[四柱推命] 滴天髄 通神論7-10 天干 辛 [和訳 現代語訳]
皆さま、こんにちは。波濤ろく🌊です。
前回のテーマは「天干 庚」。庚金は殺気を帯びていて剛健💪甲木はスパッと切り倒してしまうが、乙木とは干合しその暴力性が抑えられる🌷火行には弱いものの、丁火とは敵対せず、溶かされ鋳造されよりしっかりした剣になる⚔️🔥水行との相性は良く、壬水があると殺気を洩らし清澄な性質となる🌊なので、土との関係も、未戌の乾土より丑辰の湿土が良い。
詳しくは前回の記事をチェック✨
今回のテーマは「天干 辛」。早速見ていきましょう🏃♀️💨
⚠️原文として載せている『滴天髄闡微』には、命式例が数多く取り上げられておりますが、割愛させていただきます🙇♀️
⚠️和訳、現代語訳の正しさについては保証いたしません💦
⚠️押さえておきたいポイントに「💡」印を付しています。
✅原文
💡1 辛金軟弱,溫潤而清。
💡2 畏土之疊,樂水之盈。
💡3 能扶社稷,能救生靈。
💡4 熱則喜母,寒則喜丁。
🌸原注
5 辛乃陰金,非珠玉之謂也。
6 凡溫軟清潤者,皆辛金也。
7 戊己土多而能埋,故畏之;
8 壬癸水多而必秀,故樂之。
💡9 辛為丙之臣也,合丙化水,使丙火臣服壬水,而安扶社稷;
💡10 辛為甲之君也,合丙化水,使丙火不焚甲木,而救援生靈。
11 生於九夏而得己土,則能晦火而存之;
12 生於隆冬而得丁火,則能敵寒而養之。
13 故辛金生於冬月,見丙火則男命不貴,雖貴亦不忠;
14 女命克夫,不克亦不和。
15 見丁男女皆貴且順。
🌸任氏
16 辛金乃人間五金之質,故清潤可觀。
17 畏土之疊者,戊土太重,而涸水埋金;
18 樂水之盈者,壬水有餘,而潤土養金也。
💡19 辛為甲之君也,丙火能焚甲木,合而化水,使丙火不焚甲木,反有相生之象;
💡20 辛為丙之臣也,丙火能生戊土,合丙化水,使丙火不生戊土,反有相助之美。
21 豈非扶社稷救生靈乎?
22 生於夏而火多,有己土則晦火而生金;
23 生於冬而水旺,有丁火則溫水而養金。
24 所謂熱則喜母,寒則喜丁也。
✅和訳 現代語訳
💡1 辛は柔らかく、温かく潤いがあり清らかである。
💡2 土が重なるのを恐れ、水が満ちるのを喜ぶ。
💡3 国を支え、人々を救うことができる。
💡4 暑ければ母(辛にとって己は偏印)を喜び、寒ければ丁を喜ぶ。
🌸原注
5 辛は陰金であり、珠玉を指しているわけではない。
6 温かく柔らかく清らかで潤いのあるものは、全て辛金である。
7 戊己の土が多ければ埋もれるため、これを恐れる。
8 壬癸の水が多ければ栄えるため、これを喜ぶ。
💡9 辛は丙の臣(辛にとって丙は正官)であり、丙と合して水に化し、丙火が壬水に従うようにし、国を安定させる。
💡10 辛は甲の君(辛にとって甲は正財)であり、丙と合して水に化し、丙火が甲木を焼かないようにし、人々を救う。
11 夏に生まれ己土を得ると、火を弱めて辛を保つことができる。
12 冬に生まれ丁火を得ると、寒さを防いで辛を養うことができる。
13 だから辛金が冬に生まれ、丙火を見ると男性の運命は高貴ではなく、高貴であっても忠実ではない。
14 (冬に生まれ丙火を見ると、)女性の運命は夫を剋し、剋さなくても和合しない。
15 丁火を見ると男女ともに高貴であり柔順である。
🌸任氏
16 辛金は人間の五金の質であり、清らかで潤いがあるのがわかる。
17 土が重なるのを恐れるのは、戊土が重すぎて水を干上がらせ金を埋めるからである。
18 水が満ちるのを喜ぶのは、壬水が豊富で土を潤し金を養うからである。
💡19 辛は甲の君(辛にとって甲は正財)であり、丙火は甲木を焼いてしまうので、合して水に化し、丙火が甲木を焼かないようにし、かえって相生する関係(水生木)がある。
💡20 辛は丙の臣(辛にとって丙は正官)であり、丙火は戊土を生じてしまうので、合して水に化し、丙火が戊土を生じないようにし、かえって助け合う関係がある。
21 これが国を支え、人々を救うことではないだろうか?
