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かわいい家紋。|梅紋 その①

はじめに


実は家紋が好きで…」こういうと、ちょっと年寄りくさいなぁ、流行りの刀女子ってやつ?って思う方もいらっしゃるかもしれません。
が、端的に言って「家紋めちゃくちゃ可愛い!!!」と思っている私が、私なりの家紋推しポイントをまとめて行きたいと思います。

今回取り上げるのは「梅紋

家紋としての種類も多く、沢山の氏で使われているとってもポピュラーな紋の一つである梅紋。どちらかというと家紋としてではなく、和風なグラフィックやパッケージなどのデザインとして目にすることが多いかもしれませんね。

「雅な」とか「しっとり」というより「はんなり」なんて言葉が似合いそうなコロンとした愛らしいデザイン。私もとても好きでジュエリーのモチーフとしても長く作り続けています。

(ハヤカワはジュエリーを専門にした陶芸作家でNolismというブランドをやっています)

まずは分類してみた

そんな梅紋、最初に種類が多いとかきましたがざっくり100種類超の家紋が存在します。
いくつかピックアップしてざっくり分類してみました。

※専門知識のない素人による見解です

多くの方が想像するザ・梅!なデザインから、これが家紋なの?というような変わり種まで。全て家紋です。

見た目だけでもどえらい違いです。そしてかわいい。そのままアクセサリーにしたりハンカチなんかの柄であっても良くないですか?(買います)
繰り返しになりますが、全て家紋です。
紋付のお着物やらお提灯なんかに入ってたやつなんです。

おそらく成り立ちとか由来とか家の繋がりで分類するのが紋章学なり民俗学なり的には正しいのでしょうけど、今回はビジュアル的な視点での分類です。

今回の分類についてもう少し詳しく書いていきます。

①代表的なやつ(梅・梅鉢)


ハヤカワは「梅鉢」という字面を見るといつもすり鉢が頭の片隅に発生します


最初に梅紋といえば!な2種「梅紋」「梅鉢(うめばち)紋」。
変わり種を除けば、この2種をベースとしたデザインに大きく分類できます。

どちらも梅の花を象ったデザインですが、花びらと愕(がく)の接続部分の処理、そしておしべとめしべのある花芯部分のデザインに違いがあります。

どちらかというと写実的なのが「梅紋」
ややデフォルメされているのが「梅鉢紋」という印象でしょうか。
何かのパッケージなんかでよく見るのは梅紋が多いですね。
つまみ細工のお花みたいなふっくらした花びらを連想させてくぁああいいい
(おもわず心からの声)です。

②その仲間たち(梅鉢系列)


丸い花びらと花芯のデザインに共通点が。


基本の1つ「梅鉢紋」を発展させた形。
花びら部分が正円形がベースになっている点と、中央の部分が10+1個のパーツから成っている点が共通しています。
この系列の中でもちょっと変わった展開をした3つを取り上げてみました。

「加賀梅鉢紋」は花びらとおしべの部分が一緒になって、開ききった時の梅の花のようなデザインになっています。
完全私見なのですが、なんかロボっぽくないですか
(なんで「加賀」梅鉢なのかとかいう解説はしません!気になる方は沢山解説ページがあると思うので調べてみてください!)

「花付き梅鉢紋」は梅の花をあらわしていたはずがいつの間にか蕾が生えちゃった!?というなんともお茶目な家紋です。
異議は認めません。この子はお茶目さんです。
生えちゃったのが蕾(か花か)なら、花びらだった5つの〇は何なのだ?というのが疑問ですが、花の近くにはだいたい蕾あるでしょ。
きっとそういうことです。

「剣梅鉢紋」はおしべ部分の5枚が長く伸びて「愕(がく)」のようになったデザイン。この上が伸びた菱型のような独特なフォルムが「剣」の部分なのですが、他の家紋でもこの剣が付くデザインというのが沢山でてきます。
覚えておいてもテストには出ませんが、軽くアハ体験があるかも。

剣という名前も相まって海外の紋章のような凛々しいデザインです。
うーん、燻し銀のピンブローチとかにしたらかっこよさそう!

③お花なやつら(写実系)


なんか名前まで可愛く思えてきました

おそらく基本の「梅紋」から派生していったのではないかと思っているのですが、梅の花の形を再現したような家紋たちです。
わかりやすいものを3種選出したのですが、なんか名前の付け方も似てる。
はんなりって感じがしてかわいい…

「重ね梅」は花びらの重なりに着目したデザイン。
梅の品種にはあまり詳しくないのですが、実際このようにらせん状に花びらが重なった花は比較的よく見かける気がします。
品種というより個々の花の違いだったり、風とかいろいろな条件でたまたまこのように見えている可能性もありますが…
お客様の中に有識者の方がいらっしゃったら是非ご教授をお願い致します(アナウンス)
お皿の絵付けなんかでもよく見かけるデザインです。

「向う梅」は正面から見た花のシルエットに花芯の部分を精密に描写したデザイン。放射状の雄しべがとても繊細な印象です。中央の「〇」はデザイン的な「〇」にも思えますが、個人的には雄しべより大きな雌しべを真上から見た形なのかな~と解釈しています。
Nolismの梅モチーフでも少しアレンジしてこの家紋を使っています!

イッチンで描くことも踏まえ雄しべのデザインを簡略化しています

花芯の部分が星のようにも見えて、やや可愛い寄りの雰囲気になるのが気に入っています。

「匂ひ梅」は梅の花を斜め下から見た形を再現しています。
下部の2枚の花びらの形だったり、上部と下部の花びらの形や大きさの比率が異なっていたり、雄しべ部分が約半分隠れる形になっているのは、
斜め下から見てるので隠れて見えないのよ~ってことです。

これ調べる前、雄しべのところが扇状に広がっているのを「香りがふぁ~~っと立ち広がってる様子を表してるのかなぁ…?」などとめちゃ勘違いしてました。
だったらなんで「匂ひ」梅なのよ!?とも思いますが、ともあれ調べるのは大事。おかげでまた一つ賢くなりました。

続きは次記事へ


まだ自分で分類したうちの3つしか取り上げてないのですが、愛が溢れすぎて爆裂長くなってきたのでここいらで一区切りにしようと思います。

次記事はこちら↓

こちらも是非読んで梅紋への愛を深めてください!

最後に宣伝なのですが、梅紋をモチーフにしたNolismのやきものジュエリー
「【陶器】紋-mon- 和なリング 梅|やきものジュエリー」が
minneの「新作大集合!SPRING COLOR ITEMS」特集に掲載されています。

ありがたいことに4/5配信のメルマガにも載せていただいたようです。

いつでもどこでも手元で梅紋を愛でられる最高なやつです。
和風が好きな方も、そうでない方も是非是非チェックしてください!!
いいね!やSNSでシェアしていただければ、ハヤカワのやる気とテンションがMAXになるので次記事の執筆が進みそうです。
どうぞよろしくお願いします!!

参考資料

京都紋章工芸協同組合 一般財団法人 京染会「平安紋鑑(令和改訂版)」/赤々舎 
杉本 惇「別冊歴史読本 日本の家紋七〇〇〇」/ 新人物往来社
家紋データ:発光大王堂 http://hakko-daiodo.com/main-0


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