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芝生の手入れと子育て

noteを書き始めてもうすぐ3年になる。

そして、今の文章のスタイルに変えて
1年半が過ぎた。

そんな長い間毎日記事を書き続けていると
話題がカブってしまうことはよくある。

その中でも比較的よく出現するのが
芝生の話である。

あえてリンク貼らないが、
調べてみると私は過去に4回も芝生に関する
記事を書いていることがわかった。

そして今日は記念すべき5回目の
芝生の記事を書こうとしている。

「なんだ、芝生の話なら興味はない」と
ここで記事から脱落しそうになったなら、
ぜひ最後まで読んでいってほしい。

私がお伝えしたいのは芝生のメンテナンスのような
テクニカルな話では決してない。
もっと人間的な話なのである。

昨日、久々に芝生の刈りこみをした。

この時期になると芝生の成長はとても早いので
小まめに刈りこんでやらなくてはならない。

以前は芝バリカンというものを使っていたのだが
小石を拾ってすぐに機械が止まってしまい、
何度もそれを繰り返しているとモーターが焼けて
使えなくなってしまったので、
去年から地道に芝カット用にハサミで
ちょきちょきと切るようにしている。

幸い我が家の庭の芝生の面積はごく僅かなので
この手入れ方法で全く問題ないのだが、
昨日芝生を手入れしていると
一か所、妙に雑草が生えて芝が負けている箇所が
あることに気が付いた。

それは植物の水やりようのホールリールが置かれた
すぐ近くの場所である。

何が悪かったのかと思い返してみたが、
特に何も思い浮かばない。

そこだけ特に雑草の種が飛んできたとは
到底考えにくいので、
不思議な気持ちを抱えながら作業を続行していた。

すると、ふとある日の光景が思い浮かんできた。

それは私の趣味のクワガタの飼育用の
ケースを洗浄していた時のことである。

私はクワガタのブリードを趣味にしている。

クワガタを飼育されたことのない方には
ピンとこないかもしれないが、
クワガタの幼虫の飼育は菌糸ビンというものと
マットと言われる土をエサに使うのである。

当然エサなので幼虫はそれを食べきってしまうので
定期的に交換しなくてはならない。

その時に出てきたケースを洗浄する作業を
この場所で毎回私はしていたのである。

では私はなぜこの場所で作業をしていたのかと言うと、
それはクワガタの幼虫のエサになる
菌糸やマットは芝生にとって栄養になると
考えたからである。

洗浄をするときには先に中身を出したうえで
ケースにこびりついた菌糸やマットを
洗い流すのだが、
先に出した中身は毎回花壇やプランターに
混ぜるようにしている。

そうすることで花の肥料になるからである。

実際この方法で追肥し続けたプランターで
野菜を育てるととてもよく育つので
この方法はあながち間違いではないはずである。

なので、幼虫飼育用のケースを洗いながら
ついでに芝生に肥料をやれると思い、
その場所で洗うことにしたのだ。

だが、不思議なことにその場所に雑草が生えて
芝生が負ける形となっていたのだ。

これは一体どういうことであろうか。

それを考えた時に一つの仮説が思い浮かんできた。

”芝生に有機物肥料やってはいけないのではないか”

実はこの庭の芝生を植える時に私には大きな疑問が
一つあった。

それは芝生のために入れる土である。

我が家の芝生は外構工事の業者の方が
植えるところまでしてくださったのだが、
その時に芝の下に敷いた土が”真砂土”というものである。

これは名前に土とついているが、
実際には単なる砂なのである。

これは砂場に入っているような
粒子径の比較的整った砂で、
外構工事をする際にも他の場所で色々と使ったものを
業者の方がそのままとりあえず芝生を入れる箇所にも
入れているのだと最初私は思っていた。

ところが、業者の方はその真砂土の上から
芝生を置いて、上からも真砂土を振りかけるだけで
作業を終えたのである。

子供の頃から植物の成長には水と栄養が重要だと
思い込んできた私にとってこれはとても驚いた。

なぜなら、真砂土は砂の塊なので有機物らしいものが
何も含まれていないからである。

植物の栄養と言えばチッソ、リン、カリウム
と言われるが、
これらの供給源は腐った葉や木、
そして虫や小動物の死骸などである。

だが、真砂土は砂すなわち小さな石なので
そのようなものは一切含まれていない。

そんな場所に植物を植えれば枯れてしまうというのが
私の中の常識であった。

だが、業者さんはそんな私の疑問を
受け付ける間もなく帰ってしまったので、
仕方なく業者さんが言うように小まめに水やりを
し続けていると、
芝生は不思議なことにしっかりと我が家の庭に
根付いていたのである。

