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[四柱推命] 滴天髄 通神論9-1 干支総論 [和訳 現代語訳]

皆さま、こんにちは。波濤ろく🌊です。
前回のテーマは「地支」第5回。支冲についてだったわね。
🔸力の強い支で弱い支を冲すると、弱い支は引き抜かれ力を失う🥀吉神を冲するのは凶で、凶神を冲するのは吉。逆に、力の弱い支で強い支を冲すると、強い支は刺激され発動する💃吉神を冲しても特に良いことはない(福をもたらすという説もある)けれど、凶神を冲すると暴れ出して災いをもたらす。
🔸土行同士の朋冲については、蔵干が表に出てきているかをよくよく観察しましょうねというお話。透干、月令、司令など。
詳しくは前回の記事をチェック✨

今回のテーマは「干支総論」。天干、地支ときて、その組み合わせである干支を10回以上に分けて掘り下げていくわよ⛏️早速見ていきましょう🏃‍♀️💨

⚠️原文として載せている『滴天髄闡微』には、命式例が数多く取り上げられておりますが、割愛させていただきます🙇‍♀️
⚠️和訳、現代語訳の正しさについては保証いたしません💦
⚠️押さえておきたいポイントに「💡」印を付しています。

✅原文

💡1 陰陽順逆之說,《洛書》流行之用,其理信有之也,其法不可執一。

🌸原注

2 陰生陽死,陽順陰逆,此理出於《洛書》。
3 五行流行之用,固信有之,然甲木死午,午為洩氣之地,理固然也,而乙木死亥,亥中有壬水,乃其嫡母,何為死哉?
💡4 凡此皆詳其干支輕重之機,母子相依之勢,陰陽消息之理,而論吉凶可也。
5 若專執生死敗絕之說,推斷多誤矣。

🌸任氏

6 陰陽順逆之說,其理出《洛書》,流行之用,不過陽主聚,以進為退,陰主散,以退為進。
💡7 若論命理,則不專以順逆為憑,須觀日主之衰旺,察生時之淺深,究四柱之用神,以論吉凶,則了然矣。
💡8 至於長生沐浴等名,乃假借形容之辭也。
9 長生者,猶人之初生也;
10 沐浴者,猶人之初生而沐浴以去垢也;
11 冠帶者,形氣漸長,猶人年長而冠帶也;
12 臨官者,由長而旺,猶人之可以出仕也;
13 帝旺者,壯盛之極,猶人之輔帝而大有為也;
14 衰者,盛極而衰,物之初變也;
15 病者,衰之甚也;
16 死者,氣之盡而無餘也;
17 墓者,造化有收藏,猶人之埋於土也;
18 絕者,前之氣絕而後將續也;
19 胎者,後之氣續而結胎也;
20 養者,如人之養母腹也,自是而複長生,迴圈無端矣。

21 人之日主不必生逢祿旺,即月令休囚,而年日時中,得長生祿旺,便不為弱,就使逢庫,亦為有根。
22 時說謂投墓而必沖者,俗書之謬也。
23 古法只有四長生,從無子、午、卯、酉為陰長生之說。
24 水生木,申為天關,亥為天門,天一生水,即生生不息,故木皆生在亥。
25 木死午為火旺之地,木至午發洩已盡,故木皆死在午。
26 言木而餘可類推矣。

💡27 夫五陽育于生方,盛于本方 ,弊于泄方,盡于克方,於理為順;
💡28 五陰生於泄方,死于生方,於理為背。
29 即曲為之說,而子午之地,終無產金產木之道;
30 寅亥之地,終無滅火滅木之道。
31 古人取格,丁遇酉以財論,乙遇午、己遇酉、辛遇子、癸遇卯,以食神洩氣論,俱不以生論。
32 乙遇亥、癸遇申以印論,倶不以死論。
33 即己遇寅歲之丙火,辛遇巳藏之戊土,亦以印論,不以死論。
💡34 由此觀之,陰陽同生同死可知也,若執定陰陽順逆,而以陽生陰死,陰生陽死論命,則大謬矣。
35 故《知命章》中“順逆之機須理會”,正為此也。

✅和訳 現代語訳

💡1 陰陽順逆の説は、『洛書』に基づくものであり、五行が流れる理は確かに存在するが、その法則にこだわってはいけない。

🌸原注

2 陰が生まれると陽が死ぬ、陽が順で陰が逆であるという理は『洛書』に基づく。
3 五行の流れる作用は確かに存在する。例えば、甲木が午で死ぬのは、午は気が漏れる場所だからであり、理にかなっている。しかし、乙木は亥で死ぬとされるが、亥の中には壬水があり、それは乙木にとっての嫡母である。どうして死ぬのだろうか?
💡4 これらはすべて、干支の軽重、母子の関係、陰陽の移り変わりの理に基づいて吉凶を論じるべきである。
5 生死や敗絶の説に固執して判断すると、多くの誤りを犯すことになる。

