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【孫子の兵法・その11】〜「勝算が多ければ勝ち、勝算が少なければ勝てない」〜この見通しを立てることは容易ではない。

勝てそうか、負けそうか。戦力が互角でない限り、それは開戦前に決まっています。いや、実力が伯仲していても、勝算を多く得られるタイミングというものがあります。


指導者の役割とは、戦う前に勝算をよく観て、決断を下すことである。

開戦の前に、祖先の霊廟で算略会議が開かれる。
そこで勝利の見通しが立てられるのは、勝算を多く得ているからだ。

反対に開戦前の会議で勝利の見通しが立たないのは、勝算が少ないからだ。

勝算が多ければ勝ち、勝算が少なければ勝てない。ましてや勝算が全く無いとなれば勝てるはずがない。

私は【勝算を観て、勝敗を明らかに知る】のである。

《孫子・計篇その五》

※原文のキーワード
祖先の霊廟での算略会議…「廟算」、勝利の見通し…「勝」、勝算…「算」、明らかに知る…「見」

古代のチャイナでは、開戦・出兵の前に、王の祖先の霊廟で会議が開かれました。それを「廟算」と言います。「廟」は霊廟や宗廟の廟で先祖を祀る社、「算」は算略や算画の算で【計略】のことです。

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これからお届けする【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりません。 そこで、noteの『定期購読マガジン』機能を活用して記事を配信させていただきます。2年間で読み切っていただけるように鋭意努力して参りますが、月4本は必ず配信させていただく所存です。 どうぞよろしくお願いいたします。

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっている…

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