犯人はヤス、-終焉-|あとがき|神話
この度は、ミステリー小説『犯人はヤス、-終焉-』を読んでいただきありがとうございました。
『犯人はヤス、-終焉-』も、前作『犯人はヤス、』同様、スマホ一台で書き下ろした作品です。
この小説は、私が、『神話ミステリー』に挑戦した作品でもあります。
『犯人はヤス、』
『犯人はヤス、-終焉-』
シリーズを通じて、日本に伝わる神話『日本神話』の要素を、随所に散りばめています。
日本という国が出来る前、高天原という神々の住む場所『天界』がありました。
ある時、伊弉諾と伊邪那美という男女二神が、国作りを命じられ、『天の沼矛』という矛を授かります。
その矛を、海中へおろし、掻き回すと、大きな島が現れました。
その後、同じように、八つの島を産みおろし『大八島国』が誕生します。
これが、日本国の始まりです。
その後、伊邪那美は三神の子を産みます。
左目から、天照大神。
右目から、月詠命。
鼻から、須佐之男命。
それぞれに力を与え、国作りが始まります。
伊邪那美は、その後も、山・家・海・水・木の神を産みます。最後に火の神が生まれてきたとき、彼女は大火傷を負い、死んでしまいます。
『日本神話』の物語と『犯人はヤス、』の世界観を織り交ぜて、物語を構成しています。
この物語の背景にあるのは、『日本の新たな国作り』です。
中島安の父と母が、伊弉諾と伊邪那美。
その二人から生まれた安が、天照大神。
つまり、三人とも、神の生まれ変わり。
前作『犯人はヤス、』では、イナンナも、安の父と母二人から誕生した子どものような存在でした。
つまり、イナンナは『もう一つの天照大神』。
「どちらかの思考が、日本の運命を左右する」
「もし、イナンナの思考がこれから主流となっていたら……」
『犯人はヤス、』では、私たちが今置かれている時代背景、つまり、あらゆるものがAI化していく未来とリンクさせながら、書いています。
共感できる部分もあったのではないでしょうか。
日本神話に出てくる神々の性格とオリジナルストーリーをリンクさせたのが、『犯人はヤス、』です。
ちなみに、悪役となった文屋長官は、日本神話に出てくる『須佐之男命』をモデルにしています。
そして、もう一つ。
この物語には、「人間本来の自由意思こそが運命を変えれる」という想いが込められています。
本編では書いていませんが、主人公の日野悟は、能力に影響を受けない『無』であり、AIや神によるコントロールに逆らえる唯一の存在です。
これらの背景を踏まえて、読んでもらえると、また違った景色が見えてくるのではないかと思います。
『犯人はヤス、』は、これで完結です。
今後も、新たな小説を生み出し、皆さんにお届けしてまいりますので、引き続き、読みに来ていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました🌈
ミステリー小説
『犯人はヤス、-終焉-』
10/9(月・祝)~10/29(日)
全20話(1話あたり約3000字)
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