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#8_殻は破れる!困っても悩んでも、「こうやって」動いてみよう

「はたらく木曜日 女子大生とキャリア女子の渡り廊下」は、10代〜20代の女子が日々直面する社会・恋愛・学び・キャリアなどのお悩みを解消するラジオ番組です。(視聴はコチラから!)

Noteには、番組のハイライトを書き起こしています。ティーン女子と言って、侮ることなかれ。人生に一生懸命向き合っているからこその、素晴らしい質問ばかりです。

今回のテーマはこちら!

『殻は破れる!困っても悩んでも、「こうやって」動いてみよう』

こちらのテーマで、三つの質問に答えていきます。

Question.1:19歳/女子大学生:いつも同じメンバーとばかり群れてしまう日常を変化させるには、何を意識するべき?


同質的集団に潜む「死角」

Answer.1:いつも同じメンバーでつるんでいると、自分と同じような価値観・好きなもの・考え方ばかりに触れてしまって、「全く違う意見を交わすことでブラッシュアップされる」経験が積みにくい。ここに危機感を持つこと、そしてその状況をどうしたら改善できるのか考えることそのものが、とても尊いことですよね。素晴らしい。

これって、学校だけじゃなく、社会に入っても多々発生する状況です。むしろ、社会人になってからの方が「同じようなメンバー」と一緒にいる時間は長いかもしれません。では、自分と違う属性の人々と接し、馴染みのない考え方や行動に触れる価値は、どこにあるのでしょうか?今回は、マシュー・サイド著『多様性の科学』の中で紹介された事例から紐解いていきたいと思います。

CIAはなぜ9・11(アメリカ同時多発テロ事件)を未然に防げなかったのか(要約)
視点があるからこそ盲点がある。ものの見方や考え方の枠組みから飛び出すのは、どれだけそうしたいと思っていても驚くほど難しい。

CIAの職員は、白人で、ほとんどがアングロサクソン系、中・上流階級の出身で、リベラルアーツ・カレッジの卒業生で構成されており、非白人、女性、民族的マイノリティはほぼいない状況だった。つまり、同質的で画一的な集団であるが故に、盲点が共通しがちになり、しかもその傾向をお互いに強化してしまった。
マシュー・サイド著『多様性の科学』


例えばダンスを上達させる、決められた仕事を処理するなど、決まったゴールに向かって効率よく成果を上げるためには、同程度のスキルや価値観などを持った集団に所属することが近道でしょう。

他方、(同じ文脈で語るのはちょっぴり恐れ多いのですが)テロを未然に防ぐ、だとか、より良い進路やキャリアのあり方を検討するなど、どこに答えがあるかわからない状況を解決したい場合、同質性の高い集団内だけでのコミュニケーションでは、自分が持っていない着眼点(盲点)に気づけず、解決からむしろ遠のいてしまう可能性が高くなります。

違和感を感じる人に「敢えて」コミュニケーションコストを払う

 「盲点に気づく」ためには、性別・人種・年齢・経験・ものの見方や考え方など、目に見える違いと目に見えない違いの両方が、自分と異なる人たちと主体的に関わっていくこと。

つまり、いつもと違う環境に飛び込んで、違和感を感じる人とコミュニケーションを取る頻度を上げることが重要です。しかしながら、これが中々難しいのです。自分と共通点が少ない人と会話することは、一定の「暗黙の了解」が成立する、同じ属性のグループの人と会話する時のように、「楽ができない」んですね。ルールブック通り、いつも通りではなく、その「新しい価値観を持つ人」との信頼関係を築く言動を考えて、自分なりに動いてみなければなりません。

 少し面倒くさいのだけれど、誰一人として同じ人はいないのだから、その人と自分の「違い」に着目してコミュニケーションをとってみる。そうすると、実は今、目の前に既にある関係性ですら、自分の工夫次第で変化を起こすことができるようになります。例えば、阪急グループ創設者小林一三氏の言葉で、織田信長の草履取りだった豊臣秀吉の話があります。「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみよ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」

今目の前にある仕事や人との関わり方が、自分の理想とかけ離れていたとしても、日本一になる勢いで正面から向き合えば、必ず次のステップが見えてきます。豊臣秀吉は、尊敬する織田信長に心地よく思って欲しくて、草履を懐で温めました。自分なりに工夫した「敢えての」コミュニケーションコストを、彼は払ったんです。今ある環境の中でも、きっとできることはあります。自分なりに工夫を込めた一歩を踏み出してみましょう。

Question.2:15歳/女子高生:二つの進路で判断に迷うとき、どう決めたらいい?

