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個人でも原価計算すべき理由

こんにちは。

学校も3学期が始まり、今年度も残すところ
あと3か月となりました。

大学入試も本格化してくる時期ですが
この時期になると会社員の方は来年度予算の作成に
バタバタされる方も多いと思います。

こんな時期に製造業の方なら原価計算をする場合が
多いと思いますが、今回は個人の原価計算について
お話していきたいと思います。

「なんや、僕は製造業と関係ないし」と思った方も
いらっしゃると思いますが、原価計算の考え方は
決して製造業だけのものではありません。

むしろ個人で頑張ろうとするあなたにこそ
ちゃんと意識しておいてほしいことなのです。
なので、今日はいつもよりも少し長文ですが
お付き合いください。

1.そもそも原価って何?

まず原価計算と言いますが、そもそも原価って何でしょうか。
よくM社のポテトの原価は〇〇円のような
キャッチーな数字が一人歩きしていることがありますが
あれはマクドナルドからすればポテトの原材料価格になります。

原価とは商品一つを作るためにかかったコストのことを
指す言葉です。

M社にとってポテトは商品なので、
まずM社本部から購入するポテトの原材料価格が
Mサイズ1個あたり10円とします。(架空の数字です)

しかし、当然ながらそれだけでは商品にはなりません。
原材料のポテトは冷凍なのでそのまま食べられないからです。

なので、M社は各店舗でそれを油で揚げる作業が必要になります。
油で揚げるためには当然油が必要ですし、
油を加熱するための機械と電気が必要になります。

そして揚げ上がればそれを取り出して塩をかけて
容器に入れて完成ですが、この時の塩も当然コストがかかりますし
出来た商品を入れる容器もコストがかかります。

そして何よりそれを揚げて盛り付ける作業には
人件費がかかるのです。

実際には人は仕事の中でいろいろな作業をこなすので
人件費を計算する際にはポテトMサイズ1個あたりにどのぐらいの
時間を使ったかを仮定した数字で算出します。

こうして考えると原価は元の原材料価格10円よりも
非常に大きくなることが想像できるのではないでしょうか。

よく「飲食店の原材料価格は想像よりもかなり安い」などと
面白く語られることがありますし、一見しただけだと
飲食店は暴利を取っているように見えてしまいますが
実際には目に見えていないコストが非常に多くかかっています。

このコストをコミコミで商品一つあたりにかかるコストを
算出したものが原価となります。

2.原価はなぜ出さないといけないのか?

パッとみただけでも原価計算ってめんどくさそうと
思うかもしれませんが、そもそもなぜ出さないといけないのでしょうか。

それは、原価がわからないと儲かっているかがわからないからです。

会社の存在意義は利益を出して、それを株主に還元することです。
つまり会社は常に儲かっていないといけない宿命なのです。

なので毎年決算などという面倒な作業をして
会社がどのぐらい儲かったのかを測る作業をするのです。

そしてこの儲け=利益を計算するためには必ず原価が必要になります。
利益=売上ー原価 で出すことができるからです。

会社の場合にはここからさらに販売管理費などが引かれて
営業利益を出しますが、
今回はそこまでは踏み込みません。

こうして利益を算出してみると色々なことが見えてきます。

あなたが1000円で打っているものの原価が800円だとしたら
利益は200円となるわけですが、
この利益の中から次の仕入れや商品開発に投資をしていかなくては
ならないため、それが少ないと次につなげることができなくなります。

その意味で利益が適切なのかどうかの判断ができるのです。

逆に市場価格が決まっている場合なら原価をもっと下げる努力が
必要と判断されることもあります。

これはまさに経営です。
実際にはまだまだ色々な要素は考慮しないといけないのですが
経営するためには必ず原価というものが必要なのです。

3.なぜ個人で原価計算をすべきなのか

ここまでお付き合い頂いてありがとうございます。
極力わかりやすく書いたつもりですが
この手の話をすると部下も大半眠そうな顔になります(笑)

