見出し画像

士業がLinkedInをやるべき7つの理由

近頃は毎日TwitterやClubhouseなどのSNSにアクセスしていますが、実は2021年の1月まで、僕はSNSについて「たしなむ」程度でした。そんな僕が、現在行政書士としてすごく強い関心を寄せているのがLinkeInです。

そもそもなぜSNSがヘビロテ化したか

きっかけは完全にClubhouseです。それまでやっていたSNSはfacebookだけでしたが、それもほとんど放置状態でつい最近まで1年以上も放置し、みんなからのバースデーメッセージにも気づかないなど、非常に不義理な運用をしていました。そんな中、僕が「デジタルマーケット感覚」が非常に優れていると思っている行政書士の後輩(といっても、ほぼ行政書士というよりアントレプレナー)に教えてもらったのがClubhouseです。「絶対、あなたにピッタリだ」と・・・。

聞くと音声版twitterのようなものとの事ですが、正直Twitter自体やってない僕にとって、よく雰囲気が分からず、「とりあえずやってみるか」な感じ。その結果、Clubhouseにどハマりして現在に至る訳ですが、詳細は置いておき、ポイントとしてClubhouseはリアルタイムなコミュニケーションは群を抜いているものの、アーカイブが残る形の時間的なインターバルを置いたコミュニケ―ションが一切取れないということです。

そこで、1月29日のClubhouse登録時点で同時に登録したTwitterのDM機能をClubhouseで知り合った方との連絡手段として用い、Clubhouseの弱点である視覚的情報に欠ける欠点やアーカイブ機能を補うためにTwitter上でトークテーマに関連する資料を共有したり、ルーム終了後に議事録的なものを上げたりしていました(なお、この時点でTwitterフォロワー十数人程度)。

この時期、すでに印象としてClubhouseは士業にとってあまり有効なツールではないことを感じていました。なぜなら、士業の仕事は個別事案への対応が主であり、一般的汎用性ある事例を共有しにくいですし(うっかり発言時の守秘義務も重い)、また一般向けにトークしたとしても、資料や条文、フロー図などがないと一般の方にも理解しにくいからです。さらにいうと士業の機能は、必要とする人にとって時系列的にプロットな必要性が生じるものであって、こちらが発信したいタイミングでそれを欲している方が多くいるというケースも少ないといえます。

それでも僕がClubhouseを重宝している理由は、僕がClubhouseで繋がりを強化したいと思っているのが、士業ではなく、デジタル関係の専門家や著者・作家関係の方々をはじめ、幅広い分野の専門家であるからです。ようは自分の「行政書士」としての広がりではなく、デジタル関係のネットワーク構築と、人間的・経営者的な面の成長を重視しているから。

一方でClubhouseでルーム立ち上げの際に(これはよく考えるとYoutubeにせよ、ウェビナーにせよ、イベント発信する際は共通であることに気づきます)それを周知する手段が、自分にはFacebookしかないことに気づいたので、一つの課題に直面します。「Facebookってこれまでほとんど"リアル友達"しか繋がってないやん!」と・・・。なのでFacebookに行政書士であったり、デジタル関係であったりのイベント告知をしても、僕の場合、ほとんど誰も反応はありません・・・。

そこで2月時点で数十人しかいなかったTwitterを本格的に稼働させようとTwitterのアルゴリズムや特徴を勉強しました。つまりここら辺から、SNS沼化の始まりです。

SNSを活用する意味とLinkedIn

SNSを利用する際の目的は人それぞれだと思いますが、よく挙げられるのは以下のようなものだと思います。

・知り合いとのコミュニケーション目的
・交友関係の拡大・新しい出会い
・同じ趣味・趣向を持つネットワーク構築
・情報収集
・自身の記録目的
・写真や映像を見てもらいたい

一方で企業などがSNSを利用する際の目的は以下のようなものと思います。

・認知向上
・販売促進
・ブランディング
・ファンとの交流

士業の場合に難しいのは、上記の目的について、「個人の目的」と「企業の目的」が混在してしまうことです。本来であれば、SNS開始当初から方向性を決めてブレずに運用できれば良いのですが、士業や個人事業主というのは、当初「ビジネス寄り」に発信していても、気付けば「趣味・趣向」や「個人的な愚痴」あるいは「プライベートな写真」などを発信してしまうところはあると思います。

