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浮気モラハラ年下男からようやく抜け出せた話①

二つ前の記事で10代の頃の恋愛を書いた。

その時の彼と別れてから約1年半後、新しい彼氏ができた。が、題名からお察しいただける通り、とんでもない野郎だった。どうにかしてこの記事が彼の目に止まり、自分の過去を反省してくれないものかと願っている。(こんな文章を読んで奴が反省するとは到底思えないけれど)

さて、そんな彼と出会ったのは、私が大学3年生の頃に始めたバイト先だった。私が入った数ヶ月後に彼が採用され、お互い何の感情も抱かないまま数ヶ月一緒に働いた。そういう対象として認識したきっかけは何だったのだろう。多分、同じアーティストのライブで会ったことと、他のバイト仲間と一緒に飲みに行き始めたことだと思う。「あれ、なんかこいつ気合うじゃん」お互いこういう感覚が芽生え始めていた。

しかし彼には当時彼女がいた。地元愛知の女の子との遠距離恋愛中。そしてさらに彼はモテた。見ようによっては坂口健太郎さんを少し幼くしたような、今流行りの塩顔マッシュ。留学経験があるからか、もともとの気性なのか、人見知りせず言いたいことは何でも言う、やりたいことは何でもやる、男らしいところもあった。(今思い返せば、気配りのできないただの自己中だった気もする。)

そんな彼からの分かりやすい猛アタックに私はコロッと落ちた。彼は彼女と切れたと言い張っていたが、実際は少し被っていたと思う。いつもは電話がかかってきても私の前でとるのに、時々こそこそと外に出て話すことがあったから。

彼との恋愛は「めちゃめちゃ楽しい」か「めちゃめちゃ辛い」の両極端を行ったり来たりの日々だった。時間の有り余っていた学生時代、旅行は基本的に車で、しかも下道移動だった。朝出発して、マックで朝ごはんをドライブスルー、のんびり、なんでもない話をして5時間かけて山口まで、なんて全然苦じゃなかった。「月に1回旅行しよう」付き合いたての頃なんとなく私が言ったこの言葉を彼はしっかり守ってくれていた。

そんな「ただ優しく男らしい彼」だったらよかったのだが、人生そんなに甘くはないらしい。彼はあまりにも自信過剰で、且つ(私含む)周りの人を大切にしなかった。自分の容姿に自信があるからか、いつも私に「デブ」「ブス」という言葉を投げつける。彼の友達と一緒に飲むこともあったが、友達にすらそういった心ない言葉を遠慮なくぶつけているのを見た時はさすがに驚いた。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉は彼の辞書にはなかった。

喧嘩をすると、彼はいつも決まって大きなため息を吐き、私をひたすらに無視する。一度、イラついていたのとお酒に酔っていたのとで歯止めがきかなかったのか、家にある全身鏡を拳で殴り割ったことがある。血がポタポタと滴る光景に涙が止まらない私に「泣くな、うるせえ!」と怒鳴った彼は、もはや怪物だった。

そんなことをされた時点で別れるべきだったのだろうが、そういった事態の後は必ずギュッと抱いて寝てくれた。(あれ、もしかしてこれってDVの手口…?(笑))それに安心して、まだ大丈夫、明日にはまた楽しい時間を過ごせる、と自分に言い聞かせていた。

そんなこんなを繰り返し、付き合って1年半ほど経った頃、私たちに1度目の別れが訪れる。(「1度目」の真相はまた次回で)

きっかけは、私の生理が遅れたことだった。基本的にほぼ予定通りに生理がきていたのだが、就職して仕事が忙しくなりストレスがたまっていたのか、2週間ほど遅れたことがあった。もちろん避妊はしていたので、妊娠の可能性は低かったが、一応彼に報告した。すると彼は、あからさまに眉をひそめた。私はまだ何も言っていないのに彼は「ごめんけど、もしものことがあったら堕ろしてほしい」そんな心無い言葉を口にした。

私は一瞬、彼が何を言っているのか分からなかった。そして理解したと同時に涙と怒りが湧いてきた。そんなことが言いたかったんじゃない、そんなことを言ってほしかったわけじゃない。予防線のように口をついて出たのかもしれないが、そんな簡単に堕ろすという言葉を使ってほしくなかった。

私たちは今までにないほどの大喧嘩の末、結局お互い言いたいことが伝わらず、別れるという道を選ぶことになった。

***

次回に続く。






泣いたり笑ったりして喜びます。