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【運動心理学】疲れている時ほど運動をするべき科学的理由!運動によるストレス低減効果

運動による生理的・心理的なメリットは科学的に明らかにされており、アメリカではほとんど人がそれを認識しているが、約40%の人は余暇を非活動的に過ごしています。

また、定期的なエクササイズを初めても、6ヶ月後の継続率は50%以下であることもわかっています。

一方、日本では、「運動は大切」といった認識はあるものの、実際にどのようなメリットがあるのか認識されていません。

日本の運動・スポーツ実施の現状

スポーツ庁の「平成29年度スポーツの実施状況に関する世論調査について」では、約66%の日本人が運動・スポーツは「大切」、「まあ大切」と回答しています。しかし、実際の週3日以上のスポーツ実施率は30%以下で、実施している運動の約60%がウォーキングです。この調査では対象者2万人のうち、4分の1以上が首都圏に住んでおり、通勤や通学時の影響でウォーキングの実施率が飛び抜けて高いと予想できます。

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そのため、地方での週3日以上のスポーツ実施率は極めて低いと考えられます。また、前年度と比べると3日以上のスポーツ実施率は増加していて、特に10代〜40代の女性の実施率が約2倍に増えています。

運動によるストレス低減

運動によるストレス低減効果は、30年以上にわたり運動心理学の文献において報告されてきました。特に、ストレス低減効果は幅広い強度での有酸素運動に典型的に見られます。一定のペースで行うウォーキンやジョギングなどがもつリズミカルな性質が、心身ともにリラクゼーションを促進するためと考えられています。

また、ウェイトトレーニングなどの高強度のトレーニングによるストレス低減効果は「相反過程理論」により説明できると思われ、激しい運動を終えた際に、活動中の不快感や負担感の反動としてプラスの感情が生じるというものです。この反動的な爽快感は運動中のストレスに対処するために分泌されたβエンドルフィンセロトニンが運動終了後(ストレス解放後)もしばらく維持されるためだと考えられます。

さらに、運動は脳前頭部の活動を変化させることが多くの研究からわかっています。運動後は、肯定的な感情をもたらす大脳皮質の左側が、否定的な感情をもたらす右側に比べて活性化します。その結果、気分に前向きな変化が生じると論じられています。

他にも、運動の目標を達成することは、達成感や自己効力感を顕著に高めます。このように、運動による心理状態の変化は「気分が良くなる」現象であり、その現象は社会的および心理生物学的要因の複雑な相互作用によって起こります。

運動は間違いなく日常(ストレス)からの気晴らしであり、精神的な疲れを癒してくれる存在です。

現代社会における「疲れ」の原因の多くが精神的ストレスによるものです。身体的ストレスであれば休息をとることで解消できますが、精神的ストレスを解消するには運動が好ましいと考えています。

運動ができない理由として40%以上の人が「仕事が忙しいから」と回答していますが、十分な睡眠時間をとることが可能であれば、仕事が忙しいからこそ運動するべきではないでしょうか。

まとめ

・日本人の週3日以上のスポーツ実施率は30%以下

・地方での週3日以上のスポーツ実施率は30%を遥かに下回ると考えられる

・ストレス低減効果は幅広い強度での有酸素運動が効果的

・βエンドルフィンやセロトニンの分泌によるストレス低減効果もある

・大脳皮質の左側が活性化することで気分い前向きな変化が生じる

・達成感や自己効力感を顕著に高める

・運動は日常(ストレス)からの気晴らしである

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