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【死ンダ君モ愛オシイ】 あとがき的なやつ


この記事は「死ンダ君モ愛オシイ」を読み終えた方のみ、お読みください。なんとなく綴ってみた、「あとがき的なやつ」です。


最初から最後まで、一貫して問題作として仕上がりました。だいぶ尖っていましたね。途中で丸くならずに、尖ったまま終えることができて、そこは満足です。なかなか伝えたいことが伝わらなかったようで、悔いが残る部分もありますが、魂を込めて丁寧に練り上げた作品なので、思い残すことはありません。まあ、連載のリスクではあるのですが、数ヶ月も前の伏線なんて覚えてないよなーっていう…しかし連載のために書いた作品ではないので、そこは仕方ない。

青い傘のエピソードや、シン君カップルが実は第2話から4回も登場していることなど、気づく人はいなかったかも。まあ、バカップルはただの遊びなので気づかなくてもいいのですが笑
ちなみにシン君というのは本作のタイトルの通称【死ン君】から取りました。ほんと、これはただの遊びです。

ラスト、最終話は賛否両論あるとは思いつつ、我ながらクオリティの高い締め方になったと思っていたのですが、どんな反応がいただけるかとても怖かったです。実際、意味がわからなかったという感想や、最後まで何も解決しないまま終わってしまったと感じた方も多かったのかも。私なりに全て解決させたつもりだったのですが…ほんと難しい作品。
自分の作品を解説…なんて無粋なのでやめておきま…せん(どっち!)
伝わらなかったのも悲しいので(悔しいので)、少しだけお話をさせてください。

この作品をアズサの死の真相を追う物語と捉えていた方も多かったのかもしれませんが、私が描きたかったのは一矢のメンタルのお話でした。
幻覚なのかファンタジーなのか微妙なラインでわかりづらかったと思うけれど、それは意図したもので、幻覚の世界を病的なものではなくダークファンタジー風に描きました。理由は単純で、一矢を病気にしたくなかったからです。それでも、実際に私が描いたものは一矢の幻覚、妄想の世界で、落ち武者も首輪を付けた豚大のコオロギも幻覚、栞さんやアズサは一矢の世界の存在として語りかけてきました。

一矢視点で話が進むため、読者の方は一矢の思考を素直に受け入れてしまったかもしれませんが、それは必ずしもマトモな思考ではなかったのかも。そこら辺の表現も難しかったです。

誰からどんな話を聞かされても、アズサは死んでしまっているわけで。今更アズサがどんな思いで死を選んだのかなんて都合よく理解できないと思いました。結局は残された者の憶測、推察に過ぎず、それで理解したつもりになんてならないでよね、というアズサの声が浮かびます。衝撃の事実を求めていた方には申し訳ない。そういうお話ではなかったのです。ただわかったことは、三人のおばさんに翻弄されたアズサ…こう言うと身も蓋もないけれど。

どのキャラもお気に入りですが、井田獅子と木橋美沙は書いていて楽しかったなぁ。ああいうキャラが私の得意分野です。木橋はごくごく普通の真面目な女子のはずだったのですが、いい感じにウザい不気味なキャラに育ってしまいました。

死ン君は情報を明かしていくバランス、狂気と正気のバランスなど、めちゃくちゃ難しかっです。吐きそうだったし眩暈もしたし逃げ出したかった。でも、今となってはまあまあな達成感もあり、死ン君について丸二日くらい居酒屋で語り明かしたい思いです。誰か付き合って!!

一矢のことは静流にでも任せて、今はとりあえず乾杯しましょう。お疲れ様!! よくやった!!
これを乗り越えて、だいぶ成長できた気がする。
次はもっといい作品が書ける気がする。

最後まで御付き合いいただき、本当にありがとうございました。
作品は読んでいただいて初めて完成するもので、皆様のお陰でこの作品も完成させることができました。
ぜひまた次の作品で!!
今後もどうぞよろしくお願いします。



葉月Lエンデ




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