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35歳転職限界説

あなたはは35歳転職限界説というものを
聞いたことがあるだろうか。

転職を考えているならば、
35歳までにしておかないと一気に選択肢の幅が
狭くなり、苦しくなるというものである。

私は現職に30歳の時に転職をしたが、
同じタイミングで転職をした元同僚は
しきりにこの35歳転職限界説を唱えていた。

その頃の私は彼がいうその言葉を信じ、
転職してから5年以内に自分がこの会社で
キャリアを思い描けるかを意識して過ごしていた。

そうして、時間は瞬く間に過ぎていき、
35歳になる年がやってきた。

転職から5年が経って、間違いなく今の会社で
キャリアは築けてきたという自負はあったが、
ここから先を考えた時に明確に道が描けるかが
当時の私はわからないままであった。

そして、悩んだ。

トンネルの中に入ってわずかに光が見える気もするが
トンネルを出た先が一体どこなのかがわからず
引き返すべきかを悩む感覚である。

だが、私は結局トンネルをそのまま進むことを選んだ。

その先にあるものは明確に思い描けなくとも
間違いなく成長している自分は思い描けたからである。

そして、その道を進む途中に
感染症という大きなアクシデントが起きた。

自分のキャリア以前に会社自体が無くなってしまうという
恐れを抱えながら進む日々が続いた。

トンネルを進んでいくと深い霧が出てきて
道にあるかもしれない落とし穴を避けるための
ハンドル操作が難しい状態である。

だが、気が付くとその霧も少しずつ晴れ、
トンネルの出口から見える光も強くなった。

今回海外に行き、グループ企業の仲間と話をする中で
自分が転職したときにぼんやりと思い描いていた
キャリアが見えた気がする。

もちろん、その道にしっかりと乗るためには
まだまだ試練は沢山あるだろうが、
その道を思い描いた時に心に違和感はない。

この感覚は35歳で転職をしていたならば
決して得られていなかったのではないだろうか。

自分のビジネスキャリアを考えるうえで
時間制限を作ることは間違いなく大切である。

だが、それに縛られて道半ばで進むのを
やめてしまうことは、
本当に自分が進みたい道を見えなくしてしまうのでは
ないだろうか。

Door to Doorで30時間以上にもなる
長い帰路に就きながら、
私は今の仕事を続けることを選んだ
35歳の頃の自分にGood jobと言ってやりたくなった。

そして、そんなことを思っていると
当時私に35歳転職限界説をしきりに唱えた元同僚から
数年ぶりの飲みの誘いが来た。

人の縁とは本当に不思議なものだが、
あれから約10年が経ったいまなら
彼とも全く違う議論ができるのかもしれない。


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