もしかすると芝は光合成でエネルギーを作る能力に
長けているのかもしれないなどと思いながら
その時の私は妙に納得したのだが、
そんなことを忘れて私はクワガタのケースを
芝生の上で洗い、間接的にではあるが芝生に栄養を
やったのである。

すると芝生ではなく雑草が生えてきた。

だが、本来この栄養は芝に吸収されるはずである。
なぜなら芝はそこにもうすでに根付いているのだから。

だがこの栄養は雑草に持っていかれて
雑草を元気にするために使われてしまった。

これまでも雑草が生えてくることは
もちろんあったのだが、
それも芝がしっかりと根を張っている場所なので
小まめに抜きさえしていれば、沢山生えてくることは
なかったのだが、
今回は完全に雑草が勝ってしまったのである。

これは芝がそのような有機物から栄養を
とることが苦手だからだと考えると
納得ができるのではないだろうか。

芝生には専用の液体肥料があり、
それを定期的にやっているが、
確かにそれにも有機物の類は含まれておらず
窒素、リン、カリウムが配合されただけのものである。

今回私が有機物を芝に部分的に与えたことで
それらから栄養をとることが上手い雑草が
生えてきてしまい、
逆に芝が本来とるはずだった栄養まで奪われたと
考えればこの結果は理解できる。

私が芝に対してよかれと思ってした行動が
逆に芝にとってダメージとなってしまったのだ。

その場所の雑草をこまめに除去して
このまま様子を見ることにしたのだが、
この原因を考察する中であるものに似ていると私は思った。

それは子供への教育である。

私は二児の父として毎日子供たちと接している。

親というものは不思議なもので
生まれてきた時には二人とも元気でいてくれさえ
すれば嬉しいと思っていたが、
大きくなるにつれてどんな風に育ってほしいという
余計な願望も育ってきてしまうものである。

私はそれほど多くはないものの
子供たちにどうあって欲しいと願う気持ちは
多少なりとも持っている。

そして、その願望は子供への教育に
影響を与えている。

「〇〇をしなさい」「〇〇をしてはダメ」などという
制限をかけることも、まさにそのためである。

だが、それが必ずしも子供のためになっているとは
限らないのである。

もしかすると今回の芝生のように
良かれと思ってやっていることが結果として
逆効果になっていることもあるのではないだろうか。

今回の芝生の場合は雑草が生えるという
とても分かりやすい形で結果が見えたが、
子育ての場合は結果が見えない場合も多いし、
親自身結果を見ようとしていないことも多い。

世の中には数多の育児に関するノウハウがあり
本が出版されているが、
それもすべての子供に当てはまるわけではない。

私が野菜でうまくいったからといって
芝にも栄養になると安直に考えたように
育児ノウハウをそのまま自分の子供に
当てはまると考えることは
実は危険なことなのである。

実際、我が家には2人の子供がいるが
長男にうまく当てはまったやり方が
長女に全く合わないということがよくある。

同じ夫婦から生まれた子供たちですら
これほど違うのに、
誰かが書いたノウハウがそのまま当てはまると
考えるほうがおかしいのである。

もちろん沢山の子供からデータを採取し、
どんな子供にも共通する要素というのは
あるというのは理解できるが、
それも、自分の子供にちゃんと当てはまるかどうかは
合う確立的に高いというに過ぎないのである。

にもかかわらず私は過去に「先生がこういうから」
「テレビで言っていたから」「一般的にそういわれるから」
などという理由で、
自分の子供たちに色んなことを指導してきてしまった。

中にはうまく当てはまったものもあるかもしれないが
私自身そのレビューすらちゃんとしていないものが
ほとんどである。

自分の子供に何かを教えるときには
自分の子供をしっかりと見て、それがその子にとって
ベストなやり方かをしっかり考えてから
することが親としての大切な役目であろう。

誰かが言うから指導するのでは
別に親である必要など何もなくなってしまう。

子供と最も近い立場で見ている親だからこそ
ちゃんと子供を見て指導をしなくてはならないと
なぜか芝生を見て感じさせられた。

この家に住み始めて6年になるが、
ある意味6年間育ててきた芝生は私にとって
子供同然なのかもしれない。

子育てならぬ芝育てで私は色んなことを
学ばせて頂いている。

これからも芝を含め我が子たちを
大切に育てていきながら、
私自身も成長していきたいと思う休日であった。


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