見出し画像

日用品もなるべくナチュラルで快適なものに

 食をオーガニックやベジタリアンの方向に変え始めた頃から、自分の暮らしにある身の回りの日用品全般についても見直しはじめました。

 たとえば、毎日のように使う洗剤。かつては当たり前のように合成洗剤を使っていましたが、なるべく自然のままの原料でできた洗剤を選ぶようになりました。人工的な香料を使っていない洗剤で衣類を洗うようになって、人工的な香料がいかに刺激的過ぎるにおいであるかがわかりました。昔はその人工的なにおいがいいにおいだと思っていましたが、しばらくやめてみると、その不自然さを感じるようになりました。

「服用」という言葉があるように、昔は衣服を染める草木の成分を肌から吸収して健康を養っていたようで、皮膚による吸収力はあなどれません。毎日使う洗剤の成分を皮膚からある程度吸収しているわけで、その日々の蓄積は長い目で見ると大きいのではないかと思います。

 食器洗いは亀の子たわし一つで、洗剤は基本的に使わなくなりました。植物性の食事だと、これで充分に汚れが落ちることがわかりました。時々、オリーブオイルやココナッツオイルをたくさん使う料理をしたようなときは、ちょちょっと石鹸をつければきれいに油が落ちます。昔は、液体の合成洗剤でスポンジを泡々にして洗わないと不潔な気がしましたが、よく考えてみたら、今食べたばかりの食器なわけで、危険な菌がついているわけでもないし、食べものや油がちゃんと落ちれば充分なのだとわかりました。

 合成のシャンプーやボディソープもやめて、石鹸やモロッコの「ガスール」という粘土で体や髪を洗うようになりました。石鹸で頭を洗うと髪の毛がゴワゴワになってしまうイメージがあったけれど、自分に合った石鹸を見つけ(MOONSOAPのヨギソープがお気に入り)、クエン酸を溶かした水やお酢を水で薄めたものをリンス代わりにして最後に洗い流すと、洗い上がりがゴワゴワしません。

 ぼくは皮膚が敏感なほうで、合成シャンプーを使っていた頃は、皮膚への刺激が強すぎたようで、よく頭皮が赤くなったり痒くなったりしていたけれど、石鹸や「ガスール」を使うようになってから、頭皮の問題も解決しました。

 顔を洗うのも、同じ石鹸や「ガスール」を使うようになってから、肌の調子がよくなりました。いろんな化学物質が入った洗顔ソープを使っていた頃は、いろいろな製品を試してみたけれど、いつも肌が乾燥し、体質の問題だと思っていたけれど、洗浄力や刺激が自分の肌には強すぎたのでしょう。シャンプーにリンスにボディソープに洗顔フォームに…とそれぞれ揃えると置き場所もごちゃごちゃしてしまいますが、旅行の時も石鹸か「ガスール」を持っていけばこと足りて、コンパクトで済みます。


 歯磨き粉も石鹸ベースの無添加のものを使うようになりました。最近は、「EMせっけんハミガキ」という製品が気に入っています。

これで充分に汚れが落ちるし、人工的なきつい風味や香りが口の中に残りません。

はこべ塩とか、麻炭に塩を混ぜたものとか、手作り歯磨き粉も試してみましたが、塩はぼくの歯茎には刺激が強すぎました。炭を入れると気持ちいいですが、服が黒い点々だらけになるのでこれも続きませんでした…。

 掃除用の合成洗剤を使うのもやめて、重曹、セスキ(アルカリウォッシュ)、クエン酸、酸素系漂白剤の使い分けや組み合わせでいろんな汚れに対応できることがわかりました。

 暮らしで使う日用品を一つずつ、なるべくナチュラルなものに変えていく作業は面白く、楽しみながら少しずつ変えていきました。「こういう製品があったんだ!」という発見があったり、かつてはこういう自然素材を活用していたのか、という学びがあったり。

 たとえば蚊取り線香は、元々、除虫菊でつくられていて、うちでも除虫菊100パーセントの蚊取り線香を使うようになりました。除虫菊を育てている一大産地が、ぼくの出身の和歌山らしく、そんなことを知ったのも自然素材の蚊取り線香を求め始めてからのことでした。除虫菊だけでできた蚊取り線香は、化学成分を用いた蚊取り線香ほどの効果は見られず、屋外では蚊に刺されますが、家の中ではこれで充分で、いい香りだし、蚊の多い季節は一日中、お香のように焚いています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?