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FC今治が嫌いではないと判明したロック総統に「夢スタ」や「四国」について聞いてみた。インタビュー②



先月、ロック総統へのインタビュー記事を掲載した。

正直言って、ロック総統はFC今治のようなJリーグを目指しているクラブが嫌いなのではないかと思ったのだ。でも、薄々感づいてはいた。そんなに嫌いでもなさそうだな、と。

とはいえ、ロック総統という人は、Jリーグ入りという夢を掲げ、それによってお客さんを集めるやりかたはJリーグ原理主義といい、忌み嫌ってきたはずなのである。

というわけでそのあたりの理屈を聞いたインタビューがこちら。OWL magazineは月額制なのだが、この記事だけ期間限定で200円で購入できるように設定した。ご興味ある方は、ご購入頂けるとより深くロック総統の考え方がわかるようになっている。


写真協力 
トップ画像:カメラ係&FC今治@英治(Twitter
今治の超有名店、二宮かまぼこの看板美人娘(性格もとても良い) モグ様(Twitter


インタビュアー
中村慎太郎:OWL magazine主筆。ロック総統のことを師と仰いで尊敬しているけど、なんか困ったおじさんだなぁとも思っている。「おまえ転職したんだから一回ライターはやめてタクシーに集中しろ」と言われた2日後に「俺の記事はまだか」という催促が来た。おじいちゃん……。

円子文佳:OWL magazineで2番目に書いている人。ロック総統とは初対面だと思ったら5,6回会ったことがあったらしい。今回はサポート要員(というか録音マシーン持ってきてくれた上に文字起こしまでしてくれた現人神)。

インタビューされる人
偉大なる何とかロック総統(Twitter):なんで偉大だったのかはもはや誰も覚えていないアングラサッカー界のカリスマ。春先になると下半身裸で街の中をうろうろしはじめるタイプのおじさん。乱入の時と好きなことを語っているときはかっこいい。飲み会に女の子がいると下ネタを大声でいうだけになってしまう。おまわりさん、この人です。

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さて、今回のインタビューは、Jリーグの鍵を渡すセレモニーを今治の夢スタジアムで行った時の話から始まる。

知らない方のために説明すると(知らないほうが正常なのだが)、JFLの門番と化しているホンダロックのサポーター(というかロック総統個人)が、これからJにあがるクラブのサポーターに鍵を渡す儀式を行っている。

門番というのは、ホンダロックやHonda FC、ソニー仙台などの企業所属のアマチュアクラブは、Jリーグに昇格することがない。そのため、昇格可能圏を企業クラブが占めると、Jリーグ志望のプロクラブが昇格できないのである。そのためJリーグへの門番と言われている。

そして門と言えば鍵である。鍵を使ってJリーグへ上がって行っても良いと、門番の一角であるホンダロックが認めたクラブに鍵を渡すのだ。なんで鍵かというと、ホンダロックはLock(鍵)を作る会社なのである。Rock'n Rollのロックではないのだ。

このようなことは、いわゆる地域リーグ界隈では常識なのであるが、一般のサッカーファンは知らなくて当然である。

ただ、常軌を逸したレベルで精緻に計画され、専門の音楽隊を招致した上で、衣装や小道具などにも惜しみなく資材をなげうった上でのセレモニーであることは知って頂きたい。インタビュー内でも登場する、長野パルセイロサポーターへの乱入については動画資料が残っているのでご参照頂きたい。


このインタビューは、実質上4部に相当するJFLの立場から、Jリーグを目指すクラブを見続けてきたロック総統に対して、クラブの経営や地域社会との関わり方についてどのように考えているのかを聞いたものである。

話題はFC今治が中心だが、お約束の松本山雅や、四国の周辺クラブなどについても言及されている。

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ロック総統、FC今治サポーターのもとに乱入!!


中村:当日FC今治にJリーグへの鍵を渡すセレモニーをやっていたといますが、その時の様子をうかがいたいです。

ロック総統:去年に続いて2回目の乱入だね。

円子:え?前年も行ってるんですか?

