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ゲーム「UNDER TALE」感想

 一時期流行ってたらしいと噂の本作。すみません全く知りませんでした。人づてに「面白いらしい」と聞き、PSの定額サービスにあったのでやってみるか~と手を出し、設定とかは面白かったな~という感想です。あとは普通かな。そこまで熱中するほどでもなかった。ただしこう思ったのは私がすべてのルートを自分でプレイしてないせいだと思います。

ジャンル:ロールプレイングゲーム
プレイ時間:11時間
媒体:PS5(PS Store定額サービス)


■ 媒体は多様

 本作は様々な媒体でプレイ可能です。例えばsteam、PS、Switch、XBOX。私はPS Storeの定額サービスでプレイできたので定額サービスに入ってる方はアクセスしやすいかと思います。


■ あらすじ

 あらすじが……無い!なので雑にあらすじを書いておきます。

「昔々、地球には人間とモンスターという2つの種族がいました」
人間とモンスターは戦争をし、人間が勝利しました。人間はモンスターを地底に閉じ込め、出てこれないようにバリアを張りました。
そんな中、ある人間が地底へ落ちてきました。この地底から人間は無事に地上へ戻れるのか。人間の長い旅が始まります。


■ UNDER TABLEとは

 公式から引用します。

誰も殺さなくたっていい。
どの敵にも、戦わずに「勝つ」方法がある。
スライムとダンスをしたり、イヌをナデナデしたり、強そうな剣士にとっておきのヒミツをうちあけたり。
もちろん、問答無用でやっつけたってかまわない。

ただし、旅を続けるには「ケツイ」が必要だ。
敵はそれぞれ、思い思いの弾幕パターンで攻撃してくる。
うまくよけて、バトルを切り抜けなきゃいけない。
ヘンテコなキャラクターたちとのヘンテコな会話には、思わずクスリと笑ってしまうはず。
プレイヤーが取る選択は、ストーリーに大きく影響する。
プレイ時間は、平均6時間。

そして、どういうわけか…このゲームは、たくさんの人に愛されてる。
だから、ひょっとしたら、キミも気に入るかもしれないね。

ABOUT

こんな感じで戦わずに進むこともできるし、戦うこともできる。プレイスタイルによってエンディングが変わっていくマルチエンディング方式になってます。


■ ジャンルはRPG

 ちゃんとRPGしてます。たまーに演出がホラーっぽくなりますが、ホラージャンルではありません。ある意味ホラーなところはありますが。


■ 曲が良い

 アンダインの戦闘曲とかとても好きでした。かっこいいな~!
公式が太っ腹にもオンライン配信コンサートをアップしてくれてるので貼っておきます。作業用BGMとしても良い感じ。


■ ゲームシステム

 まずは当たり障りのないゲームシステムから語ろうかと思います。動画を見た方がイメージは付きやすいかと思うので一応公式動画も貼っておきます。

2Dドット画面

 画面はよくある2Dドット画面です。

メニュー画面

 できることは「アイテム」「ステータス表示」「電話をかける」こと。「電話をかける」ではキャラの電話番号を教えてもらった場合に電話をかけて会話することが可能です。

戦闘画面

 たたかわない場合もある戦闘画面。特定の行動をした場合に敵の戦意を削ぎ、「みのがす」「にげる」を選んで戦闘回避をすることが可能です。ただし「にがす」「にげる」を選ぶとEXPはもらえないため、Lvが上がりません。

敵からの攻撃はいわゆる弾幕、シューティングゲームのような画面になります。自身の分身である赤いハートマークを動かして敵からの攻撃に当たらないよう回避する必要があります。

