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欲望の在りかと愛の行方:行く場所と発せられる言語

「行為ではなく場所」

そこがどういう場所かを言語化すること。

夫婦の、恋人同士の当然の義務でもない。

テクニックではない、相手の良し悪しではない、自分の良し悪しではない。

太ってるとか痩せてるとか、身体に自信があるとか、自信がないとかは関係ない。

美人とか不細工とかではない。

「相手に気持ち良くしてもらう」のでもないし、「自分が相手を気持ちよくしてあげる」のでもない。

Deo sex machina (機械仕掛けのセックスの神)が突然現れて、「ロマンチック」を突然もたらしてくれるわけでもない。

それは、自分を新たに見つけるように、相手を新たに見つけていく相互努力。

相性がいいというのは、その努力をお互いが意識して、一緒に努力していきたいと思えるか。

お互いの欲望の在りかを一緒に探して、一緒に曝け出せるか。一緒に見つけたそれぞれ異なる「私」と「相手」の欲望を、愛を以て、愛と違うが故に、「そのまま」で、受け入れてあげられるか。

回数じゃない。量じゃない。大きさじゃない。それは質。

「私」にとっての、その場所を言語化しない限り、「私」の子供の頃に築かれた「愛し方の癖」は分からないまま。

「私」の「愛し方の癖」が分からないままでいると、いつまでも、「相手」や「Deo Sex Machina(機械仕掛けのセックスの神様)」に、あてもない期待を抱き続けるだけ。

「結婚したて」、「付き合いたて」の頃と比べた「相手」の変化にモヤモヤするだけ。あの頃はもっと情熱的だった、と振り返るだけ。

「私」の「愛し方の癖」は、”これをすれば男は落ちる”とか、”愛され女子の〇個の特徴"や、"モテる女は〇〇をしている"などのHow Toサイトには、記載されていない。

「私」の「愛し方の癖」は、「私」が「私」で言語化した先にある「私」の心の穴の形。それは、「男の人」でも「あの人」でも「相手」にどう思われるか、でもなく、「私」が魅力的だと思う「私」の心の穴。

自分の機嫌は自分で治すように、自分の欲望は、自分で心地良くしてあげる。

It is not "you" or "what", but it is "I" to be turned on. No one else but "I". (あなたが気持ち良くしてくれるのでも、〇〇が気持ち良くしてくれるのでもない。それは他でもない私が気持ち良くするもの)

(...)Because in some way, one could say sex is not something you do. Sex is a place where you go.  It's a space you enter inside yourself and with another or others. So where do you go in sex? What parts of you do you connect to? What do you seek to express there?  Is it a place for transcendence and spiritual union? Is it a place for naughtines and is it a place to be safely aggressive? Is it a place where you can finally surrender and not have to take responsibility and everything? Is it a place where you can express your infantile wishes? What comes out from there? It's a language. It isn't just a behaviour. (何故ならある意味、セックスとは「あなたが行うこと」ではなく「あなたが行く場所/あなたが入り込むスペース」だと言えるのです。あなたの内側に他者と、若しくは他の人々と行く/入りこむ場所。ではあなたはセックスでどこに行きますか?あなたのどの部分を繋がらせますか?何をそこで表現することを求めますか?そこは、あなたにとって超越した精神的な結合の場所ですか?そこはいやらしさの場所ですか?そこは、安全に積極的になれる場所ですか?そこは、あなたがやっと相手に自分自身を明け渡せる場所ですか?そこは、全ての責任を背負わなくても良い場所ですか?そこはあなたの幼少期の望みを表現できる場所ですか? このセックスという場所から、浮かび上がってくるのは何でしょうか。それは言語なのです。そして、それはただの行為ではないのです- Esther Perel The secret to desire in a long-term relationship*訳 by Hatoka Nezumi


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