ここからがようやく本題の部分になるのでもう少しだけ
お付き合い頂けますと幸いです。

では、なぜ個人で原価計算をすべきなのでしょうか。

あなたは副業にチャレンジしたり資格の勉強をしたり
仕事以外でいろいろな活動をしていると思います。

これらの活動をするとき、私たちはあまりコストを
意識することはありません。

しかし、実際には私たちには多くのコストがかかっています。

副業でブログをしていると仮定してみましょう。

ブログにはサーバー代、ドメイン代などの定期費用がかかりますし
ブログ書くためにPCも必要となります。
情報を収集するためには本を買ったり情報商材を購入したりするので
そのコストもかかっているはずです。

しかし、何よりも忘れてはいけないコストがあなたの人件費です。

「別に給料もらってるわけじゃないし」と思うかもしれませんが
これこそ今回の記事で最もお伝えしたかったポイントです。

確かにあなたはブログを書くことで給料はもらっていませんが
あなたが記事を書くのに使用した時間は間違いなく投資なのです。

私たちは時間の大切さを案外軽視しがちです。
時間は誰にとっても有限であることは誰も疑わない事実ですが
それを大切に使えているかと問われれば疑問があります。

それは有限でありながらも勝手に与えられるものだからです。

なので私たちは自分がやろうとしていることに対して
時間を投資しているという感覚が薄くなるのです。

しかし原価計算をしてみて、自分に人件費を設定してみると
見え方は全く変わってきます。

自分の時給分を確実にその事業に投資していくことに
なるからです。

副業の場合だと、そこから実際に収入が生まれてくるわけですが
実際に得られた収入から原価を差し引くと正味の利益が
算出できるのです。

しかし副業ではそんな簡単に収入は得られません。
日々積み上げてようやく少しずつ成果がで始めるようなものです。

原価計算をしてみると収益が出ていない間の積み上げ期間は
まさに完全な赤字になってしまいます。

そしてその原価の柱はやはり人件費なのです。
計算する時に人件費は自分で自由に決めることができます。
500円/時間と見るか、5000円/時間と見るかは
あなた次第ですが、それを考えることも非常に大事なことです。

そしてまさにその金額は将来に向けての投資なのです。

あなたが今日もこうして積み上げていくことは
まさにあなたの人件費をかけた大規模な投資をしていることに
他なりません。

そう考えるとあなたが今していることを
いつまでにどこまで伸ばす必要があるのか、
何をやめるべきなのかが明確に見えてくるはずです。

これはまさに会社の経営と同じです。

自分で自分の人生を経営していく感覚を持つには
まずは自分がしていることの原価を把握することからなのです。

いまこうしてこのnoteを読んでくださっているあなたも
株式会社あなたの社長です。

原価もわからずに何となくやるのか
原価をもとに事業計画を組んでやるのかでは
どちらが成果につながるかは明確なはずです。

日々積み上げていくことは素晴らしいですが
それを投資と考えれば莫大な金額になります。

それをいい意味で自分にプレッシャーとして
自分を鼓舞できる材料にすればいいのです。

この考え方をすることで自由度が無くなりそうな
気がするかもしれませんが、決してそんなことはありません。

投資と思うからこそしっかりと利益につながらないことは
やめる判断がつくようになりますし、
新しい利益につながることは積極的に投資するような
判断もできるはずです。

むしろ意識せずになんとなくしていると
情報に対する感度は確実に低くなりますし
結果として自由度は下がってしまうのです。

4.最後に

ここまで原価計算とはなにか、なぜ個人で原価計算をすべきなのかを
長々と書いてきましたが、
このお話はまさに経営者目線を持つことにつながってきます。

今回は副業を例に上げてお話しましたが
あなたが勉強して資格を取ることもまさに投資です。

自分自身を経営していく経営者のマインドを持つことで
確実に投資するか否かの判断はシビアになるはずです。

何もない時にはリラックスしていたいのが私たち人間ですが
何かを成し遂げようとするならば、
ぜひ原価を計算してみて、経営判断をしてみてください。




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