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「不安障害」と生きていく

2017年の冬、「不安障害」という病名がついた。心の病なので完治はしない。今もずっと、この病気とともに生きている。

その年の秋ごろから、気が付いたら眠れなくなっていた。布団に入る2時間前になると、言いようのない不安感に襲われて、動機がして息が苦しくなる。深呼吸をしても、ストレッチをしても、風呂に入って身体を温めても、マシにならない。仕方がないのでベッドに横になるが、心臓がそんな具合なので当然眠れない。肌寒い夜でも暑くて汗をかいた。身体は暑いのに頭が冷たい。年度も寝返りを打ち、朝を迎える。

毎日眠れないので、睡眠薬をもらおうと思って精神科の門をたたいたら、思いがけずそんな病名がついてしまった。

睡眠薬と、向精神薬と、漢方薬を処方された。カフェインの入った飲み物は当分禁止。眠れるようになるまでは仕事も休むこと。診断書を会社に提出して、結局3か月会社を休んだ。薬は飲んでも効かなかった。

3か月の休職の後、同じ会社で社会復帰をした。復帰後は課を異動になったけど、結局半年くらいで症状はぶり返した。

今度は涙が止まらなくなっていた。毎朝頭痛で目覚め、泣きながら頭痛薬を飲んだ。泣きながら会社に行き、働きながらトイレで隠れて泣いた。仕事が終わったら泣きながら家に帰って、ご飯を食べて泣いて、風呂に入って泣いて、泣きながら眠った。

死ぬことばかり考えていた。「生きることがどうしようもなく辛くて苦しいのに、車には轢かれないし、電車のホームには落下しないし、ビルの屋上からは足を滑らせないし、上から落ちてきた物も頭に直撃しない」と、毎日考えていた。

不安感は時と場所を選んでくれない。突然やってきて、私の頭と首筋を冷たくして、両肩をガタガタと震わせる。

「何がそんなに不安なの」「不安の原因は何なの」という質問に、私はうまく答えることができない。理由はない。心当たりすらない。原因が不明で、だから苦しんでいる。

「生きる」ことは辛い。とても辛くて悲しくて苦しい。本当にそう思う。だけど、辛くても、悲しくても、苦しくても、私は生きなきゃならない。そういう辛さも、悲しさも、苦しさも、全部全部抱きしめて、愛して生きなきゃならない。生きることをやめてはいけない。不安と闘う自分を認めて、愛して、生きていかなきゃいけない。

不安障害と生きていく。この病も含めて自分だから。

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