22 夏に生まれて火が多く、己土があると火を弱めて金を生じる。
23 冬に生まれて水が多く、丁火があると水を温めて金を養う。
24 これが、暑ければ母を喜び、寒ければ丁を喜ぶということである。
✅波濤ろく🌊の解釈
1、5、6、16 まずは辛金の基本的な性質から。辛金は陰金、柔らかく温かく潤いがあり清らか💎同じ金でも、庚金とは大きく性質が異なるので、そこを押さえる必要あり(「通神論7-9 天干 庚」)。
🌸春の辛金
春は木行が強い季節、辛金にとっては金剋木で囚令にあたる。
3、10、19 辛金と甲木の関係について💎🌳そもそも、辛金は軟弱なので庚金ほど甲木を剋する力は強くない、が、金剋木なので甲木は剋の脅威に晒されることになる。辛にとって甲は正財(逆に、甲にとって辛は正官)、辛を君とすると甲は臣であり民である。
そこに丙火が加わるとどうなるか。丙は陽の極みであり勢い盛ん🌞甲木は丙火に燃料である木材をどんどん供給し燃え尽きてしまう。辛の剋と丙の燃焼のダブルパンチで甲木、即ち、民が危ない!😱
そこで、辛と丙が干合する(丙辛干合)💏本来、丙火と辛金は火剋金の関係だけど、辛金はもともと柔らかいため丙火の剋は気にならない。丙火は陽の極み、陽極まれば陰に転じるように、丙と辛が合化すれば、その性質は水へと変化する💧干合することで、丙火が甲木を燃やすのを防ぎ、更には水生木で甲木を生じることになる。これが「救生靈(生霊を救う)」ということ💖
🌞夏の辛金
夏は火行が強い季節、辛金にとっては火剋金で死令にあたる。
3、9、20 辛と丙の関係について💎🌞前述のとおり、丙辛干合の話なんだけれど、一旦整理。辛にとって丙は正官(逆に、丙にとって辛は正財)、よって、丙が君で辛が臣という関係になる🤴
丙火は土を生じる(火生土)。特に、戊土は同じ陽干同士なので、生じることによるエネルギーの消耗は少ない(無情の生)。戊土の力が強くなると、軟弱な辛は土に埋もれてしまう、即ち、民が危ない状況!😱
そこで、丙と辛が干合する(丙辛干合)💏合化することで水に化し、丙火が戊土を生じるのを止めることができる。そうすると、臣である辛が守られる。これが「扶社稷(社稷を扶く)」ということ。
4、11、22、24 夏生まれの辛金が、火の剋に負けず持続存続するためにはどうすれば良いか?己土に生じてもらうのが良いみたい🗻己土の性質については、以前の記事を確認してね(「通神論7-8 天干 己」)。簡単に言うと、己土は柔らかく湿った土。辛を生じると同時に、内包している水が夏の暑さを抑えてくれる。辛にとって己は偏印、自分を生んでくれる存在、つまり、母である。これが「熱則喜母(熱ければ則ち母を喜ぶ)」ということ👵
🍂秋の辛金
秋は金行が強い季節、辛金にとっては旺令にあたる。
秋生まれの辛金については、特に記述がないわね。旺令だから、問題なく働くことができると考えて良さそう。
⛄冬の辛金
冬は水行が強い季節、辛金にとっては金生水で休令にあたる。
2、8、18 辛金は水が満ちるのを喜ぶ💧辛金と水行の関係は金生水の相生関係。あまりに水が多いと、甚だしく洩気してしまい消耗が激しいのではないか?と心配になる😣💦なので、水そのものを喜ぶ、というよりは、水が土を潤し、その土が金を養うことを喜ぶ、と言った方がより正鵠を射ている気がするわね🎯
13、14 冬は、辛金にとっては悪い季節ではないけれど、ただ単に水が多く寒いというのも宜しくない。寒さを和らげるには火行が必要🌞🔥しかし、前述のとおり、丙は辛と干合し水に化してしまうので良くない。冬生まれの辛金が丙火に会うと、男命であれ女命であれ酷い性格になると述べているわね👹
4、12、15、23、24 なので、水を温め寒さを和らげるのは、丁火に任せるべし!🔥辛金が丁火に会えば、男女ともに高貴かつ柔順、素敵な性格になりますよ、って話💖
2、7、17 最後に、辛金と土行の関係について。土行は辛金にとっては土生金で相令にあたる。前述のとおり、火が強く暑いときは、己土が良い働きをしてくれる。ただ、土が多過ぎる場合は、金が埋まってしまう。これが「畏土之疊(土の畳なるを畏る)」ということ🗻
今回はここまで✨
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次回をお楽しみに、拜拜👋
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