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どうか、この時間を大切に。

五月病って言葉を、最近、私の周りでは聞かなくなった。コロナの影響で外出が減ってリモートが定着したからだろうか。原因を職場だと決めつけて考えてしまったが、休み明けにオフィスに出社する時の憂鬱さったら、本当に…。

思い返すと、そこまでゴールデンウィークに思い出が詰まっているわけではない。夏休みや冬休みの方が、断然良い。

大人になってから長期休暇なんて殆ど取れなかった。1日の終わりが早くて、こんなにも毎日同じことが出来るんだなと退屈するほど、変わり映えしない日々。
大人が退屈すると、大体は学生時代の話をする。あの頃は良かった…の連続。

学生時代、友達が少ないことに加えてインドア派だった私は、夏休みが苦手だった。特に、大学の頃は親元を離れて生活していたこともあり、アルバイトもしていない時期は予定が無ければ本当に何もすることがなかった。いま考えれば、一人でも出掛けることはできるし、色んな経験や体験に挑戦すれば良かったと思うけど、それは大人になって社会人経験を積んだから感じることであって、あの頃の私にそんな考えは微塵も無かった。

何もすることがなく、ただ一人で部屋の中で過ごす1日は、とてつもなく長く感じて嫌だった。世界が狭く感じたし、自分の視野も広くなかったから、ただ生きているだけで電気代とかガス代を使ってしまうことに、すごく落ち込んだことを覚えている。

もしかしたら、その時はメンタル弱めな時期だったのかもしれない。どう考えても落ち込む理由なんて無かったけど、あの頃の私は、1人で部屋にいることすら罪悪感だった。

一歩外に出れば、何か楽しいことがあったのかもしれない。
美味しいご飯屋さんを見つけたかもしれない。
図書館でもいいし、ショッピングでも。
1人で過ごす時間の贅沢さを全く分かっていなかった私に言ってやりたい。

「この時間を大人になれば懐かしむし、
その時間は永遠に戻ってこない。
あなたが過ごすその空間も時間も、
大人になった私がどんなに望んでも戻らない、どんなに求めても手に入らないんだよ」と。

社会人経験を経ていれば別だけど、
やっぱり学生時代は年齢の差はあれど未だまだ子どもだと思う。大人の言ってることなんか理解できない。でも本当に今更どうしようもないけど、今ならすごく分かるし刺さる。

「学生時代の思い出は一生もの」

ただ1人、部屋で無駄に過ごしたあの頃ですら懐かしく戻りたいのだ。

もしこの投稿を目にした学生さんがいるなら、どこの誰だか分かんない奴が書いたことを頭の隅の隅の隅に置いてみてほしい。

いまこの時間を、大切に。
あなたがしたいように、あなたのための時間を過ごしてほしい。

そんなことを思う、夜だった。

お気持ちだけでも嬉しいです。 サポート頂いた分は、主に書籍購入として使わせて頂きます。時折、メンタルケアにも。