ロック総統:そう、去年も今年もウェルカムな雰囲気で、向こうも色々考えてやってくれたから、やりやすかったし、そこそこ盛り上がったよ。

松本山雅とか長野パルセイロに最初に行った時は、あんまり打ち合わせしないで突入したから混乱もあった。もっとも、こっちとしても色々経験をして慣れてきたのもあったよね。ちょちょっと打ち合わせしてさ。

中村: 長野の時は混乱してましたよね。あの時の動画は大好きです(笑)


※冒頭で紹介したのと同じ動画。

ロック総統:懐かしいなあ~「帰れ!」とか「死ね」とか罵られて大混乱だったよね(笑) 私は結構緊張しいだから。

中村: 知ってます(笑)長野の新スタジアムが出来た時一緒に行きましたからね。始まる前に緊張して挙動不審になっていましたが、実際にサポーターの中に乱入するときは本物のカリスマでしたよ。格好よかったです。

ロック総統:乱入するときは頭の中でリハーサルするんだよ。何を言おうかなとか。例えばだけど、セリフを言ったあとにブーイングが来て、こうだああだって掛け合いがあって。大体頭の中でストーリーを決めてやる。だけど、大体は最後グタグタになってね。その ぐだぐだも生放送的な感じが出てていいのかなと思っている(笑)。

そう言う意味では乱入自体に関していえばよくできたかなと思っるんだけど、ただちょっと今回は誤算があった。スケジュール通りに今治のゴール裏に乱入したら、五分だけその日のタイムスケジュールが押していて、誰か偉い人の挨拶中だったんだ。

スタジアムのアナウンスとも被っちゃって、今治サポーターから、『ちょっと待って』みたいなアイコンタクトが来て、しょうがねえから相手のゴール裏で乱入待機になっちゃったんだよ。

イメージ的には、悪役レスラーがイス持って今からリングに行くってタイミングで、まだリング上で大技かけてる途中だからまだ待って!みたいな感じになったてさ(笑)

中村:それは間抜けな瞬間ですね(笑)

ロック総統:だろ?しょうがないからバツが悪そうに立っていたら、その時に今治のサポーターに写真いいですか?って言われて「いいよ」って笑顔で応えるってさ、生放送ならではだろ?(笑)

中村:それは「いい人」と言われちゃいますよ!!

ロック総統:それはそれで、乱入した後に「待たせやがってコノヤロー」と言って、掛け合いになり今治のサポーターにとってはそれなり楽しかったと思うんだけどさ。本来応援しなければならないホンダロックの選手が、ゴール裏に挨拶に行ったら、サポーターは今治側に行っちゃっている。茶番の最中だから、誰も居ない(笑)。選手にしたらちょっとしたドッキリよ。まさに生放送だな。ホンダロックの選手達にはちょっと申し訳ないこと をしたなというのは反省点だ。

円子:みんなで行くんですね、本当に全員で。

ロック総統:乱入やるやつおいでって言っても、普通は何人か残るんだけど、最近は乱入が楽しくなっちゃったのか、今回はみんな私についてきちゃった(笑)フットサルのパワープレーだね。みんな攻めに行っててゴールがら空きみたいな(笑)

奈良クラブや松本山雅の話

中村:なるほど。当日の様子はわかりました!ありがとうございます。さて、FC今治にはJリーグへの鍵を渡すことが出来たわけですね。ところで、これまで鍵渡したクラブってどこがあるんですか?僕が知ってるのは長野、松本……。

円子:相模原で見たことがあります。

ロック総統:それから 町田、 ヴァンラーレ。あっ、思い出したけど長野はJ2の鍵は渡して無い。KITENに預けてる体になっているが……。店主が早く引き取って欲しいとこぼしてた(笑)

中村:それ、立川にあるころからじゃないですか?まぁ長野がんばれってことで(笑)。レイジェンド滋賀には渡してないですか。

ロック総統:渡してないです。

中村:バンディオンセ加古川には?(2020年Cento Cuore HARIMA(チェント・クオーレ・ハリマ)に名前を変える)

ロック総統:渡してないです。

中村:アルテリーヴォ和歌山は?

ロック総統渡してないです。って、なんでそんな発展しなそうところを選抜してくるんだよ!!鍵を渡して、唯一昇格してないのは奈良クラブだけですね。それはオカ(岡山選手)が、こんな鍵いらねえよってブン投げたんだよ。多分不祥事バレたのもそのせいだ。(笑)

円子:それはあの、打ち合わせじゃなくて素の反応で?

