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旅の予行演習

著者: 六甲茂子(ロコモコ)

ワクチン接種も進み、ビジネス街などは以前の活気を取り戻しつつあるハワイです。私も今週からほぼ毎日オフィスに出勤するつもりです。

が、まだまだ海を越えた旅行や、多数の人が集まる催しは難しいのが現状です。

せめて家にいながらにして旅行気分を味わおうと、暇さえあればGoogle Earthを眺めて、気になる施設のウェブサイトをチェックする日々。

そんな中、嬉しいニュースが飛び込んで来ました。

ルーブル美術館の気前の良さ

あのルーブル美術館の所蔵品約48万点(!)が、全て無料で鑑賞できるばかりか、検索やダウンロードだってできるようになったんです。

パンデミック中、人々にせめてアートに触れる機会をとの粋な計らいに、感謝感激。

ルーブル美術館がアート観賞用に新しく開設したウェブサイトはこちら: https://collections.louvre.fr/en/

今のところ、フランス語と英語表記のみですが、検索機能や地図機能も充実していて飽きさせません。

友人達に紹介したところ、「美術館に行きたくなった。流石のマーケティング!」との声も。

確かに、このサービスでルーブル美術館の印象が爆上がりしたのは確か。収束後、自由に旅ができるようになったら、ぜひ足を運んで本物を…と思う方も多いかと思われます。

最後の家族旅行

ルーブルと言えば、父が亡くなる少し前、父の研究と関連があるパリの学会から、家族で招待を受けた事があります。

父はすでに身体が弱っていたし、妹は障害があるし、お断りした方が良いのではないかと思ったのですが、フランスの研究者の人々に会いたいとの父のたっての願いで、私はハワイから、3人は日本から出発し、パリで合流しました。

たった3泊の短い旅で、更に私の乗った飛行機が故障のためロサンゼルスで急遽一泊することになり、実質2日3日の、「行ってデンついて帰るだけ」の旅となり、旅程上ルーブルは見送りになりました。

更に帰りはロストバゲージで、なぜかお土産が全て水浸しで届けられるというおまけ付きでした。

でも久々の家族との邂逅は嬉しいもので、いつかまたゆっくりと再訪して、その時こそはルーブルに行こうねと話していたのですが、帰国後まもなく父にガンが見つかり、手術後はさらに感染症、そして認知症にもなり、二度と家族での旅行は叶わなくなってしまいました。

父亡き後は母も心を病み、その後認知症に。更に今年には妹も亡くなってしまいました。何かと慌ただしかったパリの旅でしたが、今でも家族で話したこと、食べたもの、街の風景などがはっきりと思い出されます。不思議と楽しい最後の家族旅行でした。

コロナが収束したら、まずは日本へ母に会いに行き、その後、夫とゆっくり旅をしたいものです。

いつか行きたいマデイラ島

義母はポルトガル系です。と、言ってもアメリカ生まれの3世なので、別にポルトガル語が話せるわけでも、ポルトガルに行った事があるわけでもありません。

でも今でもポルトガル風ビーンスープ(濃厚なお豆のスープ)を代々譲り受けているレシピで作りますし、甘いポートワインも大好きです。

ハワイには日系人同様、プランテーションで働く為に渡ってきた、多くのポルトガル系の人々がいます。その殆どが、大西洋のややアフリカ寄りの場所にあるマデイラ、またはアゾレス諸島にルーツを持つ人々です。義母の一族はマデイラ島出身。

できれば義母をマデイラ島に連れて行ってあげたいのですが、高齢だし旅はもう難しいものと思われます。でも、Google Earthがあれば、ご先祖さまの出身地を眺める事ができるんだから、便利な世の中になりましたよね。

マデイラ島の旅行記などを読みつつ、泊まりたいホテルや名物料理をチェックしたり、旅のモデルプランを立てたり。

早く自由に旅ができる世の中が戻って来るのを祈るばかりです。

それまでGoogle Earth の旅を細々と続けつつ旅の予行演習に勤しんでおくとしましょう。






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