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コロナ禍で苦しむ人を救うために~新型コロナ後遺症外来のご案内~

前回の「ソーシャルディスタンスを近づけよう」のお話の続きです。

コロナ禍において、また、社会的分断がささやかれている昨今、残念ながらうつや自殺企図者の数が急増しています。どのような状況であろうが、決して人と人との心の距離を離してはいけません。しかし、当院ではコロナウィルス感染症に対応することは病院機能的に難しいため、今の自分の立場でいかにしてそのような方々への手助けができるのか、考えあぐねていました。

そんな中、たまたまNHKスペシャル「終わりなき闘い〜新型コロナ 第3波の教訓〜」を見た際に、コロナウィルス感染後後遺症で苦しむ人々が意外に多いという事実を知りました。その様な方々がいらっしゃることを話には聞いておりましたが、正直自分の担当領域とは違うものと勝手に思い込んでいました。詳しく調べてみると、いくつか積極的に取り組んでいる医療機関はあるものの、その数はまだまだ足りないうえ、治療・対応方法も確立されていないとのこと。加えて当院におけるクラスターの際にコロナウィルスに感染し、その後後遺症に悩んだスタッフから、どうやって後遺症を治したらいいか困った話を伺い、そのニーズを感じました。

そこで4月から当院にて、まことに自分勝手ながら(笑)、新型コロナウィルス後遺症外来を始めることにしました。せっかく?クラスターを体験した経験値を活かし、当院の精神科医たちに応援をお願いし、新型コロナウィルスに感染してその後遺症に悩む方々に身体的にも精神的にもサポートできる体制を作っていきます。

実はこの企画を提出した時、正直言うと病院からは反対されると思っていました。必ず頂く質問として想定されていたのが、「その病気を専門に見る専門医はどこにいるのですか?」です。それに対して用意した答えは、「今まで新型コロナウィルスを治療する専門医は世界のどこにもおらず、まして後遺症の治療をする専門医などいない。強いて言うならば、積極的に後遺症に対応しようと思った医師が専門医だ。」でした。意外にも反対した人は一人もおらず、肩透かしを食らいましたが…。(笑)

どこまで貢献できるかは未知数ですが、まずは自分のできること(影響の輪)を広げていきたいと思います。

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