🌸任氏

6 陰陽順逆の説は『洛書』に基づき、五行の流れの作用は、陽が集まり進むことが退くこととなり、陰が散り退くことが進むこととなる。
💡7 しかし、命理を論じる際には、順逆だけに頼らず、日主の強弱、出生時の深浅、四柱の用神を観察して吉凶を論じるべきであり、これにより判断が明確になる。
💡8 長生や沐浴などの名称は、あくまで形容のために借用された言葉である。
9 長生は、人が生まれたばかりの状態を指す。
10 沐浴は、生まれたばかりの人が垢を落とすために沐浴する状態を指す。
11 冠帯は、形と気が徐々に成長し、人が成人して冠をつける状態を指す。
12 臨官(建禄)は、成長して勢いが旺じ、人が役人として仕えることができる状態を指す。
13 帝旺は、壮盛の極みに達し、人が帝を助けて大いに活躍する状態を指す。
14 衰は、盛りを過ぎて衰え、物事が変わり始める初期段階を指す。
15 病は、衰えが甚だしい状態を指す。
16 死は、気が尽きて何も残らない状態を指す。
17 墓は、造化(天地、自然)が収蔵する場所であり、人が土に埋められる状態を指す。
18 絶は、前の気が絶え、次に続こうとすることを指す。
19 胎は、後の気が続き、胎を結ぶことを指す。
20 養は、人が母の腹の中で養われる状態を指す。そこから再び長生が始まり、循環が終わることなく続く。

21 人の日主は必ずしも禄旺(建禄、帝旺)に生まれるわけではない。たとえ月令が休囚していても、年柱、日柱、時柱に長生、禄旺があれば弱くはない。たとえ墓に会っても、それは根があるとされる。
22 墓に入ると必ず冲になるという説は、俗書の誤りである。
23 古い法には四つの長生しかなく、子、午、卯、酉を陰の長生とする説はない。
24 水は木を生じ、申は天関、亥は天門である。天一が水を生じる(『河図』より)こと生々として止まらないため、木は全て亥で生まれる。
25 木が午で死ぬのは火が旺じている場所であり、木が午に至ると気を洩らし尽くすため、木は全て午で死ぬ。
26 木について述べたが、他の五行も類推できる。

💡27 五陽は生方で育ち、本方で盛んになり、泄方で衰え、剋方で尽きる。これは理に順じている。
💡28 五陰は泄方で生まれ、生方で死ぬ。これは理に背いている。
29 たとえ理屈を曲げて説明しても、子午の地には金や木を産出する道はない。
30 寅亥の地には火や木を滅する道ない。
31 古人は格を取る際に、丁が酉に会うと財と論じ、乙が午、己が酉、辛が子、癸が卯に会うと食神が洩気すると論じ、全て生とは論じなかった。
32 乙が亥、癸が申に会うと印と論じ、全て死とは論じなかった。
33 己が寅年の丙火に、辛が巳に蔵された戊土に会うと印と論じ、死とは論じなかった。
💡34 これらを見ると、陰と陽が同じように生じ、同じように死ぬことが分かる。もし陰陽の順逆に固執し、陽が生じて陰が死ぬ、陰が生じて陽が死ぬと命を論じるなら、大きな誤りである。
35 だからこそ、『知命章』の中で「順逆の機を須らく理会すべし」と言っているのである。

✅波濤ろく🌊の解釈

今回のテーマは「陰陽順逆の理は単純ではない」ということだと考えるわ。しかしながら、一読しただけでは理解が難しい……💦以下は、私なりのざっくりとした解釈だから、あまり真に受けちゃ駄目よ💋

1、2、4、5、6、7 「陽極まれば陰に転じ、陰極まれば陽に転じる」🔄陰陽二元論の大原則みたいなものだけれど、そこだけに拘っていては駄目で、他の要素(干支の軽重、母子の関係(相生関係)、日主の強弱、出生時の深浅、用神など)もしっかりと観察した上で吉凶を論じなさいと述べているわね。

