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夢の実現に足りなかったのは〇〇だった

夢を実現する方法。

そんなタイトルの本はこれまで色々読んできた。

とても実践的な内容の本もあれば
スピリチュアルに偏ったようなものもあったが、
私はそれらの本を読み、内容を実践してきたが
しばらく実践しても効果が見られず
知らぬ間にフェードアウトしてきた。

そんな私は先日この本に出合った。

一見すると夢とは何も関係なさそうな
タイトルである。

最初この本を手に取った時には
これからAIに置き換わると言われる事務職の中で
必要とされるスキルについて説かれた本なのかと
勝手に想像していた。

だが、数ページめくってみて
それは大きな間違いであることに気が付いた。

この本は紛れもなく夢を叶える方法について
書かれた本なのである。

この本の主人公は筆者の坂口恭平氏。

その恭平は大学生の頃、
漠然と建築家や芸術家になりたいと思いながらも
企業に就職することに対して大きな違和感を持ち、
就職活動をしていなかった。

ある時、そんな恭平の前に
ジムという帽子をかぶった男性が現れる。

彼は実在の人物ではない。

恭平の頭の中にある事務的な考えが
ジムとして彼自身にアドバイスをくれる
存在として現れたものである。

そのジムとの対話を通し、
恭平がどのように夢を叶えていくのかが
書かれているのが本作の内容である。

この本の中に書かれている方法は
劇的に目新しいものではない。

だが、私は自分の夢に対して
この方法を取り入れたことがなかった。

では、この方法は何で取り入れていたのかというと
仕事である。

私の仕事は商品を開発すること。

商品を開発することはある意味で夢を実現することに
とても似ている。

いつまでにどんなものを開発するのかを決め、
それに向けてどのぐらいの時間とコストが
必要かを算出して企画を出す。

企画が通ったなら、決めた予定通りに
一つ一つ必要な課題をクリアしていき
開発完了というゴールを目指すというものである。

一見するとこの方法はとてもシンプルなものであるが、
私はこれまでこの方法で多くの商品を
開発して世の中に出してきた。

本来夢を叶えることというのもこれと同じ。

自分が10年後こうなっていたいという姿に向かって
一日の時間をどれだけ配分するかを決め、
後は夢に向かって必要なことを
淡々とこなしていくだけである。

しかし、私はこれまでこの方法を
自分の夢に対して実戦してこなかった。

それはなぜか。

現実の状態も未来の状態も私は
ノートに書いてこなかったからである。

この本の中でも書かれているのだが、
私たちは自分がどれだけの時間とお金を何に使ったのかを
驚くほど把握していないし、
未来の自分がどんな時間とお金の使い方をしているかも
明確に言うことができない。

私たちの頭はそれを把握できるように
なっていないのである。

では、どうすればいいのか。
答えはシンプル、ノートに書きだせばいいのだ。

ノートに書きだすと未来の自分が
どのような時間とお金の使い方をして
どのような夢を叶えているのかを
具体的に想像することができる。

今の自分がどのような使い方をしているのかを
見える化したならば
後は未来の自分に向けて時間とお金の使い方を
決めていけばいいのである。

仕事で商品を開発する時には
当然のように紙やパソコン上に書きだし、
何をいつまでにするのかを明確にするのに
自分の夢に対してはなぜか全て頭の中だけで
完結させようとこれまでの私はしてきた。

だが、それは大きな間違いなのである。

商品の開発のように明確な目標ではなく
自分の夢はもっと曖昧なものなのに
それを頭の中で計画もなく進めることなど
できるはずがないのだ。

この本ではこれらの作業を”事務”と定義している。

この記事のタイトルに書いた夢の実現に足りなかったものは
まさにこの事務なのである。

話の中で主人公の恭平はとても事務を楽しそうに
進めていく姿が描かれている。

それは夢に向かって着実に進めていくことは
間違いなく楽しいことだからであろう。

私はこの本を読んで早速今の自分の
時間とお金の使い方を書きだし、
10年後の自分がどうなっていたいのかを
書きだしてみた。

そこには頭でボンヤリと考えていた時には
見えなかった自分の理想の姿があったし、
これをするだけでも今自分が何をすべきなのか
見えてきた気がする。

この本は全編を通して表紙の漫画のような感じで
書かれており、とても読みやすいので
ぜひ一度読んでみてほしい。


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