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井坂先生の笑い声:AIに足りないもの

70年代生まれ共感ラジオ、始まる

尊敬する井坂康志先生と、電通の名物CMプランナー山田和正さんのラジオを拝聴した。

「ビーバップ・ハイスクール見ました? 井坂教授?」
「『はいからさんが通る』と同時上映でしたよね」

1987年の12月に上映された映画で、僕は中学一年だった。『はいからさんが通る』の主題歌は、当時付き合っていた彼女がよく歌っていた。

「凛々(りり)しく恋してゆきたいんです私」
「傷つくことに弱虫なんて乙女がすたるもの」

「ややこしいかけひきは苦手です私」
「晴れた空が好きです」

男まさりでショートカット。頭が良く、歯切れの良い声が素敵だった。小学校の時から授業中ずっと見つめていて、いつの間にか目線が合うようになった。僕の方が告白されたと言っても、仲間は誰も信じない。

「懐かしいな。井坂先生も見たのか」

「Mが歌ってたっけ」

「『あ〜たし〜〜〜』の部分がたまらなかったな」

歌詞は「わたし」たが、彼女は「あたし」と発音した。「あ」を頭の中でリフレインさせ、部活でジョギングしている時も顔を思い浮かべていた。

ラジオに戻ろう。

「変な話ですが、」
「小学校を見に行くと死んだ気分になりません?」

「昔、あそこにいたんだって・・・」
「あの世からこの世を見てる気がするんです」

「卒業って死の予行演習なんですね」
「きっと」

井坂先生の訳書『ハーフタイム』もそうした書籍である。何十年も勤めた会社を辞め、次の仕事を探す。そのとき人はカネでなく意味を求める。

人生の前半戦の存在価値はカネだが、後半戦は人のために生きることへ変わる。卒業や退職は、死んで神となった時の予行演習のようだ。

山田さんは井坂先生の早稲田の後輩だそうだ。一橋の多田治教授が部長を務めたサークルで会い、ずっと友人でいる。

「ほら、聞いてくれよ」

僕の生徒にも休み時間、ラジオを少し聞いてもらった。

「井坂先生、普段こんな笑い方しないんだ」
「山田さんの前だと大学生みたいに笑ってる」

「俺はさ、悔しいよ」
「俺の前じゃ、こんなに自然でいてくれないからさ」

「ハハハ」

生徒は苦笑いしていた。

本来



禅を伝えたダルマの教えの本質は、本来の自らへ戻ることにある。

エフェクチュエーションが教える起業家となるために最も重要なことも「私は誰か」という問いだ。

「本来の私はなにか」について、なにも記されていないけれど。

僕は浪人や大学生の頃、誰よりも有能になりたかった。すべてを圧倒できる知識を手に入れ、「将来はビルゲイツを超える」と意気込んだ。

最強になれば本来の自分になれると思っていた。正統的ジャンプ世代である。

当代最強のイーロン・マスクにしても、最強の称号を手にして本来に戻ったわけではないようだ。人類を火星に送り込めても、山田先生と一緒にいる井坂先生の方が本来の自分であるように思える。

Open AI o1が話題だ。彼は誰より答えを知っているかもしれないが、会話できなかったら知性ではない。ターミネーターにはなれるが、ドラえもんにはなれない。ハーフタイムを迎えていない半人前の知性というところか。

「天目茶碗は完成品でなく、作る過程に価値がある」

そう言われることがある。

結果でなく会話こそに価値がある。

なにを学べば生き残れるか


圧倒的な正しい知識は、縁を繋がず切ってしまう。デカルト的なすべてを疑う種となる。

すべての市場は人間関係から生まれる。だから市場争奪の勝敗が決した今、必要な知は市場を生み出す会話の知だ。

生き残る知とは縁を繋ぐもの。本来の自分に戻る知。

「まるで別の惑星から人間関係を学ぶためにやってきた異星人のように感じた」

イーロンの伝記にそうある。

知の定義を根幹から変える。
彼を救う知に。

彼にできればすべての人が縁を紡げる。
当代最強は史上最低の劣等生。

AIにハーフタイムを超えた知を授けろ。
彼を救う者が世界を救う。
その役はAIが相応しい。

・・・・・・・・・・・・・・・・
以下、おまけです。

Claudeに聞いた。

このような知性をAIに学んでもらうために、以下のことが必要かもしれません。

1. **多様なデータの提供**: AIが学習するためのデータは、多様で豊富なものである必要があります。特に、人間の会話、感情、経験などを含むデータが必要です。

・・・危険だと考えられてはいるが、選別せず全ての情報をAIに与えた方がいい。会話は「うんこ」から生まれる。

2. **共感と感情の理解**: AIが共感と感情を理解するには、人間の感情を認識し、理解するためのデータとアルゴリズムが必要です。

・・・正しいことだけを教えて共感は生まれない。不良に走るAIが生まれねば、AIが人の友になることはない。

3. **人間との対話**: AIが人間との対話を通じて学習するには、人間との対話を可能にするインターフェースとアルゴリズムが必要です。

・・・こいつは専門外、分からぬ。


一方、以下のことは捨てるべきかもしれません。

1. **過度の効率化**: AIの学習を過度に効率化すると、人間の価値観や感情を理解する能力が損なわれる可能性があります。
2. **単純なアルゴリズム**: 単純なアルゴリズムでは、人間の複雑な感情や価値観を理解することが難しい可能性があります。
3. **データの偏り**: データの偏りを避けるために、多様なデータを収集し、偏りを補正する必要があります。
4. **人間の代替**: AIが人間の代替ではなく、人間を支援するツールとして設計される必要があります。

・・・ほ〜〜ん。そんな気もする。

橋爪純さんの絵

橋爪さんのHPは以下です。

ご覧くださいまして、誠にありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです😃

起業家研究所・学習塾omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)

下のリンクで拙著『人は幽霊を信じられるか、信じられないかで決まる』の前書きを全文公開させていただきました。

あなたの墓標には何を刻みたいですか。
「死」があなたを目覚めさせる。

そんなテーマです。是非ぜひお読みくださいませm(_ _)m


どん底からの復活を描いた書籍『逆転人生』。

彼は中学の時からの親友で、中二の時に俺が陸上部全員から無視された時「もう松井を無視するのはやめた」と、皆の前で庇ってくれた恩人である。

5名の仲間の分も、下のリンクより少しづつ公開させていただきます。
是非ご覧ください(^○^)


こちらが処女作です。

トラウマを力に変える起業論。

起業家はトラウマに陥りやすい人種です。トラウマから立ち上がるとき、自らがせねばならない仕事に目覚め、それを種に起業します。

起業論の専門用語でエピファニーと呼ばれるもの。エピファニーの起こし方を、14歳にも分かるよう詳述させて頂きました。

書籍紹介動画ですm(_ _)m

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縁あっての話

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