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【不登校02】 NO!! 責任の押し付け合い ~不登校の変遷と要因~ #33 - TeacherTeacherのPodcastを記事化してみた


はじめに

Teacher Teacherの「不登校」に関する調査回がとても良かったので、必要な人に広く届けばいいなと思いました。そこで、Podcastだけでなく、文章で読める形にしてみたいと思い、いちリスナーの立場ではありますが、記事化を試してみました(ChatGPT+人の手)。

前回は「【不登校01】不登校をメタ認知して選択肢をマッピングしよう! #32」を記事化しました。

今回、記事化するのは「【不登校02】 NO!! 責任の押し付け合い ~不登校の変遷と要因~ #33」です。

1. あらすじ

 本エピソードは不登校調査回の第2回目です。今回は「不登校に関する歴史」と「不登校の要因」という2つの観点からメタ認知していきます。これらのメタ認知から、「一つの意見、一人の意見が絶対ではないこと」、「登校の要因は多様で複雑であること」が分かります。こういった認識の上で、子どもたちそれぞれに合った学習環境や機会を、どのように作っていくか?という建設的な議論を進めることを提案しています。

2. 不登校に関する歴史のメタ認知

 不登校の状況や捉え方に関する歴史・変遷を辿ることで、一つの意見、一人の意見が絶対ではないということが分かります。誰か特定の人に原因をとか責任を押し付けるのではなく、どんな子供にはどんな学習環境があっていて、どうやって学習する機会を保障するか、というような建設的な話し合いができることを期待しています。

1950年代の日本の状況

 不登校が社会的に話題になり始めたのは1950年代後半です。当時、不登校という用語はなく、「長期欠席」と呼ばれていました。40万人以上の児童が学校に行かなかったが、これは主に家庭の仕事を手伝っているなどの理由によるもので、農業や漁業の家庭で特に一般的でした。

公教育への注目と数減らし競争

 1950年代以降、公教育を受けることの重要性が強調されるようになります。各自治体が学校に行かない子供の数を数値化し、数を減らす競争が始まりました。

1970年代の変化

 学校に行かない子供は稀で、数的にも少なくなりました。この時代、不登校の子供たちは「学校恐怖症」と呼ばれ、母子分離不安から来る心の病と見なされていました。

1980年代の認識の変化

 不登校の理由が親子関係だけでなく、様々な要因によるものと認識され始めました。さらに、学校恐怖症から「登校拒否」という用語へと変化しました。文科省の資料によると、本人の性格や親の育て方に原因があるっていう原因論を提唱しています。これは「不登校は親の責任である」といった意見が、この時の古い議論であることが分かります。

1992年の重要な提言

 文科省が、不登校の子供に対して待つことの重要性を提言し始めました。この時期、「不登校はさなぎの時期」という考え方が広がっていきます。

2002年の転換点

 以前の「待つことの重要性」の提言が撤回され、その子に合ったアプローチをする方向へと舵が切られました。

2015年以降の増加傾向

 2000年代初めの減少傾向から再び不登校の数が増加します。不登校に関する調査研究協力者会議が立ち上がり、教育機会確保法が2016年に制定されました。不登校の子供たちの教育を受ける権利を保証する法律で不登校を問題行動と見なすのではなく、教育を受ける権利を保証する方向への変化を示しています。

3. 不登校の要因のメタ認知

 文科省の調査[1]によると、不登校の最も大きい要因が「無気力」で、全体の約半数以上(51.8%)を占めています。2位以下は、「生活リズムの乱れ、遊び」、「友人関係(いじめを除く)」、「親子の関わり方」と続いていきます。要因は「本人にかかる状況」、「学校にかかる状況」、「家庭にかかる状況」と3つのカテゴリーがあり、全体の63%が「本人にかかる状況」であり、子供に要因があると思われてしまいます。

 しかし、この調査は教師に対してアンケートをしてデータ収集している点に留意が必要です。教師も頑張って不登校の生徒と向き合っていると思いますが、本当の理由は見えにくいです。なので、こういったアンケート調査では、「生徒本人が無気力に見える」という回答しやすいものを回答している可能性があります。

 一方、多様な学びプロジェクトの調査[2]では、「先生との関係や学校システムの不適合」が大きな要因として挙げられており、前述の文科省の調査結果と異なります。こちらは、学校教育に疑問を持つ保護者や不登校経験者を対象にアンケート調査しているため、このような結果になった可能性があります。

 このように、不登校の要因は多様で複雑であること、またそれらの要因を正確に把握するための調査方法やデータの解釈に注意が必要です。

4. 参考資料

[1] 文部科学省, "令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要", 2023, https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_2.pdf, (参照 2023-12-31)
[2] 特定非営利活動法人多様な学びプロジェクト, "不登校の子どもを育てる保護者に聞いた『不登校のきっかけ』1位は「先生との関係」。保護者の86%が子どもへの対応や将来に「悩んでいる」と回答", PRTIMES, 2023, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000110747.html, (参照 2023-12-31)

さいごに:Japan Podcast Awards大賞受賞とクラウドファンディング挑戦

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