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痛みは温めた方がいいのか?冷やした方がいいのか?

皆さん今まで怪我した時や痛めた時にはどっちの方法を行いましたか?

私も父親が腰を痛めており、どっちがいいか聞かれたことがあります。

果たして痛めた時はどっちがいいのか?
調べて見ました。

是非ご覧下さい!😌

①温めることの効果

皆さん温めると楽になる感じはしませんか?リハビリの人については先生(お医者さん)から指示をもらったりすることがあると思います。では温めることで何が起こっているのか?
温めることで起こる効果としては

【生理学的な作用】
・血管拡張(血圧低下)、循環血液量増加
・新陳代謝促進
・心拍と心拍出量の増加
・筋緊張(筋スパズム)軽減、
 γ神経繊維活動の抑制
・鎮痛、鎮静作用
・神経伝導速度の増大
【局所作用】
・疼痛の軽減
・末梢血流の増加
・創傷治癒の促進
・痙縮抑制

と以上の様な効果が報告されています。

②冷やすことの効果

では冷やす時はいつか?
みなさん運動している途中で怪我をした時に
冷やした経験はありませんか?
冷やすことの効果として

【生理的作用】
・初期効果として一時的な末梢血管の収縮、
 表在性、局所血流減少
・後期効果としては二次的な血管拡張、
 血流増加
・新陳代謝低下(炎症抑制)
・痙性抑制、筋緊張低下
・神経伝導速度低下
・浮腫軽減(毛細血管浸透性低下)
・血液・組織の粘性増加

③では痛みにはどちらが良いのか?

では温めること、冷やすことどっちがいいと思いますか?それは急性痛、慢性痛によって違うとされています。

・川村らは
 急性痛は組織損傷に引き続き起こる
 炎症性疼痛であり、物理療法は消炎ならび
 に疼痛軽減
を図る。特に出血傾向には
 止血作用をもつ冷感療法
を選択することに
 なる。人工膝関節全置換術後などの急性痛
 に対する寒冷療法
の効果検証でも
 有効性が示されている。
・増田らは
 認知行動療法とリハビリテーションに
 加えて温熱療法と比温熱療法群で痛みの
 変化、精神状況の変化、治療への満足度と 
 退院後18ヶ月の経過を調査した。
 結果温熱療法を加えた群では痛み行動の   
 減少、怒りの改善、治療満足度が高く、
 退院18ヶ月後、社会復帰した割合は
 非温熱58%、温熱82%
と良好であった。

一応理学療法ガイドラインでは
温熱療法が推奨グレードA(行うように進められる強い科学的根拠がある)。
寒冷療法が推奨グレードD(無効性や害を示す科学的根拠がある)と書かれています。

まとめ

私自身怪我をした身近な方から
どっちがいいと聞かれることは
とても多いです!

調べてみて皆さんが思っている様に
熱を持つ、腫れる等の急性の症状に対しては
冷やす、慢性的に腰、肩が痛いのであれば
温めるといった認識で良いのではないかと
思います!

それでも何日経っても続く様であれば
一度診察してもらうことを勧めます!

参考文献

・理学療法診療ガイドライン 第1版(2011)
 https://www.jspt.or.jp/guideline/

・川村 博文他.疼痛に対する物理療法・運動療法.
 Jpn J Rehabil Med 2016:53:604-609.

・増田 彰則他.慢性疼痛に対する温熱療法の試みと
 その効果について.第45回日本心身医学会総会 北九州.2004.

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