3 甲木が午で死ぬ、乙木が亥で死ぬ、というのは所謂十二運の話。ここで、十二運について、私なりの理解を示しておくわね。

👩‍🏫ワンポイント解説 十二運

❶ 十二運の出し方

$$
\def\arraystretch{1.6}
\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
\textbf{🌞陽干} & \text{子} & \text{丑} & \text{寅} & \text{卯} & \text{辰} & \text{巳} & \text{午} & \text{未} & \text{申} & \text{酉} & \text{戌} & \text{亥} \\ \hline\hline
\text{甲} & \text{沐浴} & \text{冠帯} & \text{建禄} & \text{帝旺} & \text{衰} & \text{病} & \text{死} & \text{墓} & \text{絶} & \text{胎} & \text{養} & \text{長生} \\ \hline
\text{丙} & \text{胎} & \text{養} & \text{長生} & \text{沐浴} & \text{冠帯} & \text{建禄} & \text{帝旺} & \text{衰} & \text{病} & \text{死} & \text{墓} & \text{絶} \\ \hline
\text{戊} & \text{胎} & \text{養} & \text{長生} & \text{沐浴} & \text{冠帯} & \text{建禄} & \text{帝旺} & \text{衰} & \text{病} & \text{死} & \text{墓} & \text{絶} \\ \hline
\text{庚} & \text{死} & \text{墓} & \text{絶} & \text{胎} & \text{養} & \text{長生} & \text{沐浴} & \text{冠帯} & \text{建禄} & \text{帝旺} & \text{衰} & \text{病} \\ \hline
\text{壬} & \text{帝旺} & \text{衰} & \text{病} & \text{死} & \text{墓} & \text{絶} & \text{胎} & \text{養} & \text{長生} & \text{沐浴} & \text{冠帯} & \text{建禄} \\ \hline
\end{array}
$$

  • 甲は木行なので、三合木局(亥卯未)の亥が長生、卯が帝旺、未が墓。

  • 丙は火行なので、三合火局(寅午戌)の寅が長生、午が帝旺、戌が墓。

  • 戊は火土同根の理により、丙と同様。

  • 庚は金行なので、三合金局(巳酉丑)の巳が長生、酉が帝旺、丑が墓。

  • 壬は水行なので、三合水局(申子辰)の申が長生、子が帝旺、辰が墓。

$$
\def\arraystretch{1.6}
\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
\textbf{🌛陰干} & \text{子} & \text{丑} & \text{寅} & \text{卯} & \text{辰} & \text{巳} & \text{午} & \text{未} & \text{申} & \text{酉} & \text{戌} & \text{亥} \\ \hline\hline
\text{乙} & \text{病} & \text{衰} & \text{帝旺} & \text{建禄} & \text{冠帯} & \text{沐浴} & \text{長生} & \text{養} & \text{胎} & \text{絶} & \text{墓} & \text{死} \\ \hline
\text{丁} & \text{絶} & \text{墓} & \text{死} & \text{病} & \text{衰} & \text{帝旺} & \text{建禄} & \text{冠帯} & \text{沐浴} & \text{長生} & \text{養} & \text{胎} \\ \hline
\text{己} & \text{絶} & \text{墓} & \text{死} & \text{病} & \text{衰} & \text{帝旺} & \text{建禄} & \text{冠帯} & \text{沐浴} & \text{長生} & \text{養} & \text{胎} \\ \hline
\text{辛} & \text{長生} & \text{養} & \text{胎} & \text{絶} & \text{墓} & \text{死} & \text{病} & \text{衰} & \text{帝旺} & \text{建禄} & \text{冠帯} & \text{沐浴} \\ \hline
\text{癸} & \text{建禄} & \text{冠帯} & \text{沐浴} & \text{長生} & \text{養} & \text{胎} & \text{絶} & \text{墓} & \text{死} & \text{病} & \text{衰} & \text{帝旺} \\ \hline
\end{array}
$$

陽干とは逆に、会局の生支に「死」を配し、そこから逆順に墓、絶と配列していく。この配列を陽生陰死という。陽干陰干を区別しない配列を同生同死という。原注【3】、任氏【24、25、26、28】は陽生陰死に否定的な印象を受けるわね🤔

❷ 十二運の本質

十二運とは何か?私が『滴天髄』の和訳を執筆するにあたって参考にしている書籍には、以下のように書いてあるわ📚

🔸十二運とは、長生、沐浴、冠帯、建禄、帝旺、衰、病、死、墓、絶、胎、養にして、天地、人事循環の理法を示したるもの。生年月日時の干支を四柱に配列し、生日天干を基礎とし地支に十二運を定める。陽日生れは長生より順行に配し陰日生れは死より逆行して配列する。
🔸十二運は単に天干五行の軽重の作用を成すのみである。

『四柱推命 滴天髄和解』 阿部泰山

大事なのは、十二運の字面自体に特に意味はないということ。あくまで十二運は、干と支の関係性を表すバロメーターでしかない📏五行としての力量がどれくらいあるかを「ストレートに」表すものではなく、天干がその支に会ったときにどういう状態になるのかを「ふんわりと」表したもの、といった感じかしら?あくまで重視すべきは五行生剋関係や合冲であることを忘れてはならないわ💖

例えば、十二運が胎だから子宝に恵まれるとか、十二運が病だから大病を患うとか、十二運の字義を象意として占断をしてはいけませんよ、という話🙅‍♀️


31、32、33 干支について、通変星即ち五行の生剋関係で論じてきた歴史があり、十二運を見て力量や生死を論じてこなかった、と述べられているわね。私もほぼ同意見👍だから、占断において十二運はあまり重視していないわ。一応、陽生陰死で十二運を出しているけれど、確かに理屈は通っていないから、考え直した方が良いかもしれないわね😱

35 最後に、『知命章』について触れているから、目を通しておいてちょうだいね👀

今回はここまで✨
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次回をお楽しみに、拜拜👋

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