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磐田戦プレビュー~変貌を遂げたジュビロ。新生山雅は進化を見せれるか?~

似た状況に置かれた両チーム。浮上するのは…

6戦勝利なし、新体制後も勝利がなかった中でアウェイ山形戦で3-1と結果を残し、補強期間で佐藤和弘の加入も発表されるなどいい形で1週間の準備を行うことができた柴田山雅(さらに前節不在の選手の姿もちらほら…)。

しかし、順位表を見ると20位台から抜け出せておらず、監督人事もふわっとしたままの不安定な状態ではある。ホームでは大敗した琉球戦の後、金沢にも敗戦しているのでそろそろアルウィンでも勝ちが欲しいところ。連戦もまだないのがなかなか波に乗り切れない要因としてあるので前節の良い流れに今度こそ乗っていきたい。

そんな今節の対戦相手はさらに解任直後の状態にある名門・ジュビロ磐田。置かれている状態は全チームの中で一番似ており、まずは戦い方の構築、選手のメンタルの整理をしながら結果も求められることになってくる

その状況でどうすれば磐田を相手に優位に戦えるか。前回対戦も振り返りつつ、展望と磐田対策をまとめていきたい。

■前半戦の対戦

⇧前回の振り返り

前回

⇧メンバー

点差は1-2だがそれ以上の差があったゲームに感じた。スローインからの一瞬のスキを突いて高橋のアーリークロス→鈴木の技ありヘッドでゴールを決めた(ちなみに2試合前のレノファ戦でも似たような形から小松蓮に決めている)が全く動じることのなかった磐田は大森のゴラッソで7分後に同点。さらにその10分後に乾→大野間のパスを狙われ、そこから得たPKを小川航に沈められ、逆転。後半は守備を修正、さらに前・久保田・米原・鈴木の中盤とイズマ・アウグストの2シャドーを中心にゴールに迫ったがゴールは奪えず。そのまま1-2での敗戦となった。

■前回との違い

磐田は現在3連敗中。去年途中から就任したフベロ監督が解任となり、鈴木政一監督・服部年宏コーチというOB組が就任。言うまでもなく、監督解任からまだ2試合目というのは最大の違い。サッカーの内容もガラッと変わっている。

レビューを書いてて1、2を争うほど楽しめた1フベ将ファンからすると途中解任というのは残念な結果でしかないが、前回の試合は完成度的にかなり差があったので"純粋に試合に勝つこと"を考えたら巡り合わせとしてはラッキーなのかもしれない。

前回対戦では上原を中心とした後ろからの左右揺さぶりに苦労し、バランスが崩れたところで2トップ・大森の個に蹂躙されるというシーンが多かったが、前節を見る限り守備ではボールサイドに人数をかけ、縦に早いサッカーに切り替わった。選手間の距離は配置より運動量で埋めようとしている。前回のようにひたすら回されてプレスも無効化される時間は格段に減るが、トラジション(攻守の切り替え時)勝負になってくることが予想される。

■注目選手

注目選手には前回は上原をあげたが、今回は未知数ではあってもガンバ大阪から期限付き移籍した遠藤の存在は無視できない。

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山雅の解任とは違って「ここからの逆転昇格を目指す」意味合いが強い磐田は同時に遠藤の加入も報道された。シーズン終了後に戻る可能性が高いことを踏まえても、フベロ監督を切ってでも迎え入れたい"この半年間の超即戦力"と考えての加入なはず。いきなり先発でも全く驚かないし、数々の報道を見るとそのほうが自然かもしれない。出てくるならDHかトップ下だと思うが、とにかくシステムが機能するまでの時間は与えたくない。遠藤がアジャストする前に先手を取りにいくのが賢明だろう。

■予想スタメン

スタメン

<ベンチ>圍・浦田・山本真・佐藤・中美・鈴木・服部

両チーム前節のメンバーをベースに考えた。大野・橋内・常田+米原は新体制では固定スタメン。牙城を崩すとしたら浦田か。中盤の構成は出し手となる上原や遠藤の存在を考慮して藤田は固そう、後は前貴之のポジションによって組み合わせは変わってくる。前線も最前線は阪野、下がり目でセルジ。ジャエルの復帰があれば頼もしいが……。

