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あなたも私も”お大事にね”。そう声をかけあって生きていこう #soar応援


「このチームで仕事していくなかで、私たちがよく言ってる言葉ってなんだろうね」

あれはとある秋の日。オフィスでスタッフみんなで集まったとき、こんな問いが出た。

活動3年目にしてやっと、「soarの行動指針をつくろう」と話し合っていたところ。仕事を進めるプロセスで、みんながよく使う言葉に私たちらしさがあるだろうから、それを取り入れられたらと思ったのです。

「うーん...。“お大事に”のような気が」

言われてみると......確かに!

そう気づいたときはひっくり返りました(笑)。主体性とかチャレンジ精神とか、いわゆる仕事への姿勢や取り組み方に関するものではなかったから。

(ちなみにメルカリの「Go Bold-大胆にいこう」とか、ダイナミックでかっこいいなと思って憧れなんですよね笑)

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soarでは、毎朝slackのチェックインで心身の調子を報告しているため、少しでも体調不良を感じたら共有し合うし、無理せず早めの回復に向けてお休みをとるよう徹底している。だから「お大事に」という声がけと、「お大事にスタンプ」がしょっちゅう使われてるんです。

予想とは違う気づきにびっくりしたけれど、それと同時に「あ、soarらしいな」って。よく考えてみたら、私たちの活動って要はそういうこと。

soarは常に、メディアでも事業でも組織づくりでも、「自分を大切にね」と伝え続けているのだと思う。

誰もが自分の可能性を活かす未来を。4周年を迎えたsoar


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2015年12月22日にオープンしたウェブメディア「soar」は、4周年を迎えました!NPO法人になって3年目。

副理事である夫のモリジュンヤと2人で、家のリビングで何度も何度も構想を話し合い生まれたsoarは、今は数十人が関わってくれる大きなチームになった。想いが強く、心優しくチャーミングな仲間たちは、私の誇りです。

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4年で380記事をリリースし、ひと月に30万人が読んでくださるメディアに成長!毎日のように「soarの記事に励まされた」という感想をもらい、記事に登場してくださったインタビューイや読んでくださるみなさんに「本当にありがとう!」という気持ちが溢れた。

毎月開いているトークイベントや活動説明会には、たくさんの方が参加してくださって、「自分のことをこんなに話したのは初めて」と喜んでくださる方がいるのは、本当にしあわせなこと。

そして、活動を寄付で支えてくださる「soarサポーター」のみなさんには、soarの成長の一つ一つを見守って、一緒に喜んでもらえて、このうえない心強さを感じます。

たくさんの方に応援してもらって、愛してもらって、今のsoarがあります。本当に本当に、ありがとうございます!

自分や誰かと真剣に向き合うことを、絶対にあきらめない

2018年、去年のsoarは、「私たちはどうやったら心身健やかに人が働いて生きていけるのか」という問いに、ぶつかりにぶつかりまくった年だったように思う。

「soarが好き、soarで働きたい」と思って仲間になってくれたのに、心身健やかに働いていくことが時々難しくなるメンバーもいて。やりたいことを仕事にしていても、その事実と、うまくバランスを取りながら心身の調子を保って仕事していくのは、別の話なのだと痛感しました。

そこで、私たちの大好きな福祉法人「べてるの家」の理念である、「弱さの共有」にもおおいに影響を受け、自身の弱さを受け入れ合い、心身健やかに働ける環境づくりを実践し始めた。

悩みながらも、私たちが前述したようなチェックインチャンネルをつくったり、週報で振り返りの機会をつくったり、カウンセリングを定期的に受けれる制度や、産業医に入ってもらう...。小さな組織なりに頑張って様々な仕組みをつくってみた。

そのなかで特に思い悩んだのは、メンバーのマネジメントを担うリーダースタッフたちだったと思う。自分らしいリーダーシップのあり方を守りながら、メンバーの心身を大切にマネジメントするか。そのうえで、どう事業としてよい成果を出すか。

