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真空調理で目から鱗

著者: 六甲もこ

クリスマス・プレゼントを今頃開けるとは

思い起こすと去年のクリスマス直前、我が家は全員コロナに感染し、夫は比較的軽症だったものの、私は完全復活までに1ヵ月、義母は入院期間も含めて3ヵ月程かかり、クリスマスはもとより、お正月も、バレンタインデーも、全くそれどころじゃなく、その間の記憶もごっそり抜け落ちている状態です。

恥ずかしいことに、クリスマスツリーを片付けたのは3月。たくさんのクリスマス・プレゼントを頂いたのですが、なかなかプレゼントを開ける気力も湧かず、プレゼントをくださった皆様には、本当に申し訳ないことをしてしまいました。

そのプレゼントの中に、Sous Vide調理器がありまして、やっと最近使いだしたのですが、これが本当に凄いのです。

Sous Videを日本語でどう呼ぶのか調べてみたところ、低温調理器や真空調理器とありました。が、この器具自体で真空状態を作り出す事ができるわけではありません。

真空調理の仕組み

真空調理法とは、1979年にフランスで編み出された新しい調理法です。真空パックにした食材をたっぷりの低温のお湯の中に入れ、ゆっくりと調理をすると言うもので、専用の調理器をセットすることで一定の温度を保ってくれ、タイマーで出来上がりを知らせてくれるんです。通常お鍋を火にかけて弱火にしても、一定の温度を保つのは難しいですよね。それが低音調理器を使えば、ずーっと一定の温度が保たれるし、コンロを使う必要も無いので、目を離していても安心なのです。

真空パックの中でゆっくりと低音で調理するから、素材の味が逃げず、しっとりソフトで柔らかい出来上がりになるんです。元々はフォアグラのテリーヌを調理するために考案されたんだそうですよ。

私が真空調理に興味を覚えたのは、ずっと昔、メディアのお仕事をしていた時に、取材で訪ねた某ホテルの食事会で、特別メニューとして出てきたとても柔らかいサーモンを食べた事がきっかけでした。

中までちゃんと火は通っているのに、フォークを入れるとクリームのようで、魚臭さは全くなく驚くほど美味しかったのです。シェフの説明によると、とても低い温度でじっくりと時間をかけて調理するから独特の食感が生まれるとの事でした。

その頃は、真空調理とは高級レストランの厨房の片隅に鎮座している巨大な水槽で行うものと言った感じでした。まだまだ家庭用は一般的では無かったように思います。

その後、次第にお料理番組で見かけるようになり、一般にも普及してきました。昨年の秋頃、親戚の集まりがあった時に、料理好きな夫の従兄弟が、真空調理したステーキの美味しさを熱弁しており、私がその話に熱心に食いついていたのを覚えていた人から、家庭用の真空調理器とバキュームシーラー(真空パック器)をプレゼントしてもらったのでした。

あんなに欲しかったのに、冒頭に書いた事情で、半年以上も寝かせてしまってすみません。

ポークチョップを作ってみました

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我が家の真空調理器は、水筒をちょっと大きくしたぐらいの大きさで、てっぺんに温度設定ボタンとタイマーボタンがあります。大鍋の縁に挟み、ネジで固定して、鍋にたっぷりと水を入れた状態でスイッチを入れると、ウィーンと蚊の鳴くような電子音と共に、水が温まってきます。

そこに真空パックにした食材を、パックごと入れて、ゆっくり長時間調理します。先週末には、ポークチョップを作ってみました。

厚めの豚肉に、塩、胡椒、ニンニク、ハーブ、オリーブオイルを刷り込んで、真空パック(器具を使わなくても、ジップロックでも簡単に真空パックが作れますよ)ごとお湯に入れて1時間。

1時間経ったら、フライパンにバターを溶かして、ポークチョップの両面にこんがり、カリッと焦げ目を付けたら出来上がりです。

我が家を含めハワイでは、ポークチョップをよく作りますが、豚肉には良く火を通さないと…ということで、ついつい焼きすぎてしまって、パサパサになることも多々。

でも真空調理したポークチョップは驚くほど柔らかく肉汁たっぷり。なのに中心までちゃんと火が通っていて、いつものポークチョップとは一味も二味も違うおいしさでした。

付け合わせにはアスパラガス。これまたオリーブオイルと一緒に真空パックにしたアスパラガスを、18分程低温で調理。その後、先程お肉の表面を焼き付けたフライパンでさっと炒め、パルメザンチーズをまぶしてみました。

美味しい〜っ! 出来上がりはシャキシャキ感を残しつつも絶妙な具合で火が通り、アスパラ風味がとても濃厚でした。

さらにどちらも低糖質なので、ダイエット中も問題なし。一緒にご飯を食べたいところでしたが、グッと我慢しました。

片付けも簡単。お鍋が汚れることもないし、お湯を捨てて、本体をさっと拭くだけです。と、良いことづくめのように感じますが、欠点は何せ時間が掛かること。レシピ集など眺めていると、メニューによっては48時間ほどお湯に入れておかないといけないものも!

フルタイムで働いており、いつも時間が足りないので、本当にたまにしか作れないのですが、それでもやっぱり魅力的な調理器具であることに変わりはありません。次は夫の従兄弟が熱弁していたステーキに挑戦してみたいです。

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