ロック総統:いやまあ、彼なりのなりのサービス精神かなって。オカはプレーはさておきエンターテイナーだから。その時はわざわざ、奈良クラブが対戦相手のサポーターの私を試合前に私のトークショーに呼んでくれて、トークショーしていたら、試合に出るはずのオカが、アップもそこそこに、ピッチからトークショーに乱入して来て、散々罵った上に私にヘッドロックかけてピッチに帰って行くって、まあJFLならではだな。

円子:そんなことあるですか?

ロック総統:まだまだ奥が深いのだよ、JFLは。

中村:その時、ぼくもいましたよ!ロック総統と矢部GMと三人で。岡山選手に「この人の本にぼくの本はボロ負けしましたよー!」とか言われて肩組みました(笑)流石プロのピッチで当たり前しないだけあって、ごつかった!



中村:さておき、鍵を色んなとこで渡してきた総統ですが、総統からみて今治のサポーターどういう感じなんですか? おとなしいとか 、頭がいいとか、小賢しいとか……。

ロ:すごく温かかったね。そこは松本山雅に繋がるところもあるんだけど「自分たちはJリーグ原理主義なんです」と謙虚に自覚してるところが良いね。カマタマに乱入した時はサポーターが「どう笑わせてくれるんだい?」的に斜に構えてたから、まったく噛み合わなくて滑りまくった(笑)
長州と前田がプロレスしてる感じかな(笑)

乱入もプロレスと一緒で相手を受け止めて成立するもんだから。だから、乱入される側のサポーターの空気は大切だよ。

中村:なるほど。

ロック総統:実は今治戦では、試合に来ていたサポーターさんの差し入れの中に、すごく丁寧で達筆な手紙が入っててさ。以前のTwitterで今治のサポーターが呟いた「JFLで、3000、4000人入ってて素晴らしい」みたいなツイートを、私が例のTwitterパトロールの一環で見つけちゃって。

中村:誰にも頼まれていないのにTwitterを巡回して、取り締まりをするあれですね(笑)。それで絡んだわけですね。

ロック総統:そう。「いやいや松本山雅はJFLでも、もっと入ってたよ、松本山雅にできてたことが、今治はまだできてない。松本山雅は、駒野や橋本のような代表級もいなければ、岡田監督みたいな国宝級の人もいない中で人を集めていた。素人はオッケーって言っても、サポーターはまだ足んないって思うべきだ!!」という風に絡んだの。


中村:ああ、絡まれたら本気でムカつくやつだ……(笑)

ロック総統:と、思うだろ?そしたら……。


あああああ、申し訳ないのである。OWL magazineは有料の月額マガジンであるため、ここから先は有料なのでございます。こんな中途半端なところで切るのは非常に不本意ながら、切りどころがここしか見つからず……。

OWL magazineは月額700円で15記事が読み放題なので、1記事あたり50円弱と非常にリーズナブルである。ほら、皆さん、DAZNを1,2ヶ月だけ解約したでしょ。その予算をですね、騙されたと思ってOWL magazineに突っ込んでみませんか?

いやいや、手前味噌で恐縮ですがこんなに手間をかけて記事を作っているWebマガジンはありませんよ。ほんとですよ、ほんとうに。戦術分析とか選手へのインタビューはほとんどなく、ちゃんとした読み物だけで15記事!

皆様のご購読をお待ちしております!!!

ちなみにこの記事を読むためには、3月31日までに月額購読をする必要があります。4月になると購読できなくなります(後から単独で販売する可能性はありますが、予定には入っていません)。

今月は、中村によるタクシードライバーのガチ収入レポートとか、ソサイチをプレイする三都主宇都宮徹壱さんによる東欧取材ボーリングのピンをしていた男のカンボジア自省録、OWL magazineのオンラインコミュニティ、OWL's Forestのメンバーで書いたオムニバス記事「もう一度行きたいサッカー旅」などなど、盛りだくさんです。

あ、15記事まで足りてないから残り3日も記事出てきます。いつの間にか丁寧語でセールス文句を書き始めた中村に免じて、どうぞご購読をお願いします。我々の旅の仲間になってください!


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