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早坂 渚 🌈
2023年10月29日 13:00
この度は、ミステリー小説『犯人はヤス、-終焉-』を読んでいただきありがとうございました。『犯人はヤス、-終焉-』も、前作『犯人はヤス、』同様、スマホ一台で書き下ろした作品です。この小説は、私が、『神話ミステリー』に挑戦した作品でもあります。『犯人はヤス、』『犯人はヤス、-終焉-』シリーズを通じて、日本に伝わる神話『日本神話』の要素を、随所に散りばめています。 日本という国が
2023年10月28日 13:00
サヤの悲鳴も虚しく、悟と安は、神楽の舞台から落ちていく。4階建て相当の高さから、落下する二人。ほんの数秒間、走馬灯のように、今までの安の人生が映し出される。 安には、隠された能力があった。それは、幼い頃から。能力があることをひた隠しにしながら、普通の生活を送っていた安。そんな彼に、転機が訪れた。それが、ミノとの出会い。彼女が、自分に能力があることをカミングアウトし
2023年10月27日 13:00
5年前の春留神社祭り。この祭りにすべての意味が込められていた。春留神社は、元々神が祀られていた場所ではなく、闇神が封じられていた場所。それが時代とともに風化し、闇神を隠すようになっていった。 その過程で生まれたのが、春留神社祭りだった。文屋長官が持つ古文書では、春留神社祭りで神輿に乗せられた者が、未来の創造主となる定め。二柱の神さまが神輿に担がれ、どちらかが真の創造主になる
2023年10月26日 13:00
神楽の中では、炎が次々と襲い掛かってくる。その炎の中を迷うことなく走り抜ける安。安の後を追う悟。今、救えるのは、母親かサヤのどちらか。離れた神楽にいる二人を助け出すためには、安と悟がそれぞれ、別の神楽を選択するしかなかった。降りかかる炎をものともせず、階段を駆け上がっていく安。悟は、安を見失った。安が向かった方向を探るために、建屋の周りを見渡すが、炎に視界を遮られており
2023年10月25日 13:00
鎌倉時代から続いていた、都を移す歴史。平安京へ都を移した年は、三人の能力者が生まれた年でもあった。古代につくられた都は、いずれも短命。平安京が長く続いた要因は、この三人の能力者にあるといわれている。 松明で囲まれた広い庭。そこに、二つの神楽の舞台が、左右対称に建てられている。4階建て相当の木製の高床式神楽が二つ。左の神楽には『伊弉諾』、右の神楽には『天照』の文字があし
2023年10月24日 13:00
荒れ狂う世界。全てが、文屋長官の思い通りに進もうとしていた。反転した世界。それは、単なる化学テロではない。神が、人間に託した世界。この世界が、ずっと続く事など、最初から神は求めていない。 神の意思を能力者たちが読み解き、記述にしたのが、三つの書『古文書』『古事記』『巻物』。これらは、それぞれ別の人間が読み解いた書物である。神の意思とはいえ、これらの書に書かれている
2023年10月23日 13:00
「意味が繋がるように、文字起こし出来たな」「それにしてもこの文章……どう読んでも、日本神話と変わらない気がしますが……」「いや、何かあるはずなんだ、何かが……」古谷警部と蓮による、古谷家から安が持ち出した巻物の解読が終わった。「まぁ、ここからが本番だ。古谷家の巻物に書かれている神話と三輪家に伝わる古文書、この二つの内容と、現在までに起きた出来事を照らし合わせなければならない。文屋家
2023年10月22日 13:00
銃声が鳴った。悟が振り返ると、フードの男がうつ伏せの状態で倒れていた。「安!!!!」フードの中から、安の顔が見えた。警察官たちへ発砲しながら、安のもとへ向かう。すると、一台のパトカーが歩道橋から現れた。銃を構える悟。「悟! 俺だ! 乗れ!」運転席から顔を出しているのは、連だった。理解が追い付かず、銃を向けたまま動かない悟。その目からは、薄っすら涙が流れていた。
2023年10月21日 13:00
(安を助けるためには、サヤを信じて飛び移るしかない)二人の警察官に拳銃を突きつけたまま、悟は意を決して、隣のアパートへ飛び移った。着地してすぐ、警察官に近寄る。すると、煙幕が投下され、悟は煙に包まれた。視界を奪われた悟は、しゃがみ込みながら、煙の外に逃げる。足音が聞こえる方向へ走る悟。一人は、すでに屋上から降りていた。もう一人は、ちょうど降りようとしているところだった。
2023年10月20日 13:00
スクリーンに、三輪家に伝わる古文書が映し出された。綴り字で書かれている。ただ、虫に食われているのか、所々穴が空いており、その部分は何が書いてあるか分からない。[二十三ノ神柱が現れ表裏が変革する日……][……三つの透視が重なり合い一つの神へと新たに宿される]所々空白があるいくつかの古文書。この古文書が、三輪家に伝わる予言書の大元となる書物であった。 「文屋長官が来られま
2023年10月19日 13:00
「みんな、協力してくれ! 赤と橋本は、思考テロの解析を頼む。さおりさんは、三家の秘密を探ってくれ」「分かりました。管理人を使い、保管庫にある書物を調査します」「蓮は、安が持っていった古谷家の巻物の在処をつかんでほしい」タバコに火をつける蓮。「最後に悟、お前は安を捕まえろ。それから、俺たちと合流だ。いいな」「……」「返事!」「は、はい! 分かりました」的確な采配を瞬時
2023年10月18日 13:00
「私はお邪魔ね。飲み物でも準備してくるから、みんなで話して」ママが遠慮して席を外し、キッチンへ向かう。チームのメンバーとサヤによる秘密の会議が始まった。「サヤ、君は何を今まで見てきたのか、どこにいたのか、出来るだけ詳しく話してほしい。これから、みんなの意見も踏まえて、今後どうしていくべきか話し合いたい。まずは、5年前のあの日、何があったんだ?」5年前の事件について、サヤが話し始めた
2023年10月17日 13:00
「蓮さん、生きてたんですね!」「お前らこそ! ママ、迷惑かけてすまない」「ホントよ! あとで、きっちり請求するから」助手席には、地味な服装をした女性が座っている。その女性が振り返り、鋭い目線で悟を睨みつける。「三輪警部補! よかった。無事だったんですね」「当たり前だ。私としたことが……5年も記憶を失っていたとは……情けない」ショックを隠しきれない三輪警部補。「三輪警部補
2023年10月16日 13:00
サヤは、安を誘導しながら秘密を探り、悟にも同じ道を誘導していた。春留神社の床下にメダルを置き、名港水族館の裏口に侵入。そこから、安に指示を出すために、電車に忍ばせていたスマホに電話。しかし、安がスマホを手にする前に、電車は脱線。安を、安全に逃がすために、電光掲示板を操作したのだ。そして、地下水路から悟が来るのを予知していたサヤは、はしごにメダルを置き、パトカーをあらかじめ準備。ナビを操