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ビジネスメール: 日本語と英語の大きな違い

著者: 六甲茂子(ロコモコ)

最近は週に一度出勤するだけで、残りはリモートで働いています。なので、社内やクライアントの方々達との通信はほとんどがEメールになります。

弁護士への日本語のメールを英語に訳すのは私の役目です。その場合、正確を期すため、一言一句、文字通りに訳さなければなりません。

お世話になります(なっております)/ お疲れ様です

日本のビジネス関係の方々のメールは、その殆どが「お世話になります」(初めての場合)、「お世話になっております」(2回目以降)から始まりますよね。

個人の方からは、「お疲れ様です」から始まる場合も多いです。

これらをどう訳せばいいでしょう? 

“ I hope this email finds you well.”
(お元気でお過ごしのことと存じます。)
がニュアンス的には近いけど、お世話になりますの後に、この言葉が続く場合もあるし。
“Thank you for your continued support.”
(いつもご支援を賜り、ありがとうございます。)
は、ちょっと大袈裟かな?
シンプルなメールの場合は、
“Hello”(こんにちは)が無難かな? 

などと、文脈を見ながら適切な語句を当てはめます。と、言うのは、英語のビジネスメールには、「お世話になります(なっております)/ お疲れ様です」に相当する言葉が無いんです。

今後とも(引き続き)よろしくしくお願いいたします

締め言葉の場合、初めての場合は「今後ともよろしくお願いいたします」、2回目以降は「引き続きよろしくお願いいたします」が使われる場合が多いですよね。

これまた、訳しにくい一文です。

冒頭に使われていない場合は、
“Thank you for your continued support.” (いつもご支援を賜り、ありがとうございます。)
が近いかな。
でも意味的にはもっと軽い場合、
“Thank you again.” (重ねて御礼申し上げます。)かな?
“Please advise.” (アドバイスをお願いします。)が使える場合も。

「よろしくお願いします」は万能な言葉ですが、深い意味を持っていない場合もありますよね。「よろしくどうぞ」などの業界用語しかり。

英文メールはいきなり本題

日本語のビジネスメールは上記のように、

書き出しの決まり言葉
あいさつ
本題
近況や御礼
締め言葉

と言うパターンが殆どですよね。一方英文メールはずっと素っ気なく、最初から本題に切り込みます。

先方の名前
挨拶(HelloかHiなど。無い場合も多い)に続いて即本題へ
締め(Regards など。無い場合も多い)

と言う感じ。改行も少なめです。訳すと、

こんにちは、A様。添付の資料をご確認後、内容が正しければ6ページ目に署名してご返送下さい。質問等ございましたら、いつでもお知らせください。敬具

みたいな感じです。

英語話者の弁護士達のメールを日本語にも訳しているのですが、いつも訳しながら「素っ気なくてすみません」と思っています。

おしなべて、やたら合理的で、無駄がありません。

素っ気ないけど、英文メールは「そのようなもの」だし、日本語のビジネスメールはややまどろっこしい気もするけど、これまた「そのようなもの」なのですよね。文化の違いって面白いです。

ハワイ特有の万能ワード

上で英語のビジネスメールには、「お世話になっております」的な物がないと書きましたが、ハワイ特有の便利ワードがあるんです。

それはALOHAとMAHALO!

ALOHAは親愛の情を伝える挨拶で、冒頭にも末尾にも。

MAHALOは感謝の気持ちを伝える言葉で、締め言葉に最適。

さらに効果的な締め言葉として、ALOHA & MAHALOと入れれば、感謝しつつ親愛の情を伝えると言うことで、そのメールがあたたかく気持ちのこもったものになるかと思います。

普段は合理的なアメリカ風ビジネス界にあって、このようなちょっとしたハワイ特有のあたたかさがすごく好きです。

ハワイの法律事務所として、地元出身の弁護士達のこのような少しだけ柔らかいニュアンスを、翻訳においても上手く伝えられたらな…と日々思っております。

それでは、ハワイからALOHA&MAHALO!

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