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04 どこまで自分でやる?壁・天井・床の撤去 <ホームセンターが福岡の人気エリア・糸島で、空き家をリノベしてみる>

 GooDayHouseの1階はコミュニティースペースを作るため大きくリノベーションすることになりました。(過去記事はこちらからどうぞ
まずは広い空間を作るために、壁・天井・床はがし(撤去)を行いました。今回はその様子をお伝えします。


リノベのコレって自分でできるかな?

 先に言っておきますと、これらはセルフリノベーションとしては難易度高めだと思われます!
「自分でできるのかな?」
これがリノベやDIYに興味を持った人の多くが、最初に感じることではないでしょうか?

実際にリノベをするときには「ここまではプロの業者の手を借りる。ここからは自分でやる。」と、手掛ける内容を線引きすることが必要になると思います。
いろんな方がリノベや自宅のメンテナンスを考える際に、少しでも参考になればと思いご紹介します。

グッデイのスタッフも「壁や床をはがす作業は初めて!」という人がほとんど。”師匠”ことデザイン見聞録の細川さんのサポートを受けて進めていきました。

構造を魚に例えみると

 撤去作業は壁、天井、床ともに、見えている表面部分の壁材や床材をはがし、家の骨格である「柱・梁(はり)・根太(ねだ)(※部位・役割によって呼び方が異なります)」が見える状態にしていく作業です。

今回は、「壁」の構成を「魚」に例えて簡単に説明してみます。
(一尾の焼き魚を食べるイメージで想像してみてくださいね!)

 

・家を支える主要な「柱」が”背骨”
・背骨の左右にある”腹骨”にあたるのが、柱と柱の間をつなぐ「間柱」
・腹骨についている”身” = 間柱に張り付け、固定されている「壁材」
このように例えると、撤去作業は『背骨を残して腹骨から身をはいでいく』イメージです。

作業でいうと、”身”からはいでいくので、先ほどと順番が逆になります。
壁の場合であれば

・表面の壁材を固定している間柱などからはがす。叩き砕く →”身を外す”
・不要な間柱や造作(※)を切断、外す →”不要な腹骨やえらを外す”
・柱に残ったバリ(残った木材のトゲ)、釘や接着剤などを取り除く
 → ”骨周りの付着物をとる”

※造作(ぞうさく):壁や柱周りに設置される棚や間仕切りなど。仕上げ工事自体を意味することもあります。

といった作業になります。(何となくイメージできましたか…?)
床や天井の場合も細かい違いはありますが、大きくやることは似ています。

ダイニングキッチン・和室・洋室の3部屋を隔てている壁を撤去していきます

◆キッチン

設置してあった流し台、吊戸棚は撤去することに。ねじやビスなどで固定された部分を外して運び出します。
壁面に貼られていたタイルは、ノミを当てハンマーでたたき一枚ずつはがしていきます。強力な接着剤でしっかり固定されており、きれいにはがれないことも多々。割れて飛び散る破片に気を付けながら、一枚ずつ、根気強く作業を続けます。

簡単に1枚にははがれてくれません…

◆ダイニングキッチン・リビング・和室を仕切る壁

 壁はハンマーやバールで叩いて穴をあけて壊していきます。
注意が必要なのが柱。
「外してもいい柱」と家の骨格となる「絶対残さなければいけない柱」があります。重要な柱を残して、不要になる間柱をのこぎりや電のこで切断し、撤去していきます。

赤線で囲まれている柱が「絶対残さなければいけない柱」
 

壁や柱周りに「造作」といわれる棚や間仕切りなどが設置されている場合は、固定している釘や木栓を外して撤去する必要があります。
釘はバールやインテリアバールなどで丁寧に抜いていきます。

バールは「てこの原理」で釘抜きができる道具。持ち手側が長くとってあることで、強い力で釘を抜ける仕組みです。インテリアバールは片方の先端がヘラの形状をしており、釘抜き用の溝や穴があります。

 木造物件のGooDayHouseは、細かい釘が様々なところに、たくさん使われており、釘を抜く作業が多いため、この工具が役に立ちます。
スタッフは曰く「かなりの数の釘を抜いた」そう。繰り返し抜いていくうちに、どう力を入れるといいかが肌感でつかめてきて、効率が良くなったんだとか。

不要な柱と壁材が撤去されました!

