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『ハングルニュース』って何!?

NHKのラジオ番組をパソコンで聴くことがあるんですが、R-2(ラジオ第2放送)の番組表の中に「ハングルニュース」というタイトルがありました。

NHKのサイトより

この画像でお分かりのようにいろんな言語のニュース番組があって、「中国語ニュース」「スペイン語ニュース」などタイトルが付けられている中に「ハングルニュース」があります。
聴いてみましたが、もちろんラジオ受信機に文字(ハングル)が表示されるわけではなく、韓国・朝鮮語の音声でニュースを伝える番組でした。

言うまでもありませんが「ハングル」とは韓国・朝鮮語で使われる文字のことです。
15世紀に李氏朝鮮第4代国王・世宗が作ったもので、「偉大なる文字」という意味だそうです。
日本語で言えば「ひらがな」とか「カタカナ」に似ていると言ってよろしいかと思います。
そうすると、文字の名称なのにNHKは言語の名称として使っていることになります。

NHKは1980年台に韓国・朝鮮語講座の番組を始めるにあたって、「アンニョンハシムニカ・ハングル講座」というタイトルを採用しました。
もちろん、文字を教えるわけではなく、ほかの言語の場合と同様、言葉(会話や文法、文字など)を学ぶ番組でした。
しかし、「韓国語」とすると北朝鮮系の団体などからの抗議が予想されるし、「朝鮮語」とすると韓国系からの批判がありそう。
「韓国・朝鮮語」や「朝鮮・韓国語」としても順番をめぐって揉めそう、ということで「ハングル」という言葉に落ち着いたと言われています。
もちろん、NHKの番組名だけが理由ではないでしょうが、日本では「ハングル」が言語の名称だと誤解している人が多くいるようです。
「日本海を漂流していた船の乗組員は『ハングル』を話していた」とか「記者会見にはハングルの通訳が同席した」など、明らかに「ハングル」を言語の名称扱いした不思議な表現をよく耳にします。
現在では北朝鮮系団体からの抗議は、1980年代ほど心配しなくていいと思うので、「ハングル」を言語の名称として使う(使っているかのように誤解させる)表現はやめてほしいものです。

ちなみに、現在のNHK Eテレ(教育テレビ)の韓国語講座「ハングルッ!ナビ暮らしに"ちょこっとハングル”を」という題名です。
私が見た限りでは、K-POPのグループや韓国人の俳優が出てきて、北朝鮮の要素は皆無でした。
「韓国語講座」としても違和感はないし、問題も起きないと思うのですが…。

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