マルチエンディング方式

 条件を満たすとルートが変化するマルチエンディング方式です。全部で3ルート存在しますが、そのルートごとに細かなパターン変化もあります。しかし巷のマルチエンドゲームと比べて親切ではなく、別ルートを見たい場合は最初からやり直す必要があります。






~~~~ネタバレするよ~~~~






■ ストーリー

 なぜか攻略サイトや色々な人が「N(Neutral Route)ルート」「G(Genocide)ルート」「P(True Pacifist)ルート」という呼称を使ってるのですが、このルート名はファンが勝手に使っている名前のようなので、本感想記事では私が分かりやすい名前にしたいと思います。

一周目ルート

 一周目はどうあがいてもこのルートに行くっぽい。雑にまとめます。

山頂から地底の遺跡に落ちてきた主人公。そこで出会った花の魔物、フラウィに襲われる。彼は言った。「この世界は殺すか、殺されるかだ」。
主人公は遺跡に住んでいたトリエルという魔物に助けられるが、彼女は「外には人間を殺し魂を集めている魔物の王アズゴアがいる」と忠告し、外に出してはもらえない。地上に戻るためなんとかトリエルを説得し、遺跡から外に出て地底の出口を目指す主人公。
道中のボスであるパピルス・アンダイン・メタトンを退け、ついに主人公はアズゴア王を倒す。
しかしフラウィがアズゴア王の魂とアズゴア王が持っていた”今まで死んだ人間の魂”を奪い、神のような力で主人公を倒す。主人公は諦めずに何度でも挑み、やがてフラウィを倒して地上へ脱出する。

 NPCに「なるべくにがせ」と忠告されていたにも関わらず、私はこのルートでは、遺跡から出ることを止めようとするトリエルを殺してしまい、ついでにその辺の野良魔物を試しに二匹くらい殺してみた罪を背負いました。まさか何度も「にがす」コマンドを選び続けるとは思わなんだ……。一周目は確定でこのルートに来るようですが、誰も殺してない場合は二周目はコンテニューするだけで別ルートへ行けるようです。残念ですが私は最初からやり直し。

しかし、敵を倒すと上がるレベルが「殺意を数値化したもの」という意味なのは面白かったです。そしてレベルが上がるごとに「殺す抵抗感がなくなる」という設定もたしかに!ってなるんですよね。なにせ我々ゲームプレイヤーはゲームで敵を倒すことに良心の呵責すら覚えないですからね。うーん、皮肉が効いてて良い!

ちなみに、このルートでトリエルがアズゴアの元妻(元女王)であること、パピルスの兄であるサンズが扉越しにトリエルと会話し、主人公を見守るよう依頼されていたことがわかるので、サンズが主人公に対して妙に親切だったのはそういうことか~と納得できました。

トゥルールート

 魔物を一切倒さず友情イベントをすべて発生させて見れるルート。二周目を感じさせる要素(キャラがデジャビュを覚えたり)があるのでその違いが少しあるのと、物語の最後付近で「しんじつのラボ」に入れるようになるのが大きな違いです。また雑にまとめます。

パピルス・アンダイン・メタロンの生みの親アルフィーと友達になった主人公。そして主人公はアルフィーがやったことを目の当たりにした。アルフィーはアズゴア王の依頼でソウルと呼ばれる人間の特殊な魂を解析していた。
人間の魂にある特殊な要素「ケツイ」を解析し、「ケツイ」は「人間が生き続けたい思い」だということがわかった。実験のため「うごかなくなったまもののからだ」を集めて「ケツイ」を注入するアルフィー。しかし実験は失敗。実験に使われた魔物たちは合体し、醜い姿となって生き続けることになったが、アルフィーはそれを隠蔽した。
その事実を知った状態でアズゴア王に挑む主人公とアズゴア王を説得する魔物の友達たち。なんとか平和的に物事が解決しそうなところを花の魔物フラウィが現れる。彼の正体はアズゴア王の息子アズリエルであり、地底に落ちた一人目の人間と協力して魔物を解放しようとし、失敗して死亡した英雄であった。彼はアルフィーの実験に巻き込まれ、愛を忘れ花の魔物の姿となって生きていた。主人公たちを阻むアズリエル。そんな彼をなんとか倒し、主人公は魔物たちに自身の名前が「フリスク」であると名乗り、みんなと一緒に地上へ出発する。

 地上に出た魔物たちは地上を思いっきり満喫していますが、主人公は選択肢によってトリエルと暮らすエンディングと帰る場所に戻るエンディングがあります。まさにハッピーエンドと言いたいところですが、個人的にはアルフィーの罪が重すぎてとても流せなかったので、ハッピーエンドなこのノリについていけず困惑していました。
しかしストーリーの展開は少年漫画のような王道の「みんなの強い思いで巨悪を倒す!ラスボスさえ救う!」という感じなので、好きな人にはかなり刺さる展開だと思います。少年漫画と言うよりニチアサ系かも?

戦闘ルート