自分とどんな風に関わったらいいのか。
他者とどんな風に関わったらいいのか。

「組織で働く」ということは、「自分自身も、そしてあなたも、どうしたら自分らしく可能性を生かしていけるか」へのチャレンジでもあるのだと思う。

だんだんに自分の思いや弱さを素直に打ち明けあう光景が増え、自然とみんなが晴れやかに笑っていることも増えていった。互いの“好きなもの”を大切にする文化もあり、みんな楽しそうに好きなことを共有し合っている姿が、私は大好きだ。

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私がこの1年間で、強く感じたのは「soarのみんなは、自分や誰かと真剣に向き合うことを絶対にあきらめない人たちである」ということ。

自分とも他者とも向き合うことは、ものすごくエネルギーがいることだし、ときに傷つけたり傷つけられたりもする。

印象的だったのは、私のある発言に「傷ついた」という素直な気持ちを、おそるおそる話してくれたメンバーがいたこと。それはつまり「私は、あなたに大切にされていない気がする」という思いを、意を決して打ち明けること。

上司である私にそれを伝えることに、どれだけ悩んだだろうか。

私は自分と本気で関わろうとしてくれていることに感謝でいっぱいになったし、”相手を大切にする”という関わりには、愛と勇気が必要なんだと知った。(アンパンマン!)

私は、メンバー一人一人を、心から尊敬している。

メディア自体でも、今年も多くの記事をリリースするなかで、自分や人との関わりについて書いた記事には大きな反響がありました。

自分が囚われている「こうあるべき」を手放すこと、人の期待に応えるのではなく自分で自分を満たすにはどうしたらよいのか。

そして、勇気を持って、人と深い関わりを築いていくために大切なこと。

読んでくださったみなさんの声を見ていると、多くの人が自分や他者との関わり方に思い悩んでいるんだなと感じる。

リーダーとして“ビジョナリーでない自分”も受け入れる

私自身も、自分や他者との関わりに悩み、学ぶことは多かった。

特に悩みごとが多い時期は、「経営者として未来を描いて、何かを決定して前に進んでいく自分」という成功体験にとらわれていて、そうでない自分に対して不安になっていた。

“いつも明るく、前向きで、ビジョナリーではない自分”を許していなかったんだろうなと感じる。そんな人にリーダーの資格はないよね、と。

でも、人って一人では強くはいれないから、仲間に相談して、力を借りて生きていくんですよね。本当に色んな人に助けられました。

家で「ぐうううう、今日私は何もできていない」と暴れている私に(笑)、夫がよく「そんなときもあるよね」と声をかけてくれていた。

経営メンバーは会議で判断力がなくなっている私を何も言わず見守ってくれたし、理事のみなさんはいつも私を笑顔で受容してくれたし、スタッフは私が不安そうなときに「瑞穂さんはいつでも最高だから」と励ましてくれた。

明るくなくても、前向きでなくても、ビジョナリーでなくても、私は私でいいんだな。リーダーでいていいんだな。

そう思えると安心して、前よりも素直になれた。

そして、優しく労る、そっと見守る、むしろ見ていないふりをする、明るく励ます。相手を大切にすることって、いろんなやり方があるんだなとも学んだ。

みんなのおかげで、今は不思議と、調子よくないな、いいアイデアでないなと不調を感じるときも、自分で自分自身に「そんなときもあるよね」と声をかけれるようになった。

実はわたしは、夏くらいに「セルフ・コンパッション」という、自分に思いやりや慈しみを向け、どんな状況でもあるがままの自分を肯定できる心理状態を目指す考え方を知り、寝る前に自分自身をいたわる声がけを実践している。