判断基準の作り方

Answer.2:まず、二つの選択肢まで絞った貴方が素敵です。本当によく頑張ってらっしゃる。すごいです。進路に迷う真剣なお悩みだからこそ、今回は私が実際に経験した「センター試験100日前に母親が過労死した時」に作った判断基準の作り方についてお話しします。

二人三脚で頑張ってきた受験勉強が、母親の死により、なんで頑張らないといけないのかわからないことになってしまいました。私は文字が読めなくなるほどのショックを乗り越えて、「なんのために頑張るか」を設計し直しました。(「なんのため」は、ぜひラジオで笑)

自分の答えに近づく3つの行動

まず、自分一人でできる行動をご紹介します。とっても簡単で、走る・歩く・自転車を漕ぐ等、身体を動かす時間を通じて自分に向き合います。

「物理的に身体が動く」時間の中で、自分の気持ちや考えを整理し、内省を進めます。私にとっては身体を動かすことが、頭や気持ちのモヤモヤをスッキリさせる最適な行動ですが、人によっては湯船に浸かることや、寝る前ボーっとすることかもしれません。自分にとって心のモヤモヤが取れていく行動を特定しておくことが、重要だと思います。

次に、周囲の人とできる行動です。これも単純で、「相談すること」です。相談できる人を3歳・5歳・7歳・10歳上など、バリエーションを持って確保しておくこと。

最後に、(これも一人でできてしまいますが)「本を読むこと」。自分の尊敬する人だったら、この問題にどう対処するだろうか?と言う視点で、伝記や手記を読み、尊敬する人の視点をインストールして判断してみる。学生でも社会人でもできる行動です。ぜひ、やってみてくださいね。

Questionもも:「リーダーのやるべきこと」頭でわかっていても、実際に皆を同じ方向に導くことは難しい。どのように行動すべき?

Answer.3:ボスとリーダーの違いについて、トヨタイムズで公開されていたトヨタ春交渉2020第2回話し合いの中で、豊田社長(当時)がお話しされたことを引用してご紹介します。

ボスとリーダーの違い

ボスは、「私」と言う。
リーダーは、「我々」と言う。

ボスは、失敗の責任を負わせる。
リーダーは、黙って失敗を処理する。

ボスは、やり方を胸に秘める。
リーダーは、やり方を教える。

ボスは、仕事を苦役に変える。
リーダーは、仕事をゲームに変える。

ボスは、「やれ」と言う。
リーダーは、「やろう」と言う。

朝はきちんと挨拶をする。
自分が開催した会議には、自分が一番先に行く。
何かしてもらった時は、「ありがとう」と言う。

リーダーの皆さん、ご自身の行動を今一度振り返ってみてください。
トヨタイムズ「トヨタ春交渉2020第2回話し合い」


従業員だけでも何十万人、関連会社まで含めたら何百万人のトップに立つ豊田社長(当時)が、こんな風に熱く、従業員に対して自分の言葉で語ってくださるのって、カッコいいですよね。

リーダーとしてやるべきことが頭でわかっていても、なかなか人がついてきてくれないのは、自分らしいリーダーシップ論を持って伝えたり、行動することが足りていないからかもしれません。私にとってリーダーとは、「わたしとあなたと私たちをつなぐ人」。向かうべき方向性を決めたら、誰一人取り残すことなく進むための方策を考え、社会への価値還元までのストーリーを示せる人。動いてくれないと嘆く前に、周囲からフィードバックを頂きながら、根気強くストーリーを伝え続けることが、とても重要なのではないでしょうか。豊田社長の姿をはじめ、トヨタの経営陣の皆さんの語る姿が、それを力強く教えてくれます。


さいごに

ということで、『殻は破れる!困っても悩んでも、「こうやって」動いてみよう』をテーマに、お話ししました。みなさん一人ひとり、置かれた状況は違いますが、きっと通じる部分があるはずです。今回はお話ししてても、こうして文章を書いていても、何度もウルっときてしまいました笑。もっと伝わる形にブラッシュアップしないと。頑張ります!

ラジオの最後では、ももちゃんと奥野が英語学習の進捗を報告し合っています。日本に住んでいると、英語を使う機会が少ないため、どうしても英語学習を続けるモチベーションが維持しにくいもの。毎日少しずつ前進していますので、温かく見守っていただけると嬉しいです。

ラジオ内でしか言及していないこと、言葉のチョイスのニュアンスなど、「生の音声だからこそ」伝わる内容もありますので、ぜひラジオの方も、聞いてみてください。

こちらから、どうぞ!

それではまた、次の機会に。良い1日を、お過ごしください!

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