 目次でネタバレしないために戦闘ルートと書きましたが実際は虐殺ルートです。これ以上周回するのが面倒くさかったのでプレイ動画で済ませた本ルート。ぶっちゃけこっちの方がゲームとして面白かったやつ~!

魔物をすべて殺害し、自身の名前が「フリスク」ではなく「(プレイヤーが付けた名前)」ということが判明する。つまり最初に地底に落ちた一人目であり、フラウィの元の魔物であるアズリエルと仲が良かったはずの人物であり、死んだ人間である。プレイヤーが魔物を殺害しつくしレベルを上げることによって一人目を呼び起こし、フリスクの体を奪わせたのだった。
パピルスの兄サンズという強敵に阻まれたがそれでも殺し、アズゴア王を殺し、フラウィを殺し、プレイヤーは何も操作できなくなり、一人目の人間はゲーム世界を破壊した。ゲーム世界を復活させるためにプレイヤー自身のソウルを要求され、プレイヤーがそれに従い魂を渡すことでゲーム(世界)が復活する。

若干ホラーっぽい要素がある……かも?なルート。個人的にはそんなにホラーと思えなかったかな。どっちかと言うとアルフィーのやったことの方がよっぽどホラーに思えました。
個人的にはこっちの方がゲームとして面白そうだったので、途中で興味を失ってもったいないことをしたな~とちょっと後悔。けど周回が面倒くさすぎたんだ……。


■ クリア後に思ったこと

既存ゲームシステムを設定で生かしてるのは良い

 例えば「ケツイ」は人間が生き続けたいという意思のため、主人公が死んだ際に「ケツイをちからにかえるんだ」を励まされ、コンテニューします。ケツイのおかげでコンテニューができる。セーブロードも同様に「ケツイ」のおかげ。
さらに敵を倒してもらえると言われていたLOVE(経験値)の力は正式には「Level of Violence」。他者を傷つける能力値になります。既存の概念に「たしかにそう見るのもありかも」と思える概念を追加してるのが面白かったです。

周回は楽ではない

 会話のスキップがあると言っても一会話が即表示されるだけでスキップというほどでもないし、フィールド上でのダッシュ機能はないので移動は遅い。このゲームに感動して細かいところまで見に行く!という気概が無ければ周回は難しいだろうなと思います。私にはその気概が無かった。

アルフィーの罪が重すぎる

 無邪気に選択する実験が残酷すぎて引き起こした結果も罪が重すぎて全く流せなかった問題です。人間の魂を解析したいってのはわかる。抽出した「ケツイ」を死後間もない魔物に注入するのは……まあ、わからないでもない。頭おかしいけど。ここまで一切悪意無しなのも頭おかしいけど。
その人体実験が魔物のキメラという結果になって、そのキメラを隠蔽し、何度も親や王から連絡が来てるのに今まで隠し通せているっていう事実がおかしすぎる。なんだこの罪のバーゲンセールは。こんなことをやってたのに改心?後に「責められると思うけど……でも打ち明けてみようと思う!(うろ覚えセリフ)」みたいな軽い流れにならんだろ。なにこのノリ。このあたりだけ命も人生も軽いんだよなぁ~~!それにこいつのせいでフラウィが誕生してしまったのも無自覚に罪を重ねてるんだよな。
そもそもこんなことを仕出かしておいて、「地底に紛れ込んだ人間(主人公)」という娯楽コンテンツに関わるためにやらせで敵役出すし、それを助けるというマッチポンプをしてる最初の関り方からかなりのクズさなんですよね。どんどん罪が重くなるよ。それなのになんでこいつの恋愛が成就してるんだよ。
……あ、こいつが嫌いすぎるから本作をそこまで好きになれなかったのかも!感想書いてて気づきました。こういうことに気づけるから自分の感情を吐き出すのは良いものですね。

虐殺ルートをやると台無しになる感じはある

 動画で済ませた私が言えたものではないですが、本ルートをやってしまうとこの後に何か別ルートをやっても台無しになってしまうのが難点。
虐殺ルートをやると一人目の詳細がわかるのでそこは良いんです。けれどこのルートを経て再度トゥルールートへ行っても一人目がフリスクの体を乗っ取るような描写が必ず入ります。まあそれはそう。だってこの世界、一人目が作り直した世界だもんね。なのでもう二度と幸せな本当の意味でのトゥルーエンドを迎えられなくなるようです。二周目で虐殺ルートに行って三週目でトゥルールートに行ってもたぶんそうなる。これぞまさしく「取り返しのつかない要素」。うーん、台無し!




■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイしたのは11時間。一周目は6時間、二周目で11時間になったので寄り道をしなかったら意外とサクッとできるのかもしれません。三週目をこなそうとすると時間はかかると思いますが、私は動画で済ませたのでわからず。
そこまでハマれなかったですが、好まれている理由はわかりました。既存ゲームシステムに対する設定付けは好きだったな!

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