「私が健康でありますように。私の苦しみや悲しみが取りのぞかれますように。私がいつも安心でいられますように」

これは、毎日のように自分自身に”お大事にね”と声をかけているようなものだと思う。

自分自身と向き合って、自分を大切にすること


あるとき、いろんな出来事が重なって、心身の調子がよくなくなって、お休みをとったスタッフがいた。

相談をした結果、しっかりと休むことを決断し、それを全うし、少し元気になって帰ってきたスタッフの姿を見て、私は日報にこう書いた。

自分の痛みや心のサインに誠実に向き合っているんだと思い、尊敬の念を感じた。人生にはいろいろなことがあるけれど、エネルギーが落ちてしまうときもあって、それに抗わずしっかり自分を大切にすれば、回復することができるし、安心して「自分を待っていてくれる場所がある」と感じられる環境をつくっていきたいな

すると、それを見たそのスタッフが、週報にこんな風に書いてくれた。

「自分の痛みとちゃんと向き合って、大切にすること」を大切にしてくれる組織、人に囲まれていて、恵まれているし、ありがたいと思った。自分もsoarや家族、友人など「自分と向き合うこと」を見守りたいし、何かあったら助けたい。大切な人を待てる場所をしっかり支えていきたい

これを見たとき、とってもとっても嬉しかった。自分を大切にすることを、大切にする。なんて素敵なんだろうと。

そしてsoarは、「自分が自分でありたい」と願う人を応援する組織、活動でありたいなと思った。働くひとも、メディアを読んでくれる人も、活動に参加してくれるひとも、そしてこの世界に生きるひとりひとりにも。

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私はよく、soarというメディアは「生きる知恵のシェア」だと話している。

soarはきっと、メディアも事業全体も、自分や誰かを大切にして生きていくための、多様な選択肢を示すことをしていると思う。

困難のなかでの多様な人の生き方、考え方。
つらいときに誰かを助けてくれるサポートの数々。
人が自分らしく生きることを願う人たちの思い。

「知識は愛であり光であり、未来を見通す力なのだ」

私は、盲ろう者であったヘレン・ケラーの家庭教師だったアン・サリヴァンのこの言葉がとても好きだ。

soarがこの世界に散らばる光を集め、伝えていくことが、誰かや何かを知るきっかけとなり、自分と向き合い生きていく力となる。そしてきっと今よりも素敵な未来をつくってくれることを信じている。

あなたも私も”お大事にね”


”お大事にね”がよく聴こえてくるsoarで、気づいたことがある。

それは不思議と誰かに”お大事にね”と伝えた言葉は、自分にも返ってくること。頭で体で、その言葉が響くと、なぜか自分自身も誰かにそう声をかけてもらったような気持ちになる。

誰かを大切にすると、自分も大切にしたくなる。そして、自分を大切にすると、また誰かを大切にしたくなる。

そんな優しい循環がsoarという組織でも、活動のなかでも起きているように私は思う。

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自分にも誰かにも、"お大事にね"と声をかけあえるように。そして自分を大切にしている人を誇りに思い、称え合えるように。

そんな輪を広げていくことがきっと、人がより自分らしく生きる可能性を広げること、そんな社会づくりにつながっていくんだと思う。

4年間ずっとsoarを応援してくれた、一緒につくってくれたみなさん、本当にありがとうございます!

5年目のsoarも、”自分や誰かを大切にできる人”を応援できるよう、活動を広げていきたいと思います。これからも、どうぞよろしくおねがいします!

そしてみなさんもどうぞ、”お大事に”日々を過ごしてくださいね。

(soar代表理事 工藤瑞穂)

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soarはNPO法人soarが運営するウェブメディア。「人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていく」ことを目指し、障害者や高齢者、LGBTなど様々な人の生き方やサポート事例について紹介しています。


2019年12月22日に迎えるメディアオープン4周年に向けて、サポーター会員800名を目指しています。(現在760名のサポーターのみなさんに支えてもらっています!)より多くの人にsoarを知ってもらうため、今年もハッシュタグキャンペーン「#soar応援」 を実施します。


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