全体的な話では前回対戦で不在だったセルジ・杉本・橋内が攻守のカギになりそう。大野は前回のリベンジを果たしたい。TMが組めない状況なので佐藤のいきなりのベンチ入りもありそう。

磐田もルキアンやルリーニャの個は怖いが、前者はサイドに流れる傾向がある点、後者は守備面、そして生命線となる遠藤との意思疎通の面でも小川、中野をスタートにすると見た。遠藤が入ることでDHはムサエフや1列あげて今野が入ってくる可能性も。

■磐田戦のポイント

ポイント①ホットライン開通を阻止しろ

フベロ体制では小川・ルキアンの2トップに押し込まれ、ラインを押し下げられることで、そこを起点にされて周りが空くという悪循環に陥っていたが、鈴木体制になっても2トップの個の力が脅威になっているところは変わらない。

ただ前回対戦からの違いでいうと「シンプルな縦パス1本」「ネガトラ時」の勝負になることがほとんどので予測と対策はしやすい。

縦狙い

⬆中でも気を付けたいのはアンカー脇を使った攻略。山雅が前節の守り方でいくなら京都ほど1DHになることは少ないとは思うが、磐田の方も遠藤が入ることでより中盤の選手が捕まえにくくなることは考えられる。上原も周りと連動して攻めあがってくるのはうまい。

人につくのは守備の基本としてあるのだが、最優先は縦パスを出させない、もしくは遅らせること。そして最終ラインは相手の最低1枚、多い時は2トップが両方裏を狙っているため、大野常田はチャレンジ、橋内は裏カバーの形を徹底したい。(純粋な走り合いなら橋内に分があるはず……)

ポイント②サイドの守備網を回避!幅を使った組み立てを

守備のやり方もかなり変わった。磐田サポさん達の言葉を借りるなら「ボールサイドの人海守備」。サイドに入ったタイミングで人数をかけて囲みに来る⇩

サイド

京都はIHが最終ライン付近まで下りてきてST仙道に入れたところで囲まれるシーンが目立った(画像でいう常田役がIH、杉本役が仙道)が大事なことは相手の人海に合わせるのではなく、人海の外にいる選手を使っていなしていくことになってくる。特に逆サイドは捨てていると言っても過言ではない。

京都も3VS5で囲おうとする磐田に対して⇩

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スルーに近いフリックで後ろに流し、ボールを奪いに来る相手を無力化⇩

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後ろのウタカと2対1を作るという機転を利かせた攻撃でこの守備網を突破している。

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ちなみにこの攻撃では絡まなかったが、逆サイドもかなりフリーになっている。

前回対戦時に長年人海守備をやってきた山雅が幅・深さを使う磐田に苦しめられたことからは考えられないが、今回は山雅が最近着手しつつある幅を使った攻撃を行いながら磐田の守備網を突破していきたい

ポイント③中盤の消耗戦

ポイント①②のように縦に早い攻撃、ボールサイド寄せの守備にスタイルを変えたことで、磐田は主に中盤の消耗が激しくなった

しかし、それは山雅側にも言えることで山形戦の戦いを継続するならばIHは引き続きかなりのハードワークが求められることになるだろう。天気も不安で、ピッチ状態が優れないとなると尚更消耗戦のゲームになるかもしれない。

橋内や高橋のコンディションが整ってきたのは朗報であるが、できるだけ戦術面以外での交代カードを使うことなく、山本真や佐藤和のような途中からゲームをコントロールできる選手たちを有効に使えるようなゲーム展開にしていきたい。

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プレビューは以上です。

ともに降格組で、結果が出ず、監督交代に踏み切ることになった両チーム。その思惑やその後の路線は全く違うようにも感じますが、注目度の高さもあってここを取れるか取れないかはお互いの今後の士気を大きく左右しそうな気がします。

そして山雅側からすると前半戦でインパクトのある負け方をした(と個人的には思っている)相手にアルウィンではやり返したい気持ちが強いです。大野を始めとした若手中心にここ数か月の進化を見せられる試合にしてほしいと願っています。Onesou1!

END

(画像は松本山雅公式、ジュビロ磐田公式、footballzoneより)





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