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フリーランス妊婦、扶養申請をする

※こちらはあくまで私の体験談です。

盛大な出オチからはじまったわけですが。
そうです。扶養申請落ちました。ちなみに私が申請したのは、「社会保険の扶養」。年収130万円の壁といわれるやつです。

いや~、やっぱりフリーランスが扶養に入るって難しいのね。ダメ元なのは分かっていたけれど、やっぱり困る。

このnoteでは、私が扶養に入ろうと思った経緯や申請の流れ、そして不認定の理由を赤裸々に語ります。フリーランスの扶養に関する情報は少ないから、ためになると思う!あくまで私のケース、すなわち夫の健康保険組合のケースであり、すべての人に当てはまるものではないので参考程度に。


扶養に入ろうと思った理由

これはね、妊娠発覚に尽きまる。私の場合、もともとうつ病もあってか、ホルモンバランスの変化で全然集中力がもたなくなって。時間はあるけれども、働けない状況になった。今後精神状態が落ち着いたとしても、子どもを抱えながらだと収入が減るのは明確だった。

そんなときに追い打ちをかけるように届いたのが、国保の請求書たち。高すぎ!!!

それまで会社員時代の保険を任意継続していたので、まじで目ん玉ひんむきました。国保って本当に高い。もちろん収入が減れば保険料だって下がるわけだけど、この負担は痛すぎる。

急いで、「フリーランス 扶養」で検索した。

フリーランスの扶養は難しいらしい

冒頭にも書いたように、フリーランスの扶養の情報はほぼなかった。だが社会保険の扶養の基準は130万円とのこと。妊娠発覚が7月だったので今年度単位で考えると厳しいけれども、申請時より向こう1年間の(見込み)収入で判断するとのこと。(この辺りも健保によるかも)であればこの基準は満たせるはずだ。

とはいえ「フリーランス」の情報はほとんどなかったので、念のため、税理士さんに確認してみることにした。

すると返ってきたのは、辛すぎる回答。

「今の林さんだと、厳しいと思います」

理由は、私の過去の年間収入。フリーランス過去2年の収入は、130万円を越えているから。

・・・・・・・・・・・いや、そりゃそうだ。

これから年収が下がるから、扶養の申請をするんだけど。

税理士さんいわく、フリーランスの扶養認定は、加入したい健康保険組合にもよるが、相当難しいのこと。私のように過去の収入がそれなりにあると、ほぼ不可能みたい。

ではどうしたら扶養に入れるのか。税理士さんいわく、「廃業届を提出しないと扶養認定がおりないところもある。林さんの場合は、今年分の確定申告を130万円までに抑えれば可能性はあるかも」とのこと。結局、それぞれの組合次第だから明確な基準はないようだ。

世知辛い。けれども「組合次第」というからには試してみない手はない。私はダメ元で、扶養申請チャレンジをした。

扶養申請チャレンジ!

てなわけで夫の健康保険組合に申請してみました。
はじめに必要だったのは住民票など。
申請書は結構煩雑で、過去の年収とかいろいろ書いた。
ちなみに申請理由はしっかり「出産と持病のため」と書いた。過去ではなくて、未来の収入を見てほしいとの思いから。

2週間くらいして、健保から追加書類の提出の連絡が。
確定申告を3年分と所得税の報告書を出してほしいとのこと。そりゃ、フリーランスだから必要だよねと送付。

そして通算約1か月(長すぎてめっちゃストレス溜まったのはまた別の話)。
昨日来た結果は、

不認定通知。

やっぱりか~~~~!!!予想はしていたけれども!!!
ちなみに理由について。

ご提出いただきました確定申告書を元に、奥様の年間収入を計算したところ、年間収入が下記金額となると予想され、扶養認定条件に当てはまらない事が判明しました。

そりゃね、過去2年間は130万円超えていますよ?でもこれから収入が厳しくなるから扶養に入りたいのに!!!!

はじめにも述べたけれど、扶養の認定条件は申請時より向こう1年間の(見込み)収入で判断するんだよね。ならば、私だって認められてもいいはずでは!?

この基準があるから、正社員が退職して専業主婦になるケースは、どれだけ今までの年収が高くても、ほぼ不認定にはならないらしい。ただフリーランスだとそう簡単にはいかないよう。やっぱりフリーランス扶養チャレンジ、壁は高かった。

今回知ったこと、皆に知っていてほしいこと

まあそんなわけで希有な体験をしました。
結果的には落ちたわけだけど、いろいろ学べました。皆さんにもシェアします。

①フリーランスが扶養に入るのは難しい!

まじでこれ。健保の条件を見る限り入れそうに思えるけれども、実際は厳しいです。少なくとも出産や精神疾患は認められなかった。これががんや脳卒中などの大きな病気だったりするとまた違うのかもしれないけれども、試す手段もないのでわからない。単純に「これからの年収130万円以下になるよ~」ってだけでは扶養に入れないみたいです。

②確定申告の経費の考え方は、国税庁と厚生労働省(健保)で異なる。年間130万円の壁は想像より厚いかも。

これね、私めちゃくちゃびっくりしたの。全然知らなかったし、ほとんど情報載っていないと思う。実際、不認定通知できた私の所得と、確定申告上の所得は違っていた。さすがにリアルな数字は出さないけれど、私の場合

税制上の事業収入が扶養上の所得

という結果に。すなわち「経費や控除」は一切差し引かれない、完全な売上が私の扶養上の所得だったのだ。(場合によると思うので、詳しくは税理士さんに相談してください)

個人事業主としてはこの考え方は結構違和感あるよね。経費が認められていないなんて。もし扶養をしながら個人事業主として仕事をする予定の方は、税理士さんに確認してみることをおすすめします。

③なんだかんだで、産休育休ができる会社員は強い

フリーランスになろうか悩んでいる方。もし今後、扶養に入る予定や育児に専念する予定があるならば、会社員を続ける、もしくは退職直後に扶養に入っておくことをおすすめします。自由な働き方を選べる分、お金の面で不自由することも多くあります。安定を求めるならば、フリーランスを選ばない方が無難。

フリーランスはまだまだ荒れ地

正直ね、腹立つよ。会社員は産休や育休として「働けない」ことが認められていて、その期間は賃金の何割かが支給される。対してフリーランスは、出産も育児も関係なく、働かなければ収入は一切ない。絶対会社員の方がいいよね。

「別に扶養なんか入らずに働け!」と思うかもしれない。というより、私自身も妊娠するまでそのつもりだった。育児と仕事をバリバリ両立できるママを目指していた。

でも実際に妊婦になってみて、自分には無理だと気づいた。今まで通り仕事ができないとは思っていたけれども、想像以上に無理。年収130万円とか、仕事を調整するまでもなく無理なのだ。こういうときこそ扶養とか、社会の仕組みに頼りたかったのに、その望みさえも絶たれるとは。

国としては扶養をどんどん減らして働き手を増やしていきたいのはよくわかる。私も「働けるやつは働け」と思うタイプなので、「年収○万円の壁」に踊らされて仕事を減らすのは本末転倒だという認識に相違ない。ただ、働けない人にはそれなりに手を差し伸べてくれないかなあと思うわけですよ。


まあ愚痴っても仕方ないので。無理しない程度に働いて、保険料ちゃんと納めます。

あああ、100億円くらい降ってこないかなあ。





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