな気持ちで今回紹介した
ハクソー・リッジを視聴したのだが、
この映画を観ていると驚いたことに
これまで勇ましいとしか思っていなかった日本兵が
急に恐ろしい存在に思えてきたのである。

「そんなもの目線が違うのだから当然だろ」と
思われるかもしれない。

だが、私はまぎれもなく日本人なのである。

日本人は希薄だと言われがちであるものの
多少のナショナリズムは持っている。

なので、この映画を観ても視点の変化は
簡単に起こらないと思っていたのだが、
私の視点は完全に主人公デズモンドのものに
なっていたのである。

デズモンドは衛生兵として戦場で負傷した
多くのアメリカ兵を助け、
断崖をロープを使って降ろし仲間のアメリカ兵のもとに
届けるのだが、
そんな救助活動をしている際にも
日本兵が現れて容赦なくデズモンドをめがけて
攻撃をしてくるのである。

これは戦争の話なのでこのようなことは
当然と言えば当然なのだが
この映画を観ていると途中から日本兵の影が
チラリと見えると心の中で
「おねがい、早く逃げて」と願う自分がいた。

戦争というものはそれ自体に正義などないし、
お互いがそれぞれの正義を信じて行動しあった結果
起こるものだと思うが、
視点を変えてみるとこんなにも見え方が
異なることに私はとても驚いた。

実際日本で放映される戦争の映画では
味方である日本兵が圧倒的に不利な状況で
防戦一方のような描かれ方をすることが多いが、
今回紹介したハクソー・リッジのような
海外の目線から日本戦を描いた作品では
日本兵が相手に対してかなり大きな被害を
与えていたことが描かれている。

起こった事実は一つであるが、
この映画を観て目線が違うと
こうも見え方、捉え方が変わることに
私は正直自分でも驚いた。

今の世の中情報が溢れている。

だが私達はついつい何か一つの事象を見るとき
一方的な視点に偏ってしまうものである。

人間には目が2つしかないので
それはある意味で仕方がないともいえるが、
目線が異なれば目の前の事象に対する捉え方が
まるっきり変わるということがあると
認識しておくことで
一方的な視点に偏ることを最大限防ぐことが
できるのではないだろうか。

今回この映画をみて改めてそのことに
気づかされた気がする。

先ほども書いたように
この映画はとても残酷なシーンが多々あるので
苦手な方には決してオススメしないが、
内容自体はとてもいい映画だったので
それほど苦手でない方はぜひ見てみてほしい。

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