見出し画像

ライバルチームを考える~改革・変化の5チーム~

ここまで優勝候補・上位候補を考えてきたこのシリーズ。
ここからは予想順位関係なしに各チームを考えていきたいと思うが、今回は『改革』のシーズンになりそうな5チーム。『改革』と一言で言っても例えば"監督交代"であったり、"選手の大量入れ替え"や"スタイルのアップデート"であったりと様々。

いずれも新たな挑戦なので成熟度では劣ることになるが、ダークホースとしての躍動や意外な伏兵の台頭など、良い意味でも悪い意味でも読めないチームになってくる。新たな取り組みをしていることで注目をすでに集めているチームも多い。今回はその変化を中心に考えていきたい。

(こちらの事情だが、残りは15チームを3チーム×5回だとどう考えても間に合わないので急遽簡略化して5チーム×3回にしてやっていきたいと思う)

■レノファ山口

◆監督:霜田正浩→渡邉晋

◆主なIN:渡辺博、佐藤謙、高木大、島屋、岸田など

◆主なOUT:高、イウリ、吉濱、田中パ、武岡など

◆勝手に予想布陣

山口

◆今年の展望

去年は最下位。本来ならば降格候補筆頭になってもおかしくない立場だったが、"山口の路線を継続する際にこの上ない新監督の招聘"と"歴代最高と言ってもいい充実のオフ"にすることに成功、下馬評は高い。「2年で昇格」という目標を掲げているチームにおいて、1年目である程度の下地を作るのに十分目標達成の現実味があるメンバーが今年は集まっている。

また開幕戦の相手として考えると(記事を書くにあたっては最低限情報を集めているつもりだが)情報がほとんど漏れておらず、仙台時代の3バックなのか?元々やろうとしていた4バックなのか?すらも分からないため、非常にやりづらい相手といきなり戦わなければならなくなった。

シーズンを通してキーになりそうなのは小松。元々フリーランと絶妙なポジショニングを取って相手を困らせるプレーは得意としているため、渡邉監督の哲学をいち早く体現出来れば西村拓真のように一気に化ける可能性は高い。J1級に化けて欲しいような程々にして欲しいような複雑なところである……笑

------------------------------------------------------------------

■大宮アルディージャ

◆監督:高木琢也→岩瀬健

◆主なIN:馬渡、中野誠、櫛引、松田詠、松本大など

◆主なOUT:イッペイ、富山、戸島、嶋田、近藤など

◆勝手に予想布陣

大宮

◆今年の展望

優勝候補にまであげられていた昨季は怪我人の影響などもあり、まさかの15位。J2で昇格請負人とまで言われた高木監督に見切りをつけ、大分のヘッドコーチを務めていた岩瀬コーチにシフトする形になった。監督経験は柏での2カ月のみなのでどういうスタイルのチームになるか、実際にそれでうまくやっていけるのかは未知な部分が多いが、理論を次々と叩きこんでいくタイプの監督のようなので選手へのアプローチは高木体勢から真逆と言っていいほど変わってきそう。

資金面ではJ2の中でも間違いなく今年も上位で、ユースの選手も次々とプロに送り込んでいるため、比較的コロナ禍でもやりくりには苦労しないチームなのも今年は有効利用したいところ。その点ではオフの補強は大人しいようにも感じるが、元々所属する選手の実力も十分あるので活きの良い若手でチームの底上げを試みつつ、まずはスタイル構築の1年になりそうか。松田や奥抜、矢島らの成長次第では怖い存在にもなりうる。

--------------------------------------------------------

■愛媛FC

◆監督:川井健太→和泉 茂徳

◆主なIN:秋元、近藤、浦田、内田、前田凌など

◆主なOUT:長沼、山崎浩、有田、丹羽、渡邊一など

◆勝手に予想布陣

愛媛

◆今年の展望

ワースト2に沈み、山口同様に降格候補筆頭の位置になった愛媛もテコ入れを図るべく、新監督を招聘。挑戦的なポゼッションスタイルを掲げていた川井監督も十分可能性を感じさせるサッカーをしていたが、それに適した選手を集めるのが難しい状況にあるチームにとって、少しでも"残留"の可能性を高めることは当然の選択だったのかもしれない。

"程度"は実際に見ていかなければ分からないものの、よりオーソドックスな形で貪欲に勝ち点を拾っていけるようなサッカーに転換していくのはほぼ確実で、今のところの最大の強みは「スタートから割り切った戦いができる」点ではないかと個人的には思う。編成的にもJ2で戦い慣れているベテランも多く加え、メンタル面での不安もそれほどない。その"下馬評が低いが故のメンタリティ"がうまくハマれば「番狂わせ」「上位いじめ」を多く起こせる厄介なチームへと変貌していく。

-----------------------------------------------------------------

■ギラヴァンツ北九州

◆監督:小林 伸二

◆主なIN:藤谷、六平、富山、前川、吉丸など

◆主なOUT:ディサロ、永井堅、町野、國分、加藤弘など

◆勝手に予想布陣

北九州

◆今年の展望

去年は昇格1年目からJ2に旋風を巻き起こした北九州も今オフは徹底的に主力を抜かれていき、"変化せざるをえなかった"チームとなった。躍動したチームがその年のオフに草刈り場のようになるのはオフの恒例にもなっているものの、北九州の場合はそれほど悲惨な状態にはなっていない。

例えば加入選手を見ると、藤谷は世代別常連のエリート中のエリート。前川もセレッソでトップ昇格して徳島でレギュラーを経験したこともある有望株で、ポテンシャルや前評判でいうと退団した選手よりむしろ上。
六平や富山のような経験豊富な選手も加えられたことで編成バランス的にも良くなっている。

そして去年から特定の選手に依存していなかったのも大きい。國分→針谷、加藤→六平といったように代わりの目処は立っており、ディサロ町野の2トップの代わりにも即戦力の大卒選手達がレギュラーを争っている。

山雅同様に早期の「選手同士の相互理解」(戦術面は山雅と違ってスムーズだろうが)と唯一水物である「得点面」さえクリアになれば昨季のようなシステマティックなサッカーと順位的な躍動も見えてくる。

---------------------------------------------------------------

■ジェフ千葉

◆監督:尹 晶煥

◆主なIN:鈴木大、サウダーニャ、福満、岩崎、小田逸など

◆主なOUT:クレーベ、為田、鳥海、堀米、佐藤寿など

◆勝手に予想布陣

千葉

◆今年の展望

監督交代もない、選手の入れ替えも例年通りだが、大きくやり方が変わりそうという点では千葉も改革が行われるチームに分類できる。

尹晶煥スタイルといえば自陣ではガッチリと人数をかけて守り、攻撃も極力手数をかけずセットプレーや前の4人で完結させるような「陣形を自ら崩さない」堅守が持ち味だったが、今年は前線から積極的にプレスをかけに行き、「自ら積極的に仕掛けに行く」攻撃的な守備を早々に宣言。

千葉は伝統的に攻撃に厚みがある編成になることが多く、仕掛けに行く分、その持ち前の攻撃力もより高い位置で発揮しやすくなるが、その代わりに守備の穴もできやすくなる。諸刃の剣にもなりかねないテコ入れでもあるが、守備も安定させるためのキーマンとして鈴木大輔も加入させている。攻撃的守備の成功のためには①新外国人・サウダーニャを含めた2トップの追い込み、②鈴木大輔を中心としたDF陣のラインコントロールが鍵を握り、ここの出来次第では昇格争いも降格争いもありうるだろう。

----------------------------------------------------

END

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?