僕自身、Twitter開始(2月)時から、オフィシャルなツイートとプライベートなツイートを混ぜて発信しており、伸び悩んでいたのですが、5月に入ってから「士業、経営者向けの、前向きな言葉だけをツイートする」と決めてから比較的、安定したように思います(1ツイート「30いいね」程度、1日「20フォロワー増加」程度)。これらの現実を理解してからは、それぞれのSNSの特性をしっかり理解するように努め、自身の方向性と合致した運用をしていく必要があると考えました。その検討の過程をまとめると以下のようになります。

画像1

ある程度、この表を見るだけでも、僕が「士業がLinkedInをやるべき」と言いたい理由が明らかなのですが、補足的に項目別に説明していきます。

ユーザーと属性について

まず、SNSは公開性が強いほど、ビジネスカラーは出しやすいと思います。その点、Facebookは実名登録が原則で、印象としても「リアル友達」の繋がりがメインであったり、投稿内容がプライベート的なものがあったりと、なかなか顧客であったり、顧客見込であったりの相手と繋がりを持つことを躊躇してしまう傾向にあると思います。もちろんFacebookにも企業アカウントがありますが、ベースがプライベート寄りであるため、あまりに商売商売した運用は馴染まないのではないでしょうか。Clubhouseは性質としてはパブリックの色彩がありますが、システム上の宿命として「影響力ある個人」または「同じ趣味・趣向」を中心としたコミュニティが形成されるため、なかなかビジネスライクな運用は難しいといえます(逆に言えば、マルチ的なものや、宗教的なものはやりやすいのかもしれませんが、露骨なので、実際はほとんど見ません)。

一方でTwitter、Instagram、LinkedInは公開性が高く、パブリックな発信が前提となっており、ビジネス活用はしやすいです。Instagramは、やはり画像発信のイメージがあるので、士業には向いていないといえます。またnoteは有料noteでない場合パブリック性が高いですが、あくまで記事が主となっており、執筆者のパーソナルが前面に出にくいのでTwitterやLinkedInからのLink先として設定する使い方がベストと思います。LinkedInもFacebook同様に実名登録が原則であり、記事の内容もテキスト、画像、動画など豊富に選べますが、当初からプライベートな繋がりを作っていないのでバランス良い投稿が可能です。

ここまでで絞られたTwitter、LinkedIn、noteをユーザー数でみるとTwitter4500万人、LinkedIn200万人、note6300万人となっており分母的に有利なのは、圧倒的にTwitterとnoteとなっています。その点で、現状Twitterを外したSNS上の展開は考えにくいかもしれません。

拡散性

SNSの良さはやはり、拡散性と繋がりの強化だと思います。そのうち拡散性を見た場合、やはりTwitterがダントツといえますTwitterは話題が集まっている投稿が優先表示されるアルゴリズムがあったり、気軽にリツイートされるなど拡散性が高いです。noteはnote内で記事の共有などがされにくいため、拡散性に期待は持てません。

これらに比べて面白いのはLinkedInで、インフルエンサーの優先順位を下げたりニッチな話題や議論に示唆をあたえる投稿が優先されやすいといった特徴があり、士業が取り扱う投稿の拡散性という視点では、LinkedInはtwitterに匹敵、あるいは上回る可能性があります。

情報発信・受信

Twitterは言わずもがな140文字という制約があり、画像は埋め込みやすいですが、動画は閲覧環境に左右されるので、情報発信性はあまり高くありません。ちょっとした話題であれば、情報受信のタイムリーさは多くのSNSの中で群を抜いていますが、いずれにしても、Linkしている先に誘導されることが前提なので、ユーザ視点に立った場合、士業が発信する媒体として受信側の期待値には応えられないといえます。

noteはテキスト、つぶやき、画像、動画、音声、他SNSの引用など豊富な投稿ができるので万能なので、情報発信性は抜群とえます(他SNSの良いどころ取り)。情報受信側の視点では、やや求める情報への検索性やアクセス性が劣るものの、それでも他SNSと同等な水準と思います。

