見出し画像

掌編【あなたと手を繋ぐんだ】200文字



好きと言葉にすればするほど。
気持ちごと口から吐き出され、空気に溶けてしまう気がした。

いつかは氷から水のように。
水から水蒸気のように。
跡形も無くなる気がした。

でも好きと言葉にすればするほど。
空っぽだった心は満たされ、幸せが胸に溶け込んでくる。

いつか流した涙の跡が、見えない愛で消されていく。
形の無い感情が、キラキラと視界に映り込む。

「すき」

溢れ出た気持ちが、空気に溶けないように。
あなたと手を繋ぐんだ。



100円からサポート出来ます。文章を書き続ける為の生活費にしますので、ぜひサポートよろしくお願いします!