◆天井

 普段は天井裏にあり見えませんが、家の骨格となる「梁(はり)」には、吊木や野縁(のぶち)と呼ばれる、天井材を固定する”腹骨”にあたる木材が固定されています。
その木材に、”身”にあたる天井板といわれる下地や石膏ボード、天井材(パネルなど)が固定されており、それらを叩き割って引きはがしていきます。

 

 頭の上にある天井を壊すので、当然ながら上から色々なものが降ってきます!天井を解体する際は帽子とマスクが必須!
(できればゴーグルも。作業時にはケガのないように長袖・腕カバーなどを着用。撤去の際に抜いた釘を誤って踏んでケガをしないよう、安全靴を履いた方がよいです。)

GooDayHouseは、梁も立派な一本木のものが使われており、状態も良いことから、天井材を撤去したままにする「吹き抜け」とすることに。
そのため一部の箇所は不要な吊木・野縁ものこぎりで切って撤去します。

奥側が表面の天井材のみをはいだ状態。天井から縦におりている柱が吊木

区画ごとに進めていくのですが、手のこ(手動ののこぎり)はとても疲れます…
セイバーソー(電のこ)を使うこともあるのですが、切断は早い反面、手になかなかの振動があったり、振動で上からものが落ちてきたりという、一長一短な部分も。
また、天井裏は電気の配線が通っており、間違って切断すると感電してしまい危険なため、そういった箇所は手のこで慎重に進めます。

 
だいぶ撤去が進んだところ

◆床

 なるべく作業を簡単にするため、新しい空間には「カフェ板」という床材を敷いていく予定にしています。そのため、耐久性の面で状態の良い箇所は、そのまま現在の床を下地として利用します。
踏んでみて柔らかい、床の状態が悪いダイニングキッチンと、和室の下地を引きはがして張り替えることになりました。

※和室は畳を撤去して仮板を引いています 

 床下には、家の基礎となる土台と、根太(ねだ)といわれる”腹骨”に当たる木材があります。床板はこの根太に固定されています。この根太がむき出しになる状態までインテリアバールなどで引きはがしていきます。引きはがしは力のいる作業です。

 

作業を進めていると、本当に釘が様々なところに使われているのに気づきます(床に限らず)。分かりにくい所にあることもあり、不要な釘は気づいたらすぐ引き抜く、曲げておくなど、ケガをしないように心がけます。

 

表面の材を引きはがした後、板のバリや接着剤が残るので、それらをインテリアバールやスクレーパーで削ってきれいにしていきます。こうして整えることで、新しい下地が貼れる状態になります(他の部分でもきれいにする作業工程が同様にあります)。

 
 

3部屋を一つの空間にするため、敷居や部屋ごとの段差をなくし、3部屋を同じ高さにする作業も同時に行います。段差の原因になる造作を撤去したり、下地板の厚みを変えたりして、3部屋の下地を同じ高さに整えます。

 

 膝をついての作業が多く立ったり座ったりを繰り返すため、膝や腰に少々の疲れを感じますが、みんなでコツコツと作業を行いました。

床をはいでみると、通気性がよいのか床下の砂地がサラサラしています。
「下地がこんなにきれいな家はなかなかない」と細川さん。
GooDayHouseは「当たり物件」なんですね。

 

楽しくリノベする選択肢を

 今回、冒頭に「難易度が高い」とお伝えしましたが、その一番の理由は、リノベにおいては配管や電気など「どこを触っていいのか」を判断することが求められることです。

また根気強く作業、という面で、スタッフが大変さを感じたのは事実です。家の状態によっては、解体してみて当初の想定がうまくいかない、ということも起こり得ます。ただ、この大変さは、ゆっくり楽しみながらやっていく、という場合は気にならないかもしれません。

数日にわたって作業したタイルはがしは根気が必要でした

 GooDayHouseは”師匠”が確認し先導してくれているので、初めて家のリノベを行うスタッフも安心して作業できています。

「自分自身が空き家を買ってリノベする気持ちになって。
そこまでやるの?と思うかもしれないけど、やってみて、楽しみながらやっていこう。大切なのは、楽しむということ」
”師匠”である細川さんは、グッデイのスタッフにこんな風に声をかけてくれます。

細川さんの言葉通り、コツコツと行う作業で、家が形を変えていく様子は、スタッフにとっても楽しく、とても有意義な場となっています。

 楽しんで家のリノベやメンテナンスを行うためには、難しい箇所はプロに頼る、という選択肢を持つこともよいと思います。
参考になればうれしいです♪
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