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ボールを蹴らずにサッカーが上達した秘密

昨日息子とサッカーの練習をした。

息子は地元のサッカークラブに入り
練習をしているので、
私は彼の自主練の相手として付き合うだけである。

パス練習ではパスをしあう仲間として、
ドリブル練習やシュート練習では敵側として
私ができる範囲で練習に付き合っている。

昨日の練習では息子は一つの課題点に
悩んでいた。

それはロングパスが飛ばないということである。

息子的にはこう蹴れば飛ぶはずという理屈が
頭の中にあるようなのだが、
その通りにやってみてもどうもうまくボールが
上がっていかないというのだ。

そこで、一度息子にロングパスを蹴ってもらい
その様子を私が見てアドバイスをすることになった。

すると、ボールを蹴る位置、そして足の当て方が
少し違っているように思えた。

そのことを息子に伝え、何度か蹴らせていると
少しずつボールが浮くようになってきて
満足いくレベルではなかったものの
明らかに練習前よりも良くなっていた。

息子はこの課題点にしばらく悩んでいたらしいが、
息子の通うサッカークラブの練習では
ロングパスをすることがなかったので
これまで何となくモヤモヤしながら
プレーをし続けてきたらしい。

なので、今回改善の兆しが見えたことに
息子はとても嬉しそうであった。

すると、ふいに息子が私にこんな質問をしてきた。

「パパはサッカー経験がないのに、
何で自分でも蹴れるし教えることもできるの?」

言われてみればそうである。

私は子供の頃からサッカーは全く習ったことがないし、
何ならサッカーは最も苦手なスポーツの一つであった。

思ったようにボールをコントロールできないし、
どこに走っていいのかわからない。

なので、昔からサッカーは避けて生きてきたのに
息子がサッカーをするようになってからというものの
急にサッカーに向き合わざるを得なくなった。

ところが、いざボールを蹴ってみると
自分でも驚くほどうまく蹴れたのである。

子供の頃から30年近く全くサッカーに触れなかったのに
なぜ私はボールを狙い通りに蹴れるようになり、
そして息子に教えられるようになったのか。

言われてみればとても不思議な気がする。

今回の息子の悩みに対して、私は何をイメージしながら
アドバイスをしていたのか。

そう考えた時にふと自分が頭の中で
ゴルフでアイアンを振るときのことを
思い浮かべていることに気が付いた。

私は一時期ゴルフを練習していた時期がある。

期間としては2年ほどだろうか。

前職の上司たちがゴルフ好きだったため
仕事帰りに打ちっぱなしに付き合ったりするうちに
私も道具をそろえてラウンドするようになった。

その時に最初は全然思うようにボールを
飛ばすことができなかったのだが、
練習していくうちにクラブのどこにどうボールを
当ててやれば球が飛ぶようになるのかを身に付けた。

今回、息子がロングボールを蹴ったときに
そのボールの飛び方は
まさにゴルフで最初私が上手く飛ばせなかったころの
球筋とよく似ていたのだ。

ゴルフとサッカーでは使う球も飛ばし方も
全然異なるスポーツではあるが、
お互いに共通する部分は必ずある。

そして、これはどのようなスポーツにしても
然りであろう。

私が小学生の頃に習っていたバスケットボールで
ディフェンスの仕方を学んだが、
そのディフェンスの仕方の基礎があるからこそ
サッカーでもドリブルする息子にプレッシャーをかけて
何ならボールを奪うこともできる。

また、剣道で身に付けた相手との駆け引き術が
あるからこそ、1対1でボールを持っても上手く相手を
抜きながらドリブルすることができる。

私はこの30年間全くサッカーには触れなかったが、
それ以外の経験を通して、
間接的にサッカーでも活かせるスキルを
身に付けてきたのである。

だからこそ、息子に教えることができるし
自分でもそこそこ蹴ることができるように
なったのである。

これは何もサッカーに限ったことではないだろう。

子供の頃にうまくできずにやめてしまった物事に
大人になってから触れてみると
案外できるようになって楽しさに目覚めることは
よくあるのではないだろうか。

よく”食わず嫌い”は良くないと言われるが、
子供の頃に食べて嫌だと思った味が
大人になってみると美味しく感じる事は
よくあることであろう。

逆に子供の頃に苦手だったことこそ
大人になって積極的にチャレンジしてみる
価値があるのではないだろうか。

そんな風に思わされた春の土曜日であった。

ちなみに息子のシュート練習に付き合うと
私はゴールキーパー役をするのだが、
何度もボールを蹴ってはそれを返してを
繰り返すのがとてもじれったくて面倒に感じた。

ゴルフの打ちっぱなしのように
サッカーの”蹴りっぱなし”があれば
とてもありがたいのだが、
どこかにそんなサービスはないものだろうか。

そう思い調べてみると関東に1件だけヒットした。

もしかするとこれはビジネスチャンスなのではないか。
そんなことを思ったものの、息子には伝えなかったのは
言うまでもない。

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