LinkedInも、テキスト、画像、動画、他SNSの引用など豊富な投稿が可能なので、情報発信性は(noteよりは劣るものの)かなり高いといえます。さらに、将来的にLinkedInに承認されればライブ配信などもできるようになるようです。情報受信側の視点でも、キーワード検索で「ユーザー」「記事」「グループ」「イベント」「求人」など様々な観点から検索できるので非常に利用しやすいです。

つながりと業務獲得のしやすさ

業務獲得の結びつきやすさは「LinkedIn > note >Twitter」です。「Twitterを見て依頼をしようと思った」というような事例はかなり少ないと思います。noteは専門性を発揮できますし、人によっては業務依頼の動機に結び付く可能性はあると思いますし、文章力がハッキリと出るので、士業のブランディングであったり、書籍出版等に結びく可能性も結構あるようです。

終盤に書くのもアレですが、LinkedInはもともと求人マッチング機能がベースになったSNSです。したがってユーザ層は圧倒的に経営者や、役員クラス、個人事業者(フリーランス)、専門家、その他インフルエンサーが中心で、しかもそのようなユーザ同士「つながり申請」もお互い気軽に行えて、繋がりを拡大しやすい仕組みとなっています(Facebookの「友達申請」やTwitterの「フォロー」という表現よりもかなり敷居が低い)。他方でTwitterのように安易につながりを絶ちにくい性質も持っておりFacebookのような強い繋がりに発展しやすい側面もあります。

しかも、経営者や役員クラスが常に、ユーザの投稿やプロフィールを閲覧しており、スカウトしたいユーザには気軽に連絡をしてくる風土があり、これは求人に限らず、フリーランスなどに対する業務依頼も結構あるようです。(余談ですが、LinkedInの代表である村上臣さん自身が、LinkedIn上で面識のない編集者からデビュー作に結び付く書籍の執筆依頼を受けたそうです)

グローバル性

複数のSNSを運用していて、これまで僕が海外の方と繋がりやすかったイメージがあるのが、FacebookとLinkedInです。仕組み的にはInstagramやclubhouseも強力なのですが、これまで述べたような士業のビジネス活用の点からみて、LinkedInはかなり優秀と思います。僕はLinkedInを本格的に運用しはじめてまだ一カ月程度ですが、海外からのアクセスはかなり多いと感じました。外国人向けの業務を扱っている士業の方にとってはかなり有益なツールとなるはずです。

まとめ

以上、士業がLinkedInをやるべき7つの理由をあらためて列挙します。

1パブリック性とユーザ属性

公開性が高く、元々ビジネスユース目的のユーザが多いので、士業にとって相性が良い

2拡散性

インフルエンサーの影響力を受けにくアルゴリズムのため、有益性のある投稿であれば、拡散性は非常に高い

3繋がり

経営者や、役員クラス、個人事業者(フリーランス)、専門家、その他インフルエンサーと

4情報発信

テキスト、画像、動画、他SNSの引用など豊富な投稿が可能で、情報発信性はかなり高い

5情報受信

キーワード検索で「ユーザー」「記事」「グループ」「イベント」「求人」など様々な観点から検索できるので非常に利用しやすい

6業務獲得のしやすさ

経営者や役員クラスが常に、ユーザの投稿やプロフィールを閲覧しており、スカウトしたいユーザには気軽に連絡をしてくる風土がある

7グローバル性

海外からのアクセスが非常に高く、気軽につながり申請や連絡がある


以上のように、多くのSNSと比較してLinkedInは士業にとってメリットは膨大と思っています。唯一の欠点であるユーザ数を乗り越えれば、これほど有益なSNSは無いのではないでしょうか。また、現在、行政書士をはじめ士業の利用者が圧倒的に少ないので、一人でも多くの士業にLinkedInをアクティブに活用頂き、様々な業種のユーザに士業の存在と、業務依頼をする風土を定着させていきたいと思っていますので、これをご覧の士業のみなさまはドンドン登録頂いて、できれば、僕に「つながり申請」もしてきて頂けると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?