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『ジュネーブ』は英語では『ジェネヴァ』(地名の呼び方・スイス編)

外国の地名の日本での表記はいろんな難しい点があります。
これまでに「イタリア編」「ドイツ編」についてnoteをアップしました。

本日はスイス編です。

スイスは小さな国ですが、いろんな言語が使われていることで知られています。
公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つの言語です。
(ロマンシュ語はイタリア語やフランス語などに近いそうです。)

首都はベルン(Bern)ですが、これはドイツ語。
英語では綴りは同じでも「バーン」という発音が一般的で、フランス語ではベルヌ(Berne)となります。

著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」があります。
正式には「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」(Convention de Berne pour la protection des œuvres littéraires et artistiques)ですが、スイスの首都ベルンで1886年に署名が行われて成立しました。
この条約の名称となっている「ベルヌ」はフランス語です。

スイス最大の都市は、東部のドイツ語地域にあるチューリヒ(Zürich)
「あれ?『チューリッヒ』じゃないの?」と思った方もいると思いますが、多くのメディアでは「チューリヒ」(「ッ」なし)を使っています。
(「チューリッヒ」と称しているのは、有名な保険会社など。)

チューリヒと並んで国際的に知られた都市は、西部のフランス語圏にある「ジュネーブ」(Genève)ですね。
英語では「ジェネヴァ」(Geneva)となります。

首都も、国際的に知られた2つの都市も、言語によって呼び方が違うわけですが、実は「スイス」という国名も、言語によって違っています。

ドイツ語名"Schweiz"(シュヴァイツ)

フランス語名"Suisse"(シュイス)

イタリア語名"Svizzera"(スヴィッツェラ)

ロマンシュ語名"Svizra"(スヴィツラ)

ラテン語名"Helvetia"(ヘルヴェティカ)

ヨーロッパに行くと、国を表すアルファベットのステッカーが貼られています。
イギリスは「GB」(グレートブリテンの頭文字)といった具合ですが、スイスの略称は"CH"です。
Wikipediaによると、これはラテン語表記をフランス語に転写した "Confédération Helvétique"の頭文字だそうです。

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