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夏の終り


蝉のなき声に
浮かんでくるI was born
鏡の女は知らない顔
罪悪感がない、それが罪

欠けていれば埋めたくなる性
私は思うの
私の勝手だと

虫刺され、
治る頃にまたおいで。
あのひとの掠れた声
証は残らないように消して

あおむけの蝉
刹那に溺れたらあとは死ぬだけ
あなたの事情に知らない顔
どうか誰でもない男でいて

やけた肌にあの日と同じ疼き
巡る夏にあの人の面影

傷あと、
可哀想な僕の君。
どこかで誰かが泣いていても
飛んで火に入る夏の虫
あなたにさわられたくて泣いてる

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