見出し画像

Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2022入賞!コスモピアの考える「働きやすさ」とは?

2022年4月にHCグループの仲間入りをした株式会社コスモピア。およそ40年にわたって「働きやすさ」を考えてきた会社です。女性が起業し、創業メンバーも全員女性の小さなベンチャー企業は、固定概念にとらわれず多様性を重んじた結果、今では「プラチナえるぼし認定」※取得や「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2022」での入賞など、高い評価を受けています。創業者であり同社社長の田子みどりの考える「働きやすさ」について話を聞きました。 
※厚生労働省が「女性活躍推進法」に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する制度。プラチナえるぼしは最高ランクの認定で、コスモピア社は2021年に取得。

田子みどり社長。後ろはフリーアドレスのオフィス

雇用機会均等法施行前の1983年に創業し、80年代後半にはテレワークを取り入れていますね

「テレワーク」といっても、当時は電話やFAXで連絡をとっていましたね。1980年代は、結婚・出産を機に家庭に入る女性がほとんどでしたが、プログラマーなど専門職の方は在宅で仕事をされていました。そういった女性たちをネットワーク化してマニュアル作成などを依頼するようになったのが「テレワーク」導入のきっかけです。以降、配偶者の転勤で東京を離れなくてはならない社員が相次いだこともあって、テレワークや短時間勤務など、多様な働き方を取り入れ始めました。会社として制度を整えようというより、一人ひとりの事情に寄り添える働き方を模索した結果という感じです。

2021年に「プラチナえるぼし認定」を取得しています

2019年に「えるぼし認定」を、テレワーク率100%を実現した翌年の2021年に「プラチナえるぼし認定」を取得しました。
コロナをきっかけにテレワーク率100%を実現したのですが、これは以前からペーパーレス化を進めていたからこそできたことでした。当社は東日本大震災直後の2011年からペーパーレス化に取り組み始め、会社に行けなくても事業を継続可能にする仕組みとして、クラウドシステムの導入や事務所のフリーアドレス化などに着手しました。2016年には総務省「テレワーク先駆者百選」にも選ばれたんですよ。
仕組みの変化はコミュニケーションのあり方も変えました。もともとコミュニケーションは良くとる会社でしたが、フリーアドレスで人間関係が固定化されなくなって、よりフラットで風通しが良くなりました。こうした下敷きがあって、コロナ禍が始まった時にスムーズに全社員がテレワークに移行出来ました。コロナ禍が落ち着いてきた今は完全テレワークではなく個々の選択に任せています。

テレワークのほかにも、パートから正社員登用、副業OKなど沢山の選択肢があります

私が働きだした当時も今も変わらず、女性は「仕事か家庭か」という人生の岐路に立たされる場面が多いですよね。それでも「働きたい」という意思のある人たちを埋もれさせておくのは社会にとっても個人にとっても、もったいないことです。私たちコスモピアは「仕事か家庭か」という問いへの答えは10人10色だと考えていて、様々な当事者たちの声に合わせて、働く場所や働く形(雇用形態)、キャリアパスを提案しています。
パート契約から正社員、そして部長へとキャリアアップした事例もありますし、一度仕事から離れて家庭に専念し、その後に復帰してくれた社員もいます。私にとって従業員は家族と同じで、皆が居心地の良い会社でありたいと思うし、優秀な人財には会社に戻ってきてほしいと考えています。

従業員数が増えるにつれて男性社員の採用も進んでいます

ICT関連のヘルプデスクやマニュアル作成などの業務を行う中で、性別にとらわれることなく能力や専門性のある方を求めています。もともと女性中心の会社ですから女性比率は高いですが、女性が働きやすいということは、男性が働きやすいということです。「仕事か家庭か」という難しい問題に直面した女性がその人らしく働ける環境は、男性や子供のいない女性にとっても自由な働き方を選べる環境になりえます。だから、コスモピアの多様な働き方・キャリアパスは、子育て中の女性に限定していません。
ただ、女性が多いので少数派である男性への配慮は欠かさないようにしていますよ。「女だから」「男だから」という考え方ではなく、その人個人への思いやりを忘れない会社づくりを続けていきたいと思います。

HPには社員インタビューを掲載しています https://www.cosmopia.jp/

柔軟に「変化」を取り入れていらっしゃいますが、「学び」にも熱心ですよね

これだけ社会が多様になってくると、学ばなくちゃいけない事が次から次に出てきますよね。ICT技術の進歩は言わずもがなですが、言葉遣いや態度など振る舞いについてもアップデートが必要な世の中になりました。もともとこの会社自体、当時の政府が提唱しはじめた「科学技術」を広く分かりやすく伝えたいと創業したので、「学ぶ」ことに抵抗がないというのもあります。
今年の初めに、「時間栄養学」について社内研修を行ったのですが、これが面白かったんです。健康管理・維持が目的で、コロナの感染状況も落ちついていなかったのでオンライン形式で行いました。産業医の先生に話をしてもらって、それを動画編集が得意な社員に編集してもらって、と研修自体を自前で作りました。講義の内容も新鮮でしたし、こういうことを内製化できてしまうというのも大きな発見でした。無理はしないけれど会社にあるリソースを様々なアイデアで活用していく、新しいことを会社として学んでいく、というのはこれからも続けていこうと思っています。

田子社長の考える「働きやすさ」とはなんでしょう?

これと言えるものはないけれど、辛いことを無理せず、長続きさせることを考えたらいいんじゃないかしら、と。その時々の事情で仕事が10できるときもあれば1や2しかできないときもある。けれど、10できないから0にする、という考え方ではなくて、働きたいと願う人は、1でもいいから仕事との接点を持ち続けたほうがいいと考えています。仕事を通じて、社会の一員であることを実感できますから。

お話を聞いて・・・


田子社長のお話を聞いて思い浮かぶのは「持続可能性」という言葉でした。近年言われ始めたSDGSにすでに約40年前から取り組み、多様性を受け入れる社内風土を育み、さらに進化しようとしているコスモピアでした!

https://www.cosmopia.jp/
https://hch-ja.co.jp/