当院で2回目のコロナ・クラスターが発生しました
「先生、ダメだ。出ちゃった。」
2/3(木) 11:00ころ、それは看護師からの一報で始まりました。一病棟で2名の発熱患者が検査の結果 新型コロナ陽性となり、そこから1週間で7名の患者が発熱⇒新型コロナ陽性、コロナ・クラスターでした。当院では、2020年9月以来2度目の出来事です。しかし、今回は前回とはまったく状況が違っていました。前回のクラスターの際は陽性患者全員(36名)を新型コロナ治療病院へ転送することができましたが、市中の感染拡大状況から今回陽性患者を受け入れてくれる病院はありません。全患者を自分たちでケアする必要がありました。
第一報を受けたとき、わたしはちょうど7つの習慣 実践会に参加していました。「これはまさに自分の主体性を発揮し、影響の輪に集中し、7つの習慣を実践する場である。」とパラダイムを設定。病院へ行く道すがら様々なシナリオを考え、自分たちに出来得るあらゆる可能性を想定しました。
1時間後病院へ到着すると、すでにコロナ対策チームのメンバーが現場で環境整備と患者・職員指導を開始しており、「すでにシナジーが起こっている!」と実感しました。メンバーがみな状況を理解して使命感を共感し、この危機的状況を脱却しようと主体的に動いていたのです。ある意味拍子抜けしたというか(笑)、正直そこでちょっとホッとしました。チームメンバーみんなのおかげです。落ち着いた私は、担当医として陽性患者の治療と病院全体の体制確立・維持、今後の戦略構築に集中することができました。
本日(3/7)朝、約1か月にわたる戦いは、最後の陽性患者が回復したことにより終息しました。感染してしまった患者さんたちには大変申し訳ないのですが、結論を言えば今回の新型コロナ対策は成功したと言っていいと考えます。
その根拠として、
①当該病棟の職員で新型コロナ感染患者が一人も発生しなかったこと(前回は12名陽性、ほかの職員もほとんどが濃厚接触者で自宅待機)
②感染拡大を一病棟内に抑えられたこと(前回同様)
③陽性患者を12名に抑えられたこと(前回は36名)
④感染患者に一人も重症者・死亡者を出さなかったこと(前回は直接死2名、関連死2名)
が挙げられます。
もちろん、オミクロン株が以前のものと比べて重症化する可能性が低いことや、ワクチンや治療薬など様々なガイドラインが出たことによって対策を講じやすくなったことも成功した要因ですが、私としてはまず職員の頑張りを褒めたいと思います。今後も不測の事態は起こることもあろうかと思いますが、みんなと一緒になんとかやっていけるのではないかと根